2014年4月13日日曜日

2014 INDYCAR レポート 第2戦 ロング・ビーチ Day2 予選:ライアン・ハンター-レイが今季初ポールポジション! 佐藤琢磨はまさかのQ1敗退で15位

一発逆転でポールポジションを獲得! Photo:INDYCAR (John Cote)
午前から路面温度が急上昇
変化したコンディションで状況が一転


 走行2日目、午前中にプラクティス3が行われた。ここで佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は17番手に沈んだ。昨日は4番手と順調な出足と見えていたが、状況は一転した。しかも、ここでの状況の変化は琢磨陣営にとっておおいに不利に働いた。予選のグループ分けは金曜のプラクティスタイムで行われるが、予選直前のプラクティスでトップ10に入るタイムを出したドライバーのうちの6人が琢磨と同じグループ1に配されていたのだ。
 予選開始時の気温は17℃、路面46℃。朝のプラクティスと気温は同じだったが、路面は20度も上がっていた。


 レッド・タイヤ装着により、ラップタイムは1分7秒台へと突入した。Q1グループ1のトップは、チャンプカー時代にポールポジション2回獲得、優勝を3回飾っているセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)だった。2位のジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、3位のジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)、4位のジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、そして、5位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)までが朝のプラクティスでトップ10に入っていた面々。そして、Q2進出の最後のポジション、6位に食い込んだのはスポット参戦のオリオール・セルビア(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。今季初参戦とあって走行初日の昨日は16番手と振るわず、今朝のプラクティスでも19番手と低迷していたが、予選でのレッド装着でベテランは実力を発揮し、一気にスピードアップを果たした。
佐藤琢磨、Q1で痛恨のペナルティ! Q2進出を逃す

 Q1のグループ1では、開幕戦ポールポジションの佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、開幕戦予選2位のトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が敗退した。ロング・ビーチ優勝経験者のマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)も11人中の9位だった。
 琢磨はこのセッション中にハンター-レイの進路を妨害したとして、ペナルティを課せられた。「こちらはブラックでのアタックは1周で終えて、レッドにスイッチしてピット・アウト。レッドでのアタックを始めたところだった。相手はセッション開始からブラックでのアタックを続けていた。そして、彼は僕にコースの後半部分で接近して来た。あの位置関係で彼のラップタイムに悪影響があったとは主言わないけれど、インディーカーはアタックの邪魔をしたとの判定を下したということ」と琢磨は語っていた。ペナルティとして琢磨はベスト2ラップを取り消されたが、グループ8番手という順位に変わりはなく、予選順位は15位となった。
Q1グループ2ではウィル・パワーが7位で敗退!

 Q1のグループ2ではルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が1分8秒8746のトップ・タイムをマークした。開幕戦セント・ピーターズバーグではQ1で7位となって惜しくもQ2進出を逃したが、今回は一段上に進んだ。2位はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)。3位はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。4位はシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)。5位はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。そして、6位はジャック・ホウクスワース(BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)だった。こちらもルーキーだ。ホウクスワースは開幕戦で、ムニョスに続く8位となってQ2進出に失敗。彼もまた第2戦でステップ・アップを実現した。
 朝のプラクティスでトップ・タイムを出していたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、7位でQ2進出を果たせなかった。0.0191秒の差でホウクスワースにバンプ・アウトされたのだ。ロング・ビーチでのPP獲得経験者、ライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)も8位で敗退。ロング・ビーチ優勝経験者(CART時代)のファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)も7位で初のQ2進出はならなかった。


Q2ではブルディが最速ラップタイムをマーク
ガナッシ・ペンスキー勢はすべて敗退


 Q2ではニューガーデンが5周目に1分7秒9105をマーク。それを1分7秒7913でブルデイが上回り、そのままブルデイがトップでQ2は終了した。このラップタイムは今日の最速となった。
 2位は1分7秒8592のパジェノー。フランス人の1-2だ。そして、ニューガーデンは最終的に3位でファイナル進出。4位はハンター-レイ、5位がホウクスワースで、6位はヒンチクリフとなった。
 Q2でもビッグ・ネームが姿を消した。昨年度チャンピオンのディクソンが0.0298秒差で敗退。カストロネヴェス、チャンプカー時代にコースレコードを樹立しているウィルソンもQ2でストップとなった。ガナッシとペンスキー、シリーズの二強がシリーズ第2戦にして予選ファイナルに1人も進ませることができなかった。1台体制で戦う小さなチームの、まだ未勝利の若手ドライバー2人がその代わりにファイナルに駒を進めた。


ファスト6を制したのはハンター‐レイ
たった1周のアタックで大逆転ポール・ポジション


 Q3はユーズド・レッドでの戦いとなる。レッドは予選日までには2セットしか供給されないからだ。グリップは高いがライフの短いレッド。二度目の使用となるとアタックで好タイムが期待できるのは1周か2周。そこでセッション後半戦に一発勝負をかける作戦に出るチームが多くなった。ベテランのブルデイが1分7秒9580でトップに立つ。それをヒンチクリフが1分7秒9403を出し、逆転。しかし、最後の最後に大逆転が待っていた。たった1周のアタックでハンター-レイが1分7秒8219を叩き出し、ポールポジション獲得を決めた。今季初、キャリア7個目のPP獲得は、ロング・ビーチでは初めてのPPとなった。
 予選2位はヒンチクリフ。アンドレッティ・オートスポートがフロント・ロウ・スウィープを達成した。ホンダ・エンジンによる予選1-2でもある。ホンダは開幕2戦連続のPPだ。 ハンター-レイは、「チームのおかげだ。誰がトップになってもおかしくない激しい戦いになっていた。大好きなロング・ビーチでついにPPを獲得できて嬉しい」と喜んだ。ヒンチは先輩チームメイトによって初ポール獲得を逃した。これでキャリア4回目の予選2位だ。


「厳しい予選になりました」と佐藤琢磨は語る

 琢磨は、「厳しい予選になりました。この2日間でマシンを進歩させることができていまいしたが、充分ではありませんでした。予選でもベストを尽くしたのですが、Q1も通過できなかったのだから本当に残念です。明日のファイナル・プラクティスでは大きくセッティングを変えて行くことになるでしょう。そして、決勝用のマシンを良いものにしなければなりません」と語っていた。

 ルーキーながら予選5位となったホウクスワースは、「僕らは予選を堅実に戦うことができていた。セッションが進むごとにマシンを良くして行くことができた。それは大きな成果だったと思う。Q1、Q2ともにクリーン・ラップを獲得できた。Q3では最後のアタックでターン1でちょっと失敗した。マシンの持つ力をすべて引き出せなかった」とコメントした。

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿