2013年4月20日土曜日

2013 INDYCAR レポート R3 ロング・ビーチ Day1 プラクティス2:ライアン・ハンター‐レイが最速!2位はコンウェイ

午前午後を通じて安定した速さを見せたハンター‐レイ Photo:INDYCAR(John Cote)

トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチ
ロング・ビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロング・ビーチ

1周1.968マイル(=3.167㎞)×80周 気温:29℃
路面温度:56℃


アクシデント多発で走行時間の半分以上がレッドフラッグに


 今年のロング・ビーチは初日の朝から強い日差しが照りつけ続けている。午後になって気温、路面温度ともに大幅に上昇。そのせいなのか、プラクティス1はかなりクリーンだったが、プラクティス2ではアクシデントが多発した。45分間のセッションのうち、27分半がレッドフラッグ。これでは力を発揮するのも、力を評価するのも難しい。
 アクシデントを起こしたのは、セバスチャン・サーヴェドラ(ドラゴン・レーシング)、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、そしてEJ・ヴィソ(アンドレッティ・オートスポート)だった。不運だったのはシモーナ・デ・シルヴェストロ(KVレーシング・テクノロジー)。彼女はウィルソンがタイヤバリアに突っ込んだ直後に現場に到着し、止まっていた19号車を避け切れず、クラッシュした。
 いちばん多く走れたドライバーでも13周しかできず、多くの周回をこなしたそれらのドライバーたちの中から好タイムを記録する者が出た。トップとなる1分9秒4224は、13ラップを走ったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が出した。ベストラップは早くも1分9秒台の真ん中より下。去年のポールタイム=1分8秒6089は、恐らく破られるだろう。
 2番手は11周したマイク・コンウェイ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の1分9秒4603で、3番手は13周したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の1分9秒5166だった。トップ2のタイム差は0.0379秒で、トップと3番手でも差は0.0942秒しかなかった。

午前と午後で上位陣の顔ぶれはかなり違うものに

 ハンター-レイは、「ロング・ビーチのコースをまた走ることができてうれしい。今日はプラクティス2でレッドフラッグが多く、リズムに乗って走ることがほとんどできなかった。やりたいと思っていたことを全部やるには時間が短くなっていた。明日のプラクティス3でやり残しているプログラムをこなし、予選に臨みたい」と語った。
 コンウェイは、「走りたいだけ走れない状況はキツいが、自分たちはそれなりのラップ数をこなせた。クリアラップは一度もなかったけどね」とコメントした。
 4番手はルーキーのトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。彼はこのセッションで9周しか走らななかった。5番手には13周したエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がきた。これらのチームはタイミング良くコースに入り、タイミング良くアタックを行ったということだ。そして、上位のタイムを出したドライバー&チームは、上位で戦うだけの実力が確かに持っている。しかし、今日のプラクティス2では実力を出し切れていないところも少なくなかったはずだ。アタックのタイミングをレッドフラッグで遮られるケースは考えられる。だから……という意味でもないのかもしれないが、プラクティス1とプラクティス2での上位陣の顔触れはかなり異なっている。両セッションでトップ5入りする高い安定感を見せたのはハンター-レイとコンウェイだけで、両セッションでトップ10入りしたドライバーに枠を広げてもジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)と佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が加わるだけだ。
 プラクティス2ではジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が6番手、アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)も7番手に食い込んできた。そして、ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が8番手だった。2セッションを総合すると、この8番手までがプラクティス2と同じ順位になった。午前中の自己ベストを上回れなかったヒンチクリフが9番手、琢磨が10番手だった。


ホンダエンジン勢のパフォーマンスが向上

 エンジン別で順位を見ると、トップはシボレーだが2番手はホンダ。トップ5はシボレー3台、ホンダ2台で、トップ10だとホンダ6台、シボレー4台だった。エンジンのパフォーマンス差はシボレー優勢だったセント・ピーターズバーグが最も大きく、2戦目でそれが縮まり、今回さらに実力が接近したと見られるのではないか。
 琢磨はプラクティス2でギヤボックスにトラブル発生。6周しか走れず、そのうちの5周目にプラクティス1の自己ベストを上回る1分9秒9197を出した。順位は、プラクティス2が9番手、今日の2セッション総合だと10番手となった。
 「もう少し走りたかったですね。レッド・フラッグが午前中は1回、午後は3回もあった。あと何個かのセッティングをトライしたかったのに、それができていない。プラクティス2ではトラブルが出たので早めにマシンを降りなくてはならなかった。明日やるべきことに集中し、必要なテスト項目をやり遂げ、午後の予選は準備万端で迎えたいですね」と琢磨は話していた。
以上

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