2014年5月19日月曜日

2014 INDYCARレポート 第98回インディー500 5月18日 予選2日目 グループ1:モントーヤ、231mphでこのセッショントップ、予選10番手を確定!2番手はディクソン、3番手はブッシュ!

231mphに乗せ、モントーヤが予選10位を確保 Photo:INDYCAR (Forrest Mellott) クリックして拡大
5月18日 予選10-33位 
天候:快晴
気温:15〜17℃

予選2日目はアタックできるのは1回のみ
 午前11時過ぎ、第98回インディー500のスターティング・グリッド、10番から33番を決める予選が始まった。昨日の予選で記録したスピードの遅い順に、1台ずつが4周連続のアタックを行なうのが今年からの新・予選ルールだ。
 予選1日目だった昨日はアタックは何回でもし放題だったが、予選2日目の今日は対照的にアタックできるのは誰もがたったの1回だけ。2日の間に明確な違いをつけてメリハリを……との思惑なのだろうが、せめて2回はアタックを行えるルールにしないと、あまりに素っ気ないと感じる予選となっていた。予選2日目のメインディッシュは、午後2時からのトップ9によるポール・ポジション争いだから、ということもあるのだろうが。

スピード不足に苦しむジャック・ビルヌーヴ

 最初にコース・インしたのは、1996年インディー500ウィナーのバディ・ラジア(ラジア・パートナーズ・レーシング)だった。朝から青空が広がったインディアナポリス、予選開始時の気温は摂氏15度となっていた。準備不足で予選2日前の木曜に走行を開始したラジアは、予選が2日目になってもスピードが上がって来ていなかった。彼のアタックは227.9290mph平均にしかならず、最後尾グリッドはほぼ決定的となった。

 1995年のインディー500ウィナー、そして1997年のF1ワールド・チャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は、プラクティスから競争力のあるレベルまでスピードが出せていない。予選2日目のアタックでも彼の4ラップは228.949mph平均と、ファンの期待に添うことのできない低さだった。

 昨年度インディー500ウィナーのトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は、昨日までの苦戦から少し脱していた。アタック前半の2周が230mph台に乗り、平均229.922mphで、その時点でのトップだったセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)を抜いてトップ(暫定10番グリッド)に躍り出た。


佐藤琢磨、平均時速229.201mphをマーク

 正午を前に気温は16℃に上がり、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)のアタック順が訪れた午後12時9分、さらに上がって17℃となっていた。
 インディー500用スペシャル・カラーリングのヘルメットを被った琢磨は、慎重にウォーム・アップ・ラップ(=225.907mph)をこなしてアタックに入った。
 ラップ1:229.150mph
 ラップ2:229.331mph
 ラップ3:229.369mph
 ラップ4:228.955mph
 目指していた230mph台での連続周回は実現できなかった。3ラップ目までは1ラップ毎にスピード・アップを実現するアタックとなっていたが、4ラップ目が228mph台へとダウン。平均時速は229.201mphとなり、アタックを終えていた16人の中での7番手(=暫定グリッドは6列目イン側)となった。

モントーヤ、4ラップ平均で231km/h台達成!

 朝のプラクティスで今年最速となる232.917mphを出していたロシア人ルーキーのミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)には注目が集まった。彼はそれに応え、230.049mph平均の4ラップを達成。カナーンを抜いて今日のトップに躍り出た。
 しかし、アレシンは次のアタッカーにすぐさま10番グリッドを奪われた。2008年インディー500ウィナーのスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がアタッック1ラップ目に231mphをマーク。231.025mph、230.906mph、230.876mph、230.904mph、4ラップ平均230・928mphという素晴らしい走りで今日のトップに立った。
 
 予選も終盤に入り、スピードがグンと上がって来た印象だった。ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)は230.256mphでディクソンに次ぐ2番手となり、2000年インディー500ウィナーのファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は、1ラップ目に231.540mphをマークし、2ラップ目も231.040mph。4ラップ平均がついに今年初めて、そして2003年以来初めて231mph台に載った=231.007mph。
 
 イギリス人ルーキーのジャック・ホウクスワース(BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)は、ロードコースと同様に素晴らしいパフォーマンスを初インディーでも見せている。彼は4ラップ平均230.506mphをマークし、4列目アウト側グリッドを暫定的にだが獲得したのだ。これはモントーヤとディクソンというビッグ・チームで走る元ウィナーの後ろで、ウィルソンやブルデイ、カナーンといったヴェテランたちを上回るパフォーマンスだ。

ラスト2番手でスタートしたハンター-レイ、平均230mphに届かず
 逆に、このグループの最後から2番目にアタックしたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、意外なほどに不発だった。1ラップも230mph台を出せず、平均は229.719mph。この時点での18番手=アタックしたメンバーの中での9番手にしかなれなかった。
 そして、最後のアタッカーはストックカー・タイトルを獲得したこともある現役ストックカー・ドライバヴァーのカート・ブッシュ(アンドレッティ・オートスポート)。ハンター-レイを越えるパフォーマンスで230mph台後半のラップを連発、今日の3番手につけた。
 この結果、グリッド4列目にはペンスキーのモントーヤ、ガナッシのディクソン、アンドレッティのブッシュが並ぶこととなった。
 琢磨の順位は最終的に23位となり、8列目中央から彼は5回目のインディー500のスタートを切ることと決まった。
 5列目は、イン側がホウクスワース、真ん中がウィルソン、外側がアレシン。
 6列目はインがカナーン、中央がブルデイ、アウトがオリオール・セルヴィア(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。
 7列目はイン側からハンター-レイ、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、カルロス・ウエルタス(デイル・コイン・レーシング。
 8列目がピッパ・マン(デイル・コイン・レーシング)、琢磨、アレックス・タグリアーニ(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)。
 9列目はタウンゼント・ベル(KVレーシング・テクノロジー)、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)、ヴィルヌーヴ。
 10列目はジェイムズ・デイヴィソン(KVレーシング・テクノロジー)、マーティン・プラウマン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、ライアン・ブリスコー(NTTデータ・チップ・ガナッシ・レーシング)。
 そしてラスト・ロウ、11列目はルーキーで出場者中最年少、19歳のセイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド-キングダム・レーシング)、セバスチャン・サーヴェドラ(KV/AFSレーシング)、ラジアという顔触れと決まった。

以上

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