2011年9月16日金曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント82 第15戦インディ ジャパン ザ ファイナル Day1 プラクティス1 「トップ10というのは、そこそこいいかなという感じですね。手放しで喜べるような状況ではないですが、課題もしっかり見えています。明日は、当然予選最上位を狙いたいんですが、現実的な線でまずはプラクティスをシッカリと走って、予選では少なくともファイナルに進むことを目指します」

Photo:Naoki Shigenobu

第15戦 インディ ジャパン ザ ファイナル
2011 IZOD INDYCAR SERIES Round15 INDY JAPAN THE FINAL
栃木県 ツインリンクもてぎロードコース
コースタイプ:ロードコース
全長:4.801㎞×63周
Day1 9月16日
プラクティス1 1分40秒4435 10位 25周走行

初セッションから精力的に走行

 インディーカー・ドライバー、佐藤琢磨にとって2回目となる凱旋レースが始まった。今日はプラクティスが1回。彼が母国でのレースに大きな意気込みを持っていることは、このプラクティスから感じ取ることができた。1時間15分のセッションで25周も走り込んだのだ。最多ラップこそルーキーのアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)の27周に譲ったが、25周はその次に多い数字だった。同じく25周を走ったのは、いつも多く走ることで知られているビットール・メイラ(AJ・フォイト・レーシング)、今回がインディーカー・デビューとなるスポット参戦のジョアオ・パウロ・デ・オリベイラ(コンクェスト・レーシング)のふたりだった。
 琢磨のベストは25周走ったうちの24周目。タイムは1分40秒4435で、トップのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)との間には0.9690秒と大きな差があった。予選のファイナルに進む=3列目より前からスタートすることを目標としている琢磨とすれば、6番手までに食い込むことが必要になる。そこで今日6番手だったアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)との差を見ると、わずかに0.1745秒しかなかった。


Jack Amano(以下――):走行初日はどうでしたか?

佐藤琢磨:オープニングセレモニーが朝の9時からありましたが、本当に多くのファンの人たちが朝の9時から来てくれて、お昼前にまたすごく増えて、サイン会では並んでくれた人たちの半分ぐらいにしかサインできなかったんだけれど、すごく応援をしてもらって、やっぱり日本で走るのはいいなって改めて感じました。

Photo:Naoki Shigenobu
――もてぎのコースはどんな印象ですか?

佐藤琢磨:F1マシンでのデモランで走ったことはありましたが、インディーカーで走ってみると全然景色も違ってました。今日のプラクティスはとてもスムーズなセッションになってました。トラブルもなく、今日は初めてのサーキットに行った時にやるべき幾つかの項目、ライドハイトを合わせる、全体的なバランスを整えるといったことをこなしていました。今日のために用意していたプログラムはスムーズにこなせましたね。今日は初日っていうこともあるのか、持ってきたタイヤと路面のバランスなのか非常に滑り易くて、クルマをコントロールするのにかなり苦労してました。そうした中でギリギリ、トップ10につけました。まずは、そこそこの手応えをつかめた初日だったと思います。

――コースのどこがおもしろく、どこが難しいですか?

佐藤琢磨:もてぎの路面は恐ろしくスムーズですね。今回は軽トラックに乗っての下見が許されていて、エンジニアたちと乗りました。普段は歩いて、見えるバンプとかをチェックするんですけど、もてぎでは見えるバンプっていうのはほぼゼロで、軽トラックで走ってもすごくスムーズで、エンジニアも驚いていた。だから、これまでのアメリカでのコースにおけるセットアップというか、アプローチとは大分違う。車高なんかはものすごく下げられるし、必然的にバネレートも上がって行く。そういう意味で今までとは違う感じですよね。それと、普段走っているアメリカのロードコースよりもグリップ感がない。非常にサラサラしてるというか……。それは、今回ファイアストンが持って来たタイヤのスペックにもよると思うんですけど、少なくともブラックタイヤに関して言えば、非常に硬そうなコンパウンドですね。これだけ気温が高いのでウォームアップさせることにはそれほど苦労はしないし、コースも広く使えるのですが、全体的にグリップ感は乏しいので、クルマを操るのに苦労をしてました。今後、そのあたりをセッティングでどの程度良くできるのか……。路面のコンディションがどれぐらい良くなるのかもわからない状況です。

――楽しいと感じたところは?

佐藤琢磨:やっぱりファンの皆さんの応援ですね。プラクティス走っていても、いろんなコーナーで見えるんですけどね、みんながフラッグを振ってくれたり、裏の方でジャンプをしてくれてたりとか、そういうのを見るのはうれしいですね。本当に良い走りをしたいな、という思いを強くしました。

――今日の10番手というポジションについては、どう捉えてますか?

佐藤琢磨:トップ10というのは、そこそこにいいかな……という感じですね。そんなに手放しで喜べる状況ではないですけども、悪くも無いって感じです。直さなければ行けない課題っていうのはすでに結構明確になっています。まだチームメイト2人のデータは見てなくて、軽く話をした程度だから、彼らの得たフィーリングぐらいしかわかってないんですけどね。それでも、明日に向けて、ジャンプアップをできる要素っていうのは幾つか持っています。その部分を明日はキチッと押さえたいです。もちろん、他のチームも今日は走行初日で色々と探っている状態で、不具合とかもあったところだと思います。その辺り、明日はさらにコンペティティブなセッションになるでしょうね。予選前に2回プラクティスがあるので、そこでキッチリとしたクルマ作りをして予選に臨めるようにしたいですね。今日、初日にシッカリとデータが取れた。それは良いことだったと思います。

――予選での目標は?

佐藤琢磨:レッドタイヤでどれぐらいのパフォーマンスアップするのか。おそらく、タイヤを換えるだけで1秒は速くなると思うんですよ。というのも、ブラック・タイヤが今回はかなりハード傾向だと思えるので。タイヤだけで多分1秒以上速くなるだろうし、明日は路面のコンディションももっと良くなるはずです。そうなった時には、またクルマのフィーリングとかも変わるでしょう。そこも難しいところです。自分としては、当然予選で最上位を狙いたいんですけど、今日の感覚からすると、チーム・ペンスキー勢がかなり速そうなので、まずはプラクティスをシッカリと走って、予選では少なくともファイナルに進むことを目指します。それは現実的な目標だと思います。

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