2011年9月17日土曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント84 第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル Day3  予選 「予選11位は非常に悔しいです。ファスト6進出を目指していましたが、それを叶えられなかった。ど真ん中のグリッドなので明日は追い上げのレースを行いますが、今日に関しては残念な結果でした」

険しい表情を見せる佐藤琢磨。
Photo:Naoki Shigenobu
第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル
2011 IZOD INDYCAR SERIES Round15 INDY JAPAN THE FINAL

栃木県 ツインリンクもてぎロードコース
コースタイプ:ロードコース
全長:4.801㎞×63周

Day2 9月17日
予選 11位(第2セグメント敗退) 1分38秒9124 トータル9周走行

スコット・ディクソンがポールポジション
予選2位はウィル・パワーで、ダリオ・フランキッティは9位に低迷
佐藤琢磨は11位、武藤英紀は22位


 雲が広がって幾分涼しくなったコンディションで予選は行われた。ポールポジションはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が獲得し、予選2位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のものとなった。その一方でダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)は9位に沈み、ポイント・リーダーの座が危うくなった。
日本勢は佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)が11番手、武藤英紀(AFS/サム・シュミット・モータースポーツ)は22番手だった。佐藤はKVレーシングで唯一、予選の第2ステージに進んだのだが、ファイナルへと駒を進めることは果たせなかった。レッドタイヤのパフォーマンスをフルに引き出すことができなかったのだ。


Jack Amano(以下――):朝のプラクティス2で一気に苦戦モードとなりましたね?

佐藤琢磨:今日は結構厳しいスタートになっていましたね。昨日の状態はそんなに悪くはなかったんですけど、まぁクルマが滑る状態で、対策を施して今日のプラクティス2に臨んだつもりだったんですけど、朝のプラクティスでまさか最下位になるとは思っていなかった。あそこで大きな課題が幾つかできましたね。それでも、予選直前のプラクティス3回目で何とか課題を幾つか克服できました。チームの3台のデータを照らし合わせて、ポジティブなものをピックアップするという、これまで僕らがずっと戦ってきた作業をしました。苦しい展開がずっと続いていましたが、予選前のプラクティスの最後になってニュータイヤでアタックをしてみたら、そこそこ手応えをつかめた。あれは良かったですね。

――昨日と今日、違いは何だったんですか?

佐藤琢磨:セッティングを変えていました。昨日見た方向性に合わせて、3台がそれぞれ役割分担をやったんですけど、僕らが良いと思っていたことがうまく働かなかった。それが残念でしたね。プラクティス2とプラクティス3では、結構順位がガラッと変っていたりしていましたよね。今日は朝一番の空気が重かった。路面温度も低い状態で、そこで動きの良かったクルマが、温度が上がって来たら不具合を出すようになった。逆に僕らのクルマは、午前中には乗りづらかったんだけれども、午後に向けては少しずつ良い状態が戻って来っていう感じでした。

――KVレーシング・テクノロジーととしては、3台を使ってのセットアッププログラムを行ったが、今回は少しずつズレてしまった感じでしたか?

佐藤琢磨:そうですね。3台でプログラムを分けるのはいつものことなんですけど、どちらかというとTK(トニー・カナーン)と僕はいつも同じようなクルマを好んで、EJ・ビソだけちょっと違うところにいたりします。それが今回は、EJのスピードが乗っていたし、僕はもちろんEJの好みのクルマでも乗ることができるので、それは去年もやっていたことなので、そのあたりでお互いに良いところを出し合って予選に挑みました。ただ、いつもと同じですけども、予選で使うソフトコンパウンドのレッドタイヤを事前にトライすることができないので、その辺り、どこに目標において行くのかっていうのは、いつもどおりに難しかったです。

レッドタイヤ装着のマシンに乗り込み、予選に臨む。
Photo:Naoki Shigenobu
――ブラックでは滑って苦労しましたが、予選は初めて使ったレッドはどうでしたか?

佐藤琢磨:午前中はライバル勢について行けない状態でしたが、午後になって路面も大分でき上がって来た。路面温度が低い時にはグリップが高いんですけど、温度が上がって来たらグリップが落ちて、プラクティスの最後の方では路面が良くなってって、自分のクルマがポジティブな感じで動き出しました。それを持って僕らはレッドタイヤを使う予選用のクルマ作りというものをやってみたんですけど、うーん、難しい予選でしたね。第1ステージをクリアするのも本当にギリギリだった。バランスとしては、そんなにプラクティスの時と大きく変らないまま、グリップレベルだけが上がった。もちろん、タイヤが持つグリップが前後で比率が異なるので、クルマは予選トリムといってソフトタイヤに合わせたセットアップを施さないといけないんですけど、それは今まで行って来たのと同じフィルターでやって、ほぼバランスが変らなかったっていう点では自分たちの狙いどおりだったんですけど、純粋なスピードっていう意味で今の僕らはかなり苦労をしていますね。

――予選結果は11位でした。率直な感想は?

佐藤琢磨:悔しいです、非常に。昨日は現実的な目標として、もちろん走るからにはトップを目指すけれども、現実的には予選でファイナルステージに進むっていうのが大きな目標というか、かなり困難だけれども、それを目標に頑張りたいっていうことを言ったんですけど、それを叶えられなかったのは残念だし、11番手というのはど真ん中なので、明日は追い上げのレースを行いますけど、今日に関しては残念な結果でした。

――明日、レッドタイヤのレースでのパフォーマンスはどうなりそうですか? ブラックとの性能差が非常に大きいのですよね?

佐藤琢磨:ブラックはファイアストンが持っている一番硬いコンパウンドなんじゃないですかね? 本当にどうしちゃったんだろうっていうぐらいにグリップしないんですよね。でも、今日、あまり変らないだろうと言われていたモテギの路面が、ラバーが乗って来たことによって結構変って行ったんです。予選直前のプラクティスの最後の方では、ブラックでも1周目から結構タイムは出せてました。そして、その後数周はコンシスタントなラップがあって、その後には大分落ち込んでしまうっていう傾向でした。レッドの方は、グリップも高いですし、かなりコンシスタントでしたね。各ドライバーが1周目、2周目だけじゃなくて、4周目とかにタイムアップをするドライバーも多かったし、自分自身も最後はタイヤの内圧の関係とかで良いところに来なかったんですけど、最初のアタックではかなりコンシスタントなラップを刻めてました。走った感じ、おそらくレッドはレースタイヤとしてのポテンシャルはずっと高いと思います。周回を重ねてフロントがなくなるか、リヤがなくなるかはそれぞれのマシンのバランス次第という感じ。明日の朝、どれぐらいのロングランができるかわからないけれども、そこで見極めをしたいと思います。

――オーバーテイクポイントは?

佐藤琢磨:昨日、今日走った感じだと1~2コーナーは割りと進入で態勢を崩し易いというか、どんなクルマでもニュートラル傾向になるんですね。それで2コーナーでアンダーが出るっていう症状はあんま変ってなくて、その辺り、みんなエイペックスを1コーナーに取ったり、2コーナーに取ったりと結構分かれてたんですけど、そこでうまく先行するクルマに合わせて行くことができれば、3コーナーのブレーキは結構ハードなので、そこでの可能性はあるかもしれないし、同じように、3コーナーから4コーナーへの立ち上がりが非常に滑り易くてなかなか踏んで行けないので、その先の5コーナーでもチャンスはあるかもしれない。あとはまぁ、最も一般的なバックストレートエンドのブレーキング。でも、どうだろう? 走った感じでは、あそこで飛び込んで行くのは結構難しいかもしれない。それから、このコースはブレーキにかなり厳しいので、スティント後半とか、レース終盤にはオーバーテイクのチャンスが増えるかもしれないです。

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