2016年7月11日月曜日

2016 INDYCAR レポート 第11戦 アイオワ・コーン300 Race Day 決勝:ジョセフ・ニューガーデンが圧勝!

テキサス戦のクラッシュで鎖骨と右腕を骨折し、まだ本調子ではないながら、体力的にハードなアイオワを制したニューガーデン。右手のテーピングが痛々しい Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
ニューガーデン、異次元の走り!

 1ラップ目で勝負はついていた? アウトサイド・フロント・ローからダッシュしたジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)は、ターン4でポール・シッターのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)をパスすると、後続をまったく寄せ付けないスピードでゴールまで突っ走った。
 今日のニューガーデンの速さはアンタッチャブル。15周目にはラップ・ダウンが発生。全員が1回目のピットを終えた時には、もうリード・ラップにはトップ4しか残っていなかった。


オープニング・ラップで首位に立ち、インディーカー新記録となるトータル282周ラップ・リードという圧倒的な走りでのオーバル初優勝だった Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  84周目には3番手を走っていたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)もラップ・ダウンに陥り、2番手のパジェノーも90周の時点で14秒も引き離されていた。
 100周を越えたところでライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が白煙を上げてスロー・ダウン。イエロー・フラッグが出された。このフル・コース・コーションがなかったら、パジェノーでさえ、リード・ラップに残り続けるのは難しかっただろう。


「テレビゲームをやっているような感じさえあった」とニューガーデン
 

 ニューガーデンのスピードは最後まで衰えず、彼自身だけでなく、チームも一切のミスを冒さなかった。
 レース終盤に2番手に浮上してきたのは、フェニックスのショート・オーバルで今年優勝しているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。260周目にリスタートが切られた。ここでもニューガーデンは圧倒的な強さを見せ、1ラップ毎にリードを広げて行った。10周で差は1秒以上になり、20周で3秒差に広がった。
 ゴール時のリードは4秒2828。オーバル初勝利とは思えない圧倒的パフォーマンスとなった。
 

他車がハンドリングに苦しむ3ターン~4ターンのバンプをものともせず自在なラインを取るニューガーデン。終盤に至ってもマシンのバランスは崩れることなく、260周目の最後のリスタートからもグイグイ後続を引き離した Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
  「クルマがとにかく良くて、スピードの落ち込みもほとんどなかった。テレビ・ゲームをやってるような感じでさえあった。去年も僕らのマシンは良かった。JR・ヒルデブランドがテストを担当してくれて、彼の意見も加味されたことによって更に速いマシンになったのだと思う。エド・カーペンター・レーシングというチーム全体が素晴らしい仕事をしてくれた。ポイント2位に浮上したって? それは知らなかった。72点差? それはかなり大きな差だね。パジェノーはどんなコースに行っても速いだろうし。ソノマに行く時にチャンピオンのチャンスがあったらすごいことだ」とニューガーデンは語った。

パワー、圧巻のアウトサイド・パスでディクソンを下す!
ホンダ勢最上位は5位のアレシン!


最後のリスタートから、パジェノー、ディクソンを次々かわしてパワーは2位をゲット Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  2位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。ゴール前10周を切ってからパジェノー、ディクソンの2人をパスした。特に、ゴール前3周でディクソンをアウトからパスしたシーンは圧巻だった。

 4位はパジェノー。5位は予選でも9位と奮闘していたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。そして、6位にはインディー500ウィナーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が入った。

 今日の優勝でニューガーデンは53ポイントを稼ぎ、ランキング2番手に浮上した。トップは手堅く4位フィニッシュしたパジェノー=409点。ニューガーデンは336点なので、73点差だ。
 ランキング3番手は334点のパワー。4番手は321点のディクソン。5番手は318点のカストロネヴェスだ。

佐藤琢磨、粘りの走りでレース終盤11位までジャンプアップ

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、スタート時のタイヤの内圧設定がコンディションにマッチしていなかたっためにペースが上がらず、37周目に周回遅れに陥った。レースが後半戦に入るまで苦戦は続いていた。しかし、辛抱強く走り続けたことでチャンスは巡ってきた。最後のイエローが246周目に出された時、燃費良く走っていたことも功を奏してトップ10を狙える位置までポジションを上げることに成功。11位でのゴールを達成した。

 「スピードは十分ではなかったけれど、安定感を保って走り続けていました。終盤にポジションを上げることができ、アイオワでのチーム・ベストのフィニッシュとなる11位になれたのは好かったんじゃないかな、と思います。ゴール前にあともう少し頑張って、ふたつぐらい順位を上げられたら好かったんですけどね。今日のレースもフェニックスと同じで、ダウンフォースを必要なだけ確保するとドラッグが大きくなってしまう、というエアロの問題点が苦戦に繋がっていました」と琢磨は話していた。
以上

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