2025年7月14日月曜日

2025 INDYCAR レポート R11 シンク 275 パワード・バイ・スーカップ Race Day 決勝:パト・オーワードが今シーズン3人目のウィナーに!シヴォレーは初勝利が1−2−3−4フィニッシュ!!

 

Photo:Penske Entertainment

232周トップを守ったニューガーデン、3回目のピットストップで首位を明け渡す

 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は完璧なレースを戦っていた。ポール・ポジションからトップを守り、232周に渡ってレースをリードし続けた。しかし、勝利は予選5位だったパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)のものとなった。3回目のピット・ストップに先に入ったのはニューガーデンで、オーワードはその次の周にピットに向かった。そして彼はニューガーデンの前へとピット・アウトした。その後、セカンド・スティントを長くしたアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)らがトップを走ったが、彼らがピットに向かうとオーワードがトップに立ち、ゴールまでの33周でその座を守り通した。

Photo:Penske Entertainment

オーワード、ニューガーデンの反撃を完璧にはねのける

 レース終盤の248周目にはノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)がクラッシュ。ターン4の壁が傷み、その修理を行うために赤旗が出された。262周目のリスタートでもカルーム・アイロット(プレマ・レーシング/シヴォレー)がアクシデントを起こし、リスタートが繰り返されることになった。しかし、そのどちらでもオーワードは危なげなくダッシュ。ニューガーデンの攻撃を封じ込め、今シーズン初勝利、キャリア8勝目、アイオワでの自身の2勝目、シヴォレーの今季初勝利のチェッカード・フラッグを受けた。今日は快晴下ながら気温は29度までしか上がらず、路面も最高が47℃と、アイオワとしては低温コンディションでの戦いとなっていた。

3、4位にはパワーとマクロクリンが入りシヴォレーが1~4位独占

 ニューガーデンの後ろには、彼のチームメイトふたり、ウィル・パワーとスコット・マクロクリン(いずれもチーム・ペンスキー/シヴォレー)が続いた。パワーは予選7位から表彰台に登り、マクロクリンは最後尾グリッド=27番手から4位フィニッシュを果たす猛チャージを見せた。今日のレースで最もハイ・レヴェルにマシンを仕上げていたのが彼らだったのは間違いない。
 それに対してマクラーレン勢は、シーゲルはトップ10を走り続けていながら終盤にクラッシュ。クリスチャン・ルンドガールドはペースが上がらず、1周遅れの21位。オーワードは孤軍奮闘している。
 シヴォレーは今シーズン11戦目にして、ようやく初勝利。今までの鬱憤を晴らすかのように1−2−3−4フィニッシュを記録した。

 ニューガーデンは負けた悔しさを隠し切れず、レース後にメディアに塩対応をしていたが、記者会見でパワーの隣りに座ると、チームの苦しい時期に3位フィニッシュを果たして喜ぶパワーの謙虚なコメントを聞き、穏やかな態度を見て、自らの行動を反省していた。ずっと腕組みをして苛立った表情を見せ続けていたニューガーデンだったが、次第に表情を和らげて行った。

喜ぶオーワード「リスクを冒してオーヴァー・カットにトライした 

 勝負どころで見事な仕事をやってのけ、勝利を手に入れたオーワードは、充実感と達成感に満たされていた。「チーム全体がハードワークを続けて来て、ついに勝利を挙げることとなった。チーム・シェヴィーのシーズン初勝利を挙げられたことも嬉しい。ニューガーデンはオーヴァル経験が非常に豊富なドライヴァーなので、自分の方は少し限界を超え、リスクを冒す決意を固め、あのオーヴァー・カットにトライした。そして、それが勝利に繋がった」と笑顔で語り、ゴールを前に繰り返されたリスタートでトップを守ったことについては、「ペンスキー勢は少し高ラインを走っていたので、それに対応したラインを走った」と話し、「勝って迎える明日がとても楽しみだ」と締め括った。

パロウ、5位フィニッシュ!

 ホンダ勢トップはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)による5位。大量ポイント・リードを持つ彼としては、4位スタートからひとつ順位を落としたとはいえ、トップ5でのゴールは満足の行くものだろう。最後のリスタートでクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)をパスしてのトップ5入りでもあった。  

レース2はホンダ勢の巻き返しに期待

 明日、今日より明確に好い走りを見せるチームは現れるだろうか。パワーは今日のレースを「1本半のラインしかなかったが、1本ではなかった」と語っていたが、そのコンディション下では、オーヴァーテイクをできるマシンと、できないマシンの差が歴然とあった。明日のレースは温度の高い日中に行われるため、2レース目なので、今日よりも走行レーンは広がる可能性もあるが、温度が高いためにレーンが狭まってしまうことも考えられる。今日得られたデータからマシン・セッティングを検討し直し、戦闘力を上げるチームが現れ、今日以上のバトルが満載となるレースになることに期待したい。特に、予選同様に苦戦したホンダ勢に注目したい。トップ10でフィニッシュしたのはパロウと、マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)=9位、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=10位の3人だけだった。予選3位だったフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)はトラフィック内でのハンドリングが悪く、17位でのゴールとなっていた。コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)は最初のスタートでスピンをしたが、最後尾から13位にまで順位を上げてゴールしていた。今日悔しい思いをしたコナー・デイリー(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)=2位スタートで7位フィニッシュらの走りも楽しみだ。
以上

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