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Photo:Penske Entertainment |
天候:快晴
気温:27〜28℃
レース1から一転、オーヴァーテイクが増え、エキサイティングな展開に
ダブルヘダーは2レース目がつまらないものになる時が少なくない。どのチームもレース1でのデータを使ってマシンを改善できるため、チーム間の差が縮まり、オーヴァーテイクが難しくなるのだ。しかし、今年のアイオワでは、レース2がレース1よりもエキサイティングになっていた。レース1ではチーム・ペンスキーの3台など、明らかな優位にあったマシンのみがガンガンとオーヴァーテイクを重ねて行っていたが、レース2では、コーナー部のグリップが2レーン以上の広さで高まっていた上、より多くのコンテンダーたちがセッティングを改善し、オーヴァーテイク可能なマシンを手に入れていたため、トップ・グループでも順位を入れ替えながらのスリリングなバトルが繰り広げられていた。レース1はコース上でのパスが260回で、そのうちの179回がポジション・チェンジに繋がるものだったが、今日のレース2ではコース上でのパスがレース1より120回以上も多い382回で、そのうちの229回がポジションを変えるものだった=レース1より50回も多かった。発生したオーヴァーテイクの数が多いほどレースは良いものだった、とも言えないのだがが……。
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コース上で28台をパスしたパロウ「カーズのヒーローになったような気分」
コース上で28台をパスしてウィナーとなったアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は、「とても楽しかった。(28回は)自分史上最多のオーヴァーテイク数だと思う。凄い数のマシンをパスして、ライトニング・マックイーンか何かになった気分だった」と笑顔を見せた。
ポールポジションからスタートした彼は、悠々とトップを走り続けたが、2回目のフル・コース・コーション明けのリスタートでジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)にパスされて2番手へ後退。レース終盤にはデイヴィッド・マルーカス(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)にもパスを許すシーンがあった。
しかし、シヴォレー勢より1スティントを長くできるアドヴァンテイジがレース2では有効で、パロウはトップに返り咲き、最後にはチームメイトのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)と優勝を争い、ショート・オーヴァル初勝利へと逃げ切った。
「人によって苦しい場所は違っていた。それを見るのは楽しかった。しかし、自分が好きなラインを同じように走るドライヴァーの後ろに付くと、抜くまでに4、5周、あるいは10周を要することになっていた。それでも今日のレースは楽しかった」とパロウは話した。
「昨日何が起きたかを研究し、評価を下しきょう勝つためのアイディアを見つけた」
彼は昨日のレースで何を学び、何を変更したのか?
「フロント・ウィングを変えて、フロントのスプリングも変えた。スプリングはリヤも変えた。かなり多くの変更を施したよ。車高も変えたし、細かくは言えないけどね。それに、僕らは作戦も変えた。昨日のレース1でとても多くのことを学んだから。昨日何が起きたか、それを研究し、評価を下した。その結果、今日のレースで勝つためのアイディアを見つけた。自分たちとって、どうすればベターなのか、良いマシンになるかを考えた。エンジニアのジュリアン(・ロバートソン)のおかげだ。僕は彼にフィードバックをして、彼がマシンの変更点を決めてくれる。彼が多くの変更を決断してくれたんだ。”そんなに変更をしても大丈夫なの?”と僕は彼に尋ねたぐらいだった。彼は太鼓判を押し、実際にマシンはとても良くなっていた」。
オーヴァーテイクが少ないレースx2となるのでは? と心配されていたアイオワでのダブルヘダーだったが、レース1で走行ラインが1.5本分ほどになり(ウィル・パワー談)、レース2では2台が何ラップもサイド・バイ・サイドのまま走り続けられるほどラインは広がっていた。
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ニューガーデン、ピット・タイミングで2度のアンラッキー
シヴォレーとホンダの燃費性能の差が明暗をわける展開に
その上で、今日のパロウは二度も大きな幸運に恵まれた。それらは同時に、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)にとっては信じられないほどの不運x2だった。レース1での最強ドライヴァー&マシンは最後尾スタートから4位フィニッシュしたスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)だったかもしれないが、レース2最強は、チーム・ペンスキーのカー・ナンバー2だった。ところが、彼がピット・ストップに向かった後にフル・コース・コーションが出されるケースが2回あり、1回目での彼はトップから11番手まで順位を下げ、2回目もトップから10番手までの後退を余儀なくされた。シヴォレー・エンジンは高回転域でのパワーでホンダに対して優位にあり、それがオーヴァルでの速さに繋がっているようなのだが、燃費性能ではホンダに対して明らかな不利にあり、ニューガーデンだけでなく、デイヴィッド・マルーカス(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)も今日のレースでは初勝利のチャンスを失うこととなっていた。レース1では燃費がそこまで重要ななファクターとはなっておらず、シヴォレーがパワフルぶりをアピールしての1-2-3-4フィニッシュを飾ったが、レース2ではホンダ勢が燃費性能の良さを武器としての1-2-3フィニッシュを実現。これでホンダは12戦11勝。パロウは12戦7勝。
シヴォレー軍団複数チームのパフォーマンス向上に注目
アイオワでのシヴォレー勢はアロウ・マクラーレンが奮闘して今季初勝利を挙げ、チーム・ペンスキーは結果こそ残せなかったが、そのスピードを見せつけていた。その上、AJ・フォイト・エンタープライゼス、エド・カーペンター・レーシングとフンコス・ホリンジャー・レーシングの3チームもオーヴァルではコンテンダーとなれることを証明していた。それに対してホンダ勢は、チップ・ガナッシ・レーシングの1チームだけに頼る苦しい状況だった。レース2では彼らと技術提携するメイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアンが奮闘して3位フィニッシュを達成していたが、彼らは優勝を争うレヴェルになかなか達して来ず、アンドレッティ・グローバルはおおいなる苦戦を強いられていた。彼らはストリート&ロードコースでは速いが、オーヴァルで脆い。勝利数ではホンダがシヴォレーを大きく上回ってはいるが、シヴォレー軍団の複数のチームが実力を高めて来ているのは確かだ。
以上
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