2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント29 第98回インディー500 5月18日予選終了：今朝はトウに入って230mph台だったから、単独だとそれは絶対に出ないってことになってました

Photo:INDYCAR (Walter Kurn)

5月18日　予選10位－33位
14位（トータル23位）    2分37秒0671    平均速度229.201mph（＝約368.784km/h）
Jack Amano（以下――）：朝のプラクティスが気温の低い中であり、予選も大きく気温が上がらないコンディションで行なわれました。朝はどんなことをやっていた
のでしょうか？
佐藤琢磨：昨日の予選、僕らは2回目のアテンプトができなかったんですが、1回目のアタックを終えた後にセッティングを結構変更していました。なので、その確認から今朝のプラクティスは始めました。もちろん、コンディションとしてはすごく気温が低くて路面も冷たかったので、直接比較はできないんですけど、どうなるのかなっていうのはだいたいセオリー上では見えていたところだから、実際の走行で確認する作業をしていました。そこから、今日の予選に向けてクルマを更に速くするっていうコトをトライしていました。
――風もほぼないコンディションでした。

佐藤琢磨：そうでした。ホントにベスト・コンディションでしたよね。

――そこで230.8mphが出たワケですが、多くの台数が走ってもいるし、トウの影響がどうしても出てしまうし……という状況でした。
佐藤琢磨：はい。だから自分たちとしては、なるべく前との間隔を空けるようにしてました。それでアタックを始めると、誰かが前に入ってしまうっていうティピカル（典型的な）な状況でした。それで、230mphが出ちゃうんですよ。トウを受けての走りはやりたくないのに。そうした中で自分の受けた感触だと229mphに届くか届かないか……そこらへんかなぁ、と。ちょっと嫌な感じがしてたんですよね。と言うのは、もうちょっと伸びてくれないと予選をコンペティティブに戦えないんじゃないかって思って。予選10位は少々楽観し過ぎかもしれないけど、4列目を目指した予選を戦って、最終的に4列目か5列目に行くとしたら、予選では229mph台の真ん中にはいないと勝負にならないって考えていました。それが朝に出なかったですよね。ただ、朝は空気が重たいので、エンジンのパワーは寒い中で出ていたとしても、周りも決して230mphをポンポン出してはいなかった。エリオ・カストロネヴェスとかは230.8mphとか一人で出してたけど、他のペンスキー勢、あるいはアンドレッティ勢でも229mph台とかだったから、まぁコンディション次第ではそんなに悪くないのかなって思ってましたね。もうひと超え欲しかったですけどね。あとは、すごい大きな問題が発生しちゃって、プラクティスは途中で止めました。水漏れがあったので。

――水漏れ以前、今日のマシンには何かが欠けているっていう感じがあったんですか？
佐藤琢磨：欠けてましたね。例えば、クルマをフリーに加速させるために、リヤのトウを色々いじって、スピードを上げるために旋回させ易くしていたんですけど、それにやり過ぎ感があって、危ないって印象でした。それは戻さなきゃってコトになりました。だから、ちょっと行き過ぎたのをふたつやってて、それを戻して予選に行くって感じになっていたんです。でも、そうすると今度は、行き過ぎちゃってそのスピードだから、戻るとスピードが伸びなくなっちゃう。だからアタマ打ち感があったんですけど、あとはコンディションに賭けるしかなかったかな。

――昨日の時点では、230mph台が狙えそうな感触があったのに、今日はそれが無くなっちゃっていたんですか？
佐藤琢磨：今日は昨日より気温が高くなっていた。昨日の予選の終わりぐらいだと、今日とほぼ同じぐらいの気温になってたかもしれないけど……。昨日の230mphは希望的観測もあったんですよ。みんなが連発してたので、コンディションが良くて自分も出るかなって考えたんです。クルマ的には僕らは228mphでしたからね。228.7ぐらいでしょ？　だから229はあっても、230は大変なことだったんです。

――クルマは昨日とほぼ同じ？
佐藤琢磨：このクルマはちょっと変えると大きな差が出るから、そのちょっとのところで僕らはスピードが230mphまで上がればいいなって考えでした。でも、今朝はトウに入って230mph台だったから、単独だとそれは絶対に出ないってことになってました。そこが自分にとっては、今朝ちょっとショックでしたね。

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