2012年6月4日月曜日

2012 INDYCAR レースアナリシス:R6 シボレー・デトロイト・ベル・アイル・グランプリ――シボレーvsホンダ 燃費競争に大きな変化が――

シボレーの地元でホンダは表彰台独占を達成! 再びロードで相まみえた
両エンジンの燃費性能差は今回どうだったのか??
Photo:INDYCAR\LAT USA
めまぐるしく変わる燃費アドバンテージ

 第4戦ブラジルは、ホンダが大型ターボ・ハウジングの使用を許可され、エンジン・ルールが公平になった最初のレースだった(一部のシボレー・ユーザー・チームのオーナーたちはそう思っていないが……)。サン・パウロのストリートコースでシボレー・エンジンで走るウィル・パワーはホンダ勢の誰よりも速く、燃費でも優っていた。彼がトップを悠々と危なげなく走り続け、燃料セーブをし易かった状況を差し引いても、シボレー・エンジンの燃費の良さは明白だった。ホンダ勢より2周も長く走れていたのだ。 しかし、インディー500ではその立場が逆転していた。今度はホンダの方が、1タンクで2~3周多く走れていた。
こんな逆転が起こり得るものなのか!
ロードコースとオーバルという大きな違いがあるにせよ、ここまで燃費性能は変わるものなのか?
ホンダはずっと実力を隠していたのか?
予選用の高ターボブーストでシボレーV6ツインターボは圧倒的な優位を誇示した。愕然としたホンダ・ユーザー・チームの中からは、「シボレーは予選前のプラクティスでもパワーを隠していたのだろう」という見方さえされていたほどだった。
ところが、インディー500の決勝が始まると、またしても状況の大逆転が見られた。頭が混乱した。「実力を隠していたのはホンダの方じゃないか?」と考えさせられるほど、ホンダ勢がスピードでも燃費でもシボレー勢を上回ってみせた。



今回、ディクソンとパワーの燃費は互角。今後のレースに影響も!?

 第6戦デトロイト、インディーカー・シリーズは再びストリートレースへと戻って来た。さぁ、ホンダは燃費でどこまでのゲインを果たしているのだろうか? 注目していた。デトロイトはシボレーのホームレースだ。
日曜日の午後、25台のマシンにグリーンフラッグが振られ、答えは出た。トップを快走し続けたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)と、彼に大量リードを許しつつも2位を保ったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、2人は3位以下のドライバーたちよりも好燃費を実現し、同じラップにピットインした。つまり、シボレーとホンダのトップが互角の戦いを見せたということだ。そして、スピードではホンダが優っていた。もちろん、そこにはマシンセッティングの差があり、今回はディクソン&ガナッシがパワー&ペンスキーを上回っていた面もあるだろう。
ディクソンとパワーは、全長2.07マイルのコースで32周を走ってピットに入った。そこまでにフルコースコーションはなし。レースは90周の予定だったから、彼らは余裕を持って2ストップで走り切れたということだ。インディーカーは、今後のレースの周回数を検討し直さなければならないかもしれない。2ストップがギリギリ難しいラップ数に。


Jack Amano

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