2021年4月25日日曜日

2021 INDYCAR レポート R2 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day2 プラクティス2:ジョセフ・ニューガーデンが2セッション連続でトップ

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ニューガーデン、ラップレコードに肉薄するタイムをマーク

 セイント・ピーターズバーグのコース・レコードは2018年にジョーダン・キングが記録した1分00秒0476だが、今朝のプラクティス2でジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がそのラップ・タイムに肉迫する1分00秒0622をマークした。昨日の午後のプラクティス1より明らかに低温の、タイムを出易いコンディションだった。気温は24~25℃と低めで、路面温度は29~34℃だったのだ。昨日のセッション中で最も暑かった時は、気温が28℃で路面は50℃もあった。今日のセイント・ピーターズバーグも午後は蒸し暑くなりそうだが、予選は午後2時前後に行なわれる予定なので、まだ路面の温度が上がり切る前の、昨日より低温下での戦いとなってレコード樹立がなるかもしれない。


ニューガーデンのマシンがファンエリアの中をけん引されて通過する Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大

2位以下も僅差で連なり、激戦の様相

 プラクティスの2セッション両方でトップに立ったニューガーデン。このレースでのスリーピート(3連勝)を成し遂げる可能性は十分にある。ただし、興味深いことにセイント・ピートでの過去6年間のリザルトを見ると、3人のドライヴァーたちが2連勝しており、2003年からの17回の開催で3連勝はまだ記録されていない。
 ニューガーデンはトップだったが、ポジション間の差は上から下まで非常に小さかった。ニューガーデンから0.2秒の中にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がひしめいていた。ハーヴィーとハータの差は0.0024秒しかなく、ハータとエリクソンの差はさらに小さい0.0003秒だった。


注目の若手、オーワード10位、パロウ11位
チーム・ペンスキーの4台も好調

 開幕戦でポールポジションを獲得したパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は1分00秒4797で10番手。開幕戦ウィナーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は1分00秒5076で11番手だった。ストリート・コースではやや苦戦気味とも映るが、彼らもまたマシン・セッティングの小さなゲインがあれば一気にトップへと進出できるだろう。

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 トップがニューガーデン、シモン・パジェノーが6番手、ルーキーのスコット・マクロクリンが7番手。セイント・ピートではチーム・ペンスキーのパフォーマンスが良い。過去17戦で10勝しているだけのことはある。昨日のプラクティスで2番手だったウィル・パワーが今朝は13番手と大人しめだったが、彼も午後の予選ではPPコンテンダーとなるだろう。パワーは今朝のセッション、レッドでの予選シミュレーション開始を少し早目に行なっており、路面のグリップが終盤より僅かに低く、ラップ・タイムが悪かったのかもしれない。マクロクリンはルーキーだが、このコースで一度レースを経験している。それを活かしてプラクティス2でトップ7につけるタイムを出せた、ということのようだ。

ペンスキーに対抗するのはアンドレッティ勢

 今回ペンスキー・クァッドに対抗するのは、チップ・ガナッシ・レーシングよりもアンドレッティ・オートスポートとなりそうだ(ここからの形勢逆転だって勿論有り得るが)。ロッシもハータも2セッション続けてトップ4に入り。ハーヴィーはアンドレッティと技術提携しているメイヤー・シャンク・レーシングからの出場。昨年から上位で戦う機会が増えて来ている。
 ガナッシ勢はエリクソンの5番手が最上位。スコット・ディクソンは8番手と相変わらず手堅く、しぶとい。パロウは前述の通りにプラクティス2は11番手。”ルーキー”のジミー・ジョンソンは24番手と最後尾が定位置化しつつある。レッド・タイヤの力を引き出すのに苦労をしている様子で、彼のベストはニューガーデンから2.2976秒遅れ、23番手だったマックス・チルトン(カーリン)との間にも0.6441秒の差があった。

適合力に優れたグロジャン、プラクティス2で9位

 その一方で、開幕戦で予選7位/決勝10位と素晴らしい成績を残したもうひとりの”ルーキー”=ロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)がプラクティス2で9番手のラップ・タイムを記録した。バンピーなコースにもストリート用のタイヤ2種類への順応ぶりも良い。「アメリカのレースは競争は激しくエキサイティング。サーキットの雰囲気も素晴らしい。ファンもフレンドリーだ」とグロジャンはインディーカー参戦を楽しんでいる。

佐藤琢磨、20番手タイムだが上位との差は短縮

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 トップから20番手だった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)までが1分00秒台にラップ・タイムを入れていた。20番手と聞くと厳しい結果と受け取られるかもしれないが、琢磨のベストとニューガーデンのベストは0.8286秒差。予選に向けてt琢磨陣営が何か小さな進歩を遂げれば、すぐ上の19番手だったチームメイトのグレアム・レイホールともども上位グリッドを獲得するチャンスは十分にある。今回はレッドがベストのパフォーマンスを発揮するラップでトラフィックに引っかかっていた可能性がある。走行後の琢磨は、「マシンは昨日より良くなっていました。順位だけ見ると悪いと見えますけど。レッド・タイヤでの走行ではトラフィックが多かったですね。今のセッションで得られた情報を元に予選には更にセッティングを変えて行くことになると思います。レッドに合わせたセッティングにすることができると思います」と話していた。
以上




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