2022年6月11日土曜日

2022 INDYCARレポート R8 ソンシオ・グランプリ・アット・ロード・アメリカ Day1 プラクティス1:アレクサンダー・ロッシがロード・アメリカのプラクティス1で最速

  

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)

移籍確定後、好調を維持するロッシ


 デトロイトとロード・アメリカは連戦。バンピーで高速のテンポラリー・コースからアップ&ダウンが激しく、4.014マイルとアメリカでは例外的に長いロードコースへ。舞台はガラッと変わったが、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が好調を保っている。デトロイトで激しい追い上げを見せてファンを沸かせたドライヴァーが、エルクハート・レイクのプラクティス1で1分45秒6027のトップ・タイムを記録してみせたのだ。2番手だった彼のチームメイトのコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)に0.1334秒の差をつけてのトップだった。ロッシに何かが起こっているのか?
アンドレッティ最速ドライヴァーの座に復帰することとなるんだろうか?
 来年からはアロウ・マクラーレンSPに移籍することを発表してから速くなっているが、そこに何か原因があるのだろうか。



  「上々のセッションにできた。プラクティス1でレッド・タイヤを試すのは少々違和感があったけれど」とロッシは初日を振り返った。「マシンは走り出しから速かった。それはとても大きな意味を持つ。あとは、レッドを今日使うことの影響が、明日の予選にどのように出るか。大変興味深いところだ」とロッシは語った。

今大会からプラクティスセッションが延長に

 今日のプラクティスは45分間ではなく、75分間とされた。これはテスト・ケースだ。ドライヴァー及びチームからのリクエストを受け、タイヤ・セット数を増やすことなく走行時間を30分増やすのだ。その上で、プラクティスでのレッド・タイヤの使用をプラクティス1で許すこととし、その1セットはプラクティス1終了後にファイアストンに返さないとならないルールも同時に試されている。ブラックとレッドの両方を75分間でテストしないとならないルールとすれば、プラクティス開始からしばらくは路面ができていないから誰も走らない……という事態が幾らかは緩和できるかもしれない……という期待も込められてのことだ。
 セッションを長くするのは改良と評価できる。金曜にインディーカーの走行は1回しかなく、それが45分という短さで、半分ぐらいはルーキー以外が走らない……というのはファンにとっても嬉しくない状況だった。しかし、レッドをプラクティス1で使わせ新ルールに大きなメリットは見当たらない。プラクティス2で使うルールのままだった方が良かったとすら思う。マシンの仕上がりが不十分で、路面もまだ全然でき上がっていない状況でのレッドのトライとなってしまうからだ。もちろん、テスト・ケースなので次戦以降でさらに変更が加えられる可能性はあるのだが……。


AA勢1-2と好調! しかしグロジャンはスロースタート

 75分間に出された赤旗は、エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)のコース・オフによる1回のみ。セッション終了まで12分ほどでプラクティス再開となってから全車がレッド・タイヤでアタック。ロッシがトップ・タイム、ハータが2番手と走行初日はアンドレッティ勢による1ー2だった。彼らのチームメイト、デヴリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート)は”ルーキー・セット”も使った走り込みを活かして11番手につける大健闘だったが、それとは逆にロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)はロッシと1秒0427差の14番手とロード・アメリカではスタート・ダッシュを果たせなかった。技術提携をしているメイヤー・シャンク・レーシング勢は、シモン・パジェノーが9番手で、レッド・タイヤでのアウト・ラップにスピンしてしまったカストロネヴェスは25番手だった。

エリクソンが3番手につけ、ホンダ勢がトップ3独占
シヴォレー勢トップは4番手のパワー

 3番手はインディー500ウィナーのマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。トップとは0.2023秒差。ロード・アメリカでの最初のプラクティスではホンダ勢が1−2−3だった。
 ガナッシ勢はエリクソンの3番手を筆頭に、アレックス・パロウが5番手、スコット・ディクソンが7番手だった。ジミー・ジョンソンは23番手。

 シヴォレーのトップは4番手だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の1分45秒8592。トップとの差は0.2565秒。彼のチームメイトたちは、スコット・マクロクリンが6番手、ジョセフ・ニューガーデンが8番手だった。

 アロウ・マクラーレンSPも今回はスロー・スタートだ。パト・オーワードが10番手、フェリックス・ローゼンクヴィストが12番手だった。


 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングではルーキーのクリスチャン・ルンドガールドが13番手でトップ。ジャック・ハーヴィーは16番手、グレアム・レイホールは18番手と常設ロードコースでも彼らの苦戦ぶりは変わらない。エド・カーペンター・レーシングも今回は苦戦をしている。コナー・デイリーが17番手で、リナス・ヴィーケイは22番手だった。提携チームで今回シモーナ・デ・シルヴェストロとともに今シーズン初出場を果たすパレッタ・オートスポートは、最下位の27だった。AJ・フォイト・エンタープライゼスもカイル・カークウッドが21番手でチーム内トップと状況はかなり厳しい。

デイル・コインはイニシャルセッティングがマッチせず

 佐藤琢磨を擁するデイル・コイン・レーシングもロード・アメリカでは思いのほか苦戦している。「ロードコース用のファイアストン・タイヤが今年は新しくされていて、去年のセッティングをそのまま使うことはできない。色々トライしていてフィーリングは良いんだけれど、それがラップ・タイムに繋がっていない。グリップ不足。長くされたプラクティス・セッションには賛成。今日はそれをうまく活用し切れていないけれど」と琢磨は話していた。

 明日、土曜日は朝9時45分から45分間のプラクティス2が行われ、3段階の予選は午後12時45分から。さらに、ウォーム・アップ・セッションが夕方4時20分から30分間開催される。

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