2016年7月12日火曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第11戦 アイオワ・コーン300 Race Day 決勝:「絶対的なスピードっていうのはなかったかもしれないけれど、チームのベスト・リザルトということで、ある意味コンシスタントに走れたと思います」


Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「本心としてはもうちょっと上を狙いたかったですね」

Jack Amano(以下――):今日のレース、バンプへの対処はどうでしたか?

佐藤琢磨:いやぁ、今日も苦しめられましたよ、結果的には。みんな一緒ですけどね。まぁでも、やっぱりバンプがあることによってレーンが限られてきちゃうっていうのが今年はありましたね。それで追い抜きが余計に難しくなってました。でも、どうだろう? チームのベスト・リザルトだっていうことだから、これまでに比べればまだ良い方だったのかな? と思います。もうちょっと上を狙いたかったですね、本心としては。イエローでのピットで僕らは2周目まで待っちゃって順位を落とした。2回続けて同じようなことをやっちゃったんですが、それ以降はかなり堪えた方だと思います。
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)


――レース前半は苦しい戦いでしたね?

佐藤琢磨:タイヤの内圧でしたね。スタートでの内圧を含め、もうちょっと勉強が必要だと思いますね。最後の2スティントでは大分良くなっていたけれど、それまでは随分苦労しました。

――タイヤの内圧っていうのは、本当に難しい要素なんですね?

佐藤琢磨:難しいです。

「課題は全体的なスピードの底上げとトラフィックの処理」

――一時は2ラップ・ダウンでしたが、1周取り戻し、終盤はかなり粘って戦っていましたね?

佐藤琢磨:そうでしたね。それに、最後のイエローが出る前には、リーダーと同じ用にピット・ストップに入るタイミングを遅らせていたので、他のドライバーたちがタイヤで苦しくなって早目に入ってきた分、順位を少し上げることができましたね。今日の自分たちの走りを見ると、絶対的なスピードっていうのはなかったかもしれないけれど、ある意味コンシスタントに走れたと思うんですね。スティントの最後の方は悪くなかったので。だから、そういう意味では、全体的なスピードの底上げと、トラフィックの処理ですね。やっぱりエアロに頼り過ぎちゃっているところがあるから、もうちょっとうまくメカニカル・サイドでクルマを綺麗に曲げてあげないと。やっぱり、トラフィックに入って乱気流が生まれ始めた時のクルマの動きがとにかく弱いですね。

――今回は、日中に大雨があって、気温的には想定より低くなって、でも湿度は上がって……とコンディションが難しくなっていたところもあったんじゃないですか?

佐藤琢磨:ありましたね。スタート直後はオーバーステアが強く出ていました。最初の2、3回目まではフロント・ウィングを落として行きました。あとは風ですね。風が強かったので、その影響もかなりありました。

――ニューガーデンが速過ぎましたが、彼の走りを見て、どうでしたか?

佐藤琢磨:ビタッとマシンが決まっていたみたいだね。あっという間にラップ・ダウンになっちゃった。リスタートすると、もうすぐに後ろに来てて、“もう来たの?”って感じだった。彼が速かったのは、もう圧倒的にターン3~4でした。僕らがみんなスピードを合わせ込まなきゃいけないところを、バーッと入ってって、バンピーなセクションに入ってもスピードを緩めることなくアクセルを踏み続けて、それでもグッとクルマの向きが変わってたから、もうターン4の出口のところで抜けることが決まってた。並んでってターン1側で抜くんじゃなくて、ターン4の出口でもう勝負が終わってるから、こっちとしては何もできなかった。

「苦戦の原因は100%エアロ。フェニックスと一緒です」

――ホンダ勢が今回はかなりの苦戦になっていましたが、原因はエアロ、エンジン、どちらに大きなものがあったんでしょう?

佐藤琢磨:エアロです、100パーセント。フェニックスと一緒ですよ。このコースでのウィング・パッケージはリヤのウィング傾角がレギュレーションで決まっている。それはロードコースに比べてかなり低いものになっています。つまりは超ロー・ダウンフォース仕様なんですよ、ロードコース・パッケージの中での。そうすると、もう空力効率がライバル勢に比べて悪過ぎる。同じダウンフォースを得ようとすると、ものすごくドラッギー。もし同じドラッグにしたら、ウチらはダウンフォースが全然足りない。だから、コーナリングを同じようにするためにウィングを立てなくちゃいけなくて、結果的にこのコースみたくずっとハイ・スピードで回っているところだと、もうドラッグが大き過ぎて時速4マイルも5マイルもトップ・スピードで差がついちゃう。

――3つレベルのあるブースト圧の、中間のものでホンダ・エンジンは厳しい、ということを言う人もいますが?

佐藤琢磨:いやぁ……もしかしたら多少あるかもしれないけど、それは大した差でないと思う。

――今年のオーバルはもう残すところポコノだけになりました。一番低いブースト・レベルで走るコース、そしてエアロ・パッケージもスーパー・スピードウェイ用のものになりますね?

佐藤琢磨:ポコノは良いと思う。毎年僕ら、ポコノは良いですよね? エアロ・パッケージが、あの、ホンダのエアロにダラーラのリヤ・ウィングっていうの、結構良いんですよ。で、テキサスはウチらがあまり良くないっていうのがあるけど、テキサスはもうちょっとダウンフォースをつけて行くタイプのコースなんですよ。それに対して、ポコノとかフォンタナはダウンフォースを落として行くコースで、そこは過去2年間見ても僕らは速いんですよ。ポコノなら過去3年間とも良いですよ、ダラーラのストックのエアロの時から。僕らのチームがまぁソコソコ良いセッティング・ノウハウを持っているということはあると思います。フォンタナがベストだけどね。両方ともスプリング・パッケージをうまく使えてるってことです。ファイブ・スプリングっていって5個使うんですけど、それにウチらは結構いち早くから目をつけてて、2013年から勉強して来てるから、そこが良いのかなぁと思いますね。他のコースではうまく使えないんだけど。例えばここ、アイオワではまったく使えない。

「次戦トロントは今シーズン最後のストリートなので頑張りたいですね」

――次はトロントです。ピットの位置が変わったり……とレイアウトに少しの変更があるようですね?

佐藤琢磨:行き帰りが楽になるのかな? インフィールドに行かなくて済むようになるから(笑)

――パドックもメイン・ストレートの外側のビルの中ということで?

佐藤琢磨:そう。もうブリッジは渡らなくていいんです。だから、もう内側には一生行かない。

――表彰台は内側のままかもしれない。

佐藤琢磨:あ、そうだ。表彰台行こう! 去年は予選でホンダ勢ベストだったし、一昨年も良かった。その前までは良くなかったけど。だから、ちょっと楽しみにしてますね、トロント。久しぶりのストリートだし、ボストンがなくなっちゃったから、今シーズン最後のストリートにもなりますよね。ある意味、トロントはストリートの中でもちょっと特殊なところがあるんですけど、ここ数年の良さを活かして頑張りたいです。

――では、表彰台を目指して。

佐藤琢磨:頑張ります!
以上

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