2022年6月12日日曜日

2022 INDYCARレポート R8 ソンシオ・グランプリ・アット・ロード・アメリカ Day2 プラクティス2::ロード・アメリカのプラクティス2=パト・オーワードが最速

オーワードがプラクティス2でトップタイム Photo:Penske Entertainment (Travis Hincle)クリックして拡大

低い気温の中、2日目午前のセッションがスタート

 予選を午後に控えてのプラクティス2は曇り空の下、気温が19〜20℃と低いコンディション下で行われた。路面温度も22℃までしか上がらなかった。今日は降雨確率もやや高めの天気のため、午後12時45分開始の予選時にもさほど気温、路面温度ともに上がらない可能性もある。

 45分間のセッションは赤旗中断こそなかったが、コース・オフしてエンジン・ストールしたマシンによるローカル・イエローが何度か出されていた。

オーワード、セッション終盤にパワーを逆転

 セッション終盤に最速ラップとなる1分45秒2681を出してトップに立ったのは、今年のバーバー・モータースポーツ・パーク=シーズン最初の常設ロードコースでのレースで優勝しているパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)だった。ピットから出て計測3周目にベストは記録されていた。
 先週のデトロイトで勝ったばかりで、2016年のロード・アメリカ・ウィナーでもあるウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は1分45分3849のベストでトップの座にいたが、オーワードによって2番手に下げられた。

トップ11を新4強チームが分けあう

 3番手は去年のロード・アメリカ・ウィナー、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。タイムは
45秒4062。パロウも自己ベスト記録はピットから出て3周目だった。

 4番手は昨日のプラクティス1で最速だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。クラッチ・トラブルなどがあってセッション開始から20分間走れなかったロッシだったが、路面ができ上がってきた頃からの10周でトップ4につけるベスト=1分45秒5576を記録した。

 5番手はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=1分45秒5744。
 6番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)=1分45秒7664。
 7番手はマーカス・エリクソンジ(チップ・ガナッシ・レーシング)=1分45秒8079。
 8番手はロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)=1分46秒0022。
 9番手はスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)=1分46秒0373。
 10番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=1分45秒5744。
 11番手はフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)=1分46秒0617。
 トップ11をアロウ・マクラーレンSP、チーム・ペンスキー、チップ・ガナッシ・レーシング、アンドレッティ・オートスポートの4チームが分けあった。一昨年から力を伸ばしているマクラーレンが加わり、インディーカー・シリーズは四強が多くのレースでしのぎを削る戦いを繰り広げるようになっている。

ルーキー最上位はルンドガールド
琢磨のチームメイト、マル―カスも好調をキープ

不調なRLLの中でルーキーのルンドガールドが奮闘中 Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

 12番手はクリスチャン・ルンドガールド(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。彼の1分46秒1046がこのセッションでのルーキーによる最速ラップとなった。

 13、14番手にアンドレッティ・オートスポートとエンジニアリング提携しているメイヤー・シャンク・レーシングの二人、エリオ・カストロネヴェスとシモン・パジェノーがつけ、15番手がインディアナポリス500、デトロイトと2戦連続でルーキー最上位フィニッシュを記録してきているデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)。16番手もルーキーのカルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)だった。


22番手ながら「マシンは徐々によくなっている」と語る琢磨
「予選に向けてどんなセッティング変更をするかですね」


 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は22番手。これは自己ベスト・ラップとなるはずだった周回にイエロー・フラッグが出されていたことも影響してのことだった。

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 「マシンは昨日より良くなっています。ベストのラップを走り切れていたらトップ10に入れていたぐらいのタイムを出せてました。まだまだトップ・グループは遠いけれど、徐々に良くなっています。これから予選に向けてどんなセッティング変更をするか。レッド・タイヤでベストのパフォーマンスを引き出せるようにするために、どんなコンディションになるかを読んで、セッティングの着地点をどこにするか……が難しいですね」と琢磨は話していた。

今回からのプラクティス新レギュレーションのため
このセッションは全員がブラックタイヤで走行
ますます高まるイニシャルセッティングの重要性

 今週末はインディーカーは実験的スケジュールを採用。レッド・タイヤを使えるのが走行初日のプラクティス1とされた。予選により近い路面コンディションのはずの土曜日のプラクティス2では出場全員がブラック・タイヤでの走行を繰り返していた。レッドは予選用の2セットしかもう残されていないからだ。
 インディーカーはエントラントに”予測ゲーム”を強要してばかりいる。予選もレースも気象や路面のコンディションがどうなるかを正しく予測し、それらに最も合うセッティングを考え出したドライヴァー&チームが優位を手にする。これらの予測は他のレース・シリーズでも当然必要だが、インディーカーの場合は”未知のエリア”が大きいまま戦うことをドライヴァーたちに強い過ぎでいるように見える。テストはオフ・シーズンもシーズン開始後も最小限しか許されず、各イヴェントでの走行セッションは少なく、それぞれの走行時間も短い。週末に使うことが許されるタイヤのセット数も少ない。参戦経費の高騰抑制……といえば聞こえはいいが、アメリカ最高峰チャンピオンシップとしては節約のし過ぎだと思う。完成度の低いセッティングのマシンで速いのは誰か? を競わせるというコンセプトに陥ってしまっている。トップ・ドライヴァーたちが、彼らではければ操れないハイ・パワー・マシンを高いレヴェルに仕上げ、それらを使って全力で競い合うようにした方が我々はクォリティの高い、エキサイティングなバトルを見ることができると思う。
以上

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