2014年5月22日木曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント30 第98回インディー500 5月19日 プラクティス8:[ 今日は後半全く走れなかったのですが、どこがダメなのか原因がわかったところなので、金曜にはもっともっと良くはなると思います。カーブ・デイはトラブル・フリーで走り込みたいですね」

決勝グリッドが隣になるピッパ・マンと取材を受ける琢磨 Photo:INDYCAR (Jim Haines) クリックして拡大
5月19日プラクティス9
29位 :40秒3890    222.833mph(=約358.538km/h) 46周走行


「どこがダメなのかということがわかりました。これはすごく良いこと」
Jack Amano(以下――):今日は46周でした。もっと走る予定だったのでは?

佐藤琢磨:最終的にはホンダのリクエストがあって、ホンダ・ユーザー全員がストップだったんですが、その原因は現在調査中で、まだ完全に判明はしていません。でも、カーブ・デイまでには解決してくれることと思います。それで今日は後半に走行がまったくできませんでした。

――1回ガレージに戻って、もう1回走ろうと用意をしていたら……ということですね?
佐藤琢磨:はい。午後3時ぐらいだったと思います。あの後、ホンダ勢は誰も走ってなかったでしょ?

――走行ストップを告げられる前までのプラクティスでは、こなしていたプログラム、マシンのフィーリングなどはいかがだったのでしょう?
佐藤琢磨:まってくダメでした。もうヘロヘロでした。でも、ダメなことがわかったのは非常に良かったんです。先週は雨が多かったので、クルマのセットアップが大きく進んでいたわけじゃなく、とりあえずできる範囲の中でのベストパッケージにすることができていました。それで予選のセットアップも進めて、予選を戦いました。で、その予選で全然スピードが伸びなかった。いったいどういうことなのか……というのを色々考えて、今日は先週ホントはやりかったけれど、やることのできなかったセットアップをトライしたんです。僕らに可能性の残されているメカニカルグリップ向上を目指したものです。それが全然ダメでした。しかし、ダメはダメなりにデータとしてそれはシッカリ残っていて、どうしてどこがダメなのかっていうのがわかったので、これはすごく良いこと。だけど、その後に、じゃダメっていうのがわかったので、1回木曜日の状態に戻して、ベースラインをやって、そこから今日最初にやったのと真逆のことをやって行こうとしたんだけど、それができずに終ってしまったんです。エンジン補機類のイシューがあったので……。

「カーブ・デイはフルに走ります。ひたすら3スティント!」

――残念なトラブルでしたね。今日はやるべきプログラムが多かったと思いますが?

佐藤琢磨:今日はニュータイヤを一度も入れることができなかったぐらいです。ヘンなところでタイヤ・リッチになっちゃって、僕らのガレージは今タイヤだらけです。今日はレースシミュレーションとか、フル・スティントとか、トラフィックの中でのクルマの確認とかがまったくできなかったです。

――思わぬところに落とし穴があったという感じですね。

佐藤琢磨:そうですね。そういう意味では不運が重なっちゃいました。ホンダ・ユーザーは条件がみんな一緒だとはいえ、今日みんなは最初からトラフィックでガンガン走って、最後の調整、確認ていう感じだったんですけど、自分たちはそれには程遠いですね。

――ここからのプラン変更にはそれほどの自由度もありませんが、カーブ・デイはフルに走りますか? エンジン・セーブのためにも走らないとかの指示は出ないんでしょうか?
佐藤琢磨:走りますよ。もう1回も止まらないで、ひたすら3スティント。

――今日は走れなかった分、カーブ・デイで取り戻すという?
佐藤琢磨:そうですね。今日、走りには繋がらなかったけれど、マシンに対する理解度が深まった。去年とは違う方向でやっているんですけどね。そして、なんでマシンが今のような状態になっているのか、それがどうしてなのかが解明できていなかったんだけど、今日やったことですごい理解度が深まったので、それをもってカーブ・デイにレースセットアップを投入して、あとはガンガン燃料積んで、タイヤを投入して走ります。

――他のホンダ勢も同じ用にカーブ・デイにはたくさん走るということでしょうか?
佐藤琢磨:それは間違いないですね。それでなくてもカーブ・デイに余裕持ってる人っていないので。最後の調整を完全なレース・パッケージで走りますから、結構みんな走ると思いますよ。

「現時点の仕上がりは、自分たちが考えていた50パーセント」
――カーブ・デイを前にした自分たちの仕上がり度合いは、今年の思惑の何パーセントぐらいでしょうか?

佐藤琢磨:50パーセントじゃない?

――今日、このようにドタバタしてしまうと不安度が上昇すると察しますが、5回目の挑戦だから、それなりに落ち着いているというところでしょうか?

佐藤琢磨:いや、これまでで一番不安な状態でカーブ・デイを迎える状況だと思います。

――1年目よりも、ですか?
佐藤琢磨:走れなくなってから後、みんなの走行を上から見ていたんですけど、自分たちが戦おうとしているチームが、もう何だかずーっと前に行っちゃっている。僕自身は “500” で自分が何をすべきかっていうのはわかってます。そういう意味では慌ててないけど、逆にこの時間が短いものしか残されていない中で、これだけ情報しかなくて、ここまでしかでき上がっていないとなると、金曜日にホントにすべてがうまく行って、キッチリと合わせ込みができない限り、厳しいレースになるでしょうね。 2012年みたいに、みんなが初めてのクルマ、そのクルマでの初めてのオーバル・レースって状況では、どうなるかわからないってことが多かった。フィーリングだけを頼りにマシンを作ってってましたから、出場者の中で結構なバラツキがあった。それが今、シボレー勢はシボレー勢、ホンダ勢はホンダ勢でみんなデータ分析屋も含めて色んな研究をしているワケですよ。もうコンペティションとしては非常に煮詰まって来ている。マシンの力の99.8パーセントとか、99.9パーセントを使い切っているところにみんながいるので、誰も頭が抜き出ることがない。誰も単独で逃げるレースなんてこできない状態です。それで、今の状況で見えている先頭がレースを引っ張るであろう速度に対して、僕らは1.5mphぐらい遅い。彼らについて行くことができるけど、今日の最後の方で走っていたエド・カーペンターとか、219mphとか220mphで単独でピュンピュン走ってたけど、あんなに僕らは出ないですから。それこそ予選用のウィングの角度にしないと。しかも、彼らはそのマシンで前を行くライバルのすぐ後ろにピッタリつけて走って行けていた。1台分ぐらいまで近づいた状態のままコーナーに入って行っている。僕らと全然違う領域にいますね。自分たちの今日は、近づけても2台分ぐらいだったから。それ以上行くとフラフラになっちゃってた。まぁ、それは原因がわかったところなので、金曜にはもっともっと良くはなるでしょうけど……。金曜はトラブル・フリーで走り込みたいですね。
「今日、行くべき方向は決まりました」
――今日みつけたセットアップの悪い点が、一条の光明ってところですね。
佐藤琢磨:はい。すごく大事になる。非常に大事。「いいもの見つけた!」っていうんじゃないんだけど、消去法でココはダメ、あそこはダメってやって行って、アレで行くしかないっていうことで、行くべき方向性が決まった。それは良かったと思う。

――ライバル勢との差が一挙に縮まり、仕上がりレベルで並んで行ける感触を掴んでいるんですね?

佐藤琢磨:それを実際に走って確認できてないだけって感じです。多分、勝負ができるところまで金曜日には行けると思います。コレばっかりは走ってみないとわから
ないけどね。

以上

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