2016年7月16日土曜日

2016 INDYCARレポート 第12戦 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2:最速はパジェノー、琢磨も順調にセット・アップを進める

午後のセッションではトップ・タイムのパジェノー以下、ペンスキーが1-2-3を独占 Photo:INDYCAR (Chris Owens)

モントーヤ、キンボールがクラッシュで赤旗連発に

  風が強まり、雲も増えていたが、プラクティス2が雨に見舞われることはなかった。しかし、午後の走行は赤旗による中断連発となった。新しくなったターン9~11のセクションで攻めの走りをしたドライバー2人がクラッシュを演じた。それはファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)とチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。赤旗は3回出されたが、もう1回はミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がターン6立ち上がりでスピンし、マシンをストップさせてしまったためだった。


パジェノー、セッション終盤にトップに浮上
カストロネヴェス、パワーが続いてペンスキーがトップ3独占

 最速ラップをマークしたのはポイント・リーダーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。セッション前半にはあまり走らず、セッション終了間際にアタック。狙い澄ましたようにチェッカー・フラッグが降られた彼にとっての最終ラップ=19周目に1分01秒7081をマークしてトップに立った。2番手はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)。彼も19周を走ったが、ベストは最終ラップの1周前の18周目だった。タイムは1分01秒9091。パジェノーの走りが突出していたのか、路面のグリップが急激に向上していたためなのか、トップと2番手の差は0.2010秒もあった。
 「新しくなったコース後半のセクションが僕は気に入っている。僕は変化が好きだし、挑戦も好きなので、新レイアウトは大歓迎だ。ターン10が逆バンクになっているのもいい。オーヴァルではバンクがコーナリングを助けてくれるけれど、逆バンクだと完全にその逆。ミッド・オハイオにもそういうコーナーはあるけれど、トロントの新レイアウトはコーナーが連続しているセクションなので、ポジション採りが本当に重要。1インチ単位での正確さが求められる。そのリスクとリウォードのバランスがすごくよいと感じている」とパジェノーは語った。

 1分02秒を切ったのはこの2人だけで、午前中はトップからコンマ5秒以内に8人が入っていたのに対して、午後は5人のみだった。パジェノーが少々速過ぎたためだ。しかし、午前中のプラクティス1で最速だったセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)のベスト=1分02秒9290は、22人出場中の18人が上回った。コースのグリップが上がり、各チームのマシン・セッティングも向上しているためだ。
 
 3番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、4番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。プラクティス1でトップ3を占めたシボレー軍団は、二強チームのドライヴァーたちによってプラクティス2ではトップ4を独占した。

地元のヒンチクリフ、ホンダ勢最上位の5番手

 プラクティス1でのホンダ勢トップは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。プラクティス2では地元トロントのジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が5番手でトップ。「朝はブレーキにトラブルがあったのと、エンジンのセッティングもコースに完全にフィットしていなかったために速く走れなかった(19番手)が、午後のプラクティスでのマシンは良好だった。今年はコースのほぼ3分の1が新しくなったようなものなので、エンジニアが大変。ドライバーである我々もターン9からのセクションでコース幅が狭いので、ライン採りがメチャクチャにシビアだ」とも彼は話した。
 
 6番手は朝の最速ランナー=ブルデイ。7~10番手はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、ジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。デイル・コイン・レーシングのコナー・デイリーとルカ・フィリッピが11、12番手。13番手がミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。

佐藤琢磨「明日はファスト6で戦える可能性が十分あります」

 琢磨は14番手。ベストはセッションの最後で出した 16周目の1分02秒6863。2セット目のタイヤを投入して走り出した2周目、まだセッション序盤の段階で1分02秒7817をマークしてアレシンに続く2番手につけた琢磨は、15周を走ったタイヤでセッション終了間際に自己ベストを記録した。
「順調ですね。とても成果が大きくあった走行初日でした。マシンは良くなっています。ただ、それがラップ・タイムに反映されていません。グリップが高くなっていたセッション終盤にニュー・タイヤを使っていなかったからです。マシン・セッティングの方向性も収束されて来ていますから、明日の予選はファスト6で戦える可能性が十分あると思います」と琢磨はポジションに関してはまったく気にせず、手応えを強く感じていることを語っていた。
以上


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