2022年9月3日土曜日

2022 INDYCARレポート R16 グランプリ・オヴ・ポートランド Day1 プラクティス1:熾烈なチャンピオン争い

 2022シーズンもいよいよ大詰め
西海岸2連戦がポートランドからスタート


 今年もNTTインディーカー・シリーズは熾烈なチャンピオン争いになっている。もう2022年シーズンは大詰め、2レースを残すのみとなっている。最終戦ひとつ前のグラン・プリ・オヴ・ポートランドが今日始まった。全長1.964マイルに12のコーナーを持つフラットなロードコース、ポートランド・インターナショナル・レースウェイがタイトル争いの行方に大きな影響を与えるであろう戦いの舞台となる。



現在ポイントリーダーのパワー
過去4回もタイトルを逸した実績⁉


 ポイント・リーダーはウィル・パワー(チーム・ペンスキ)。2014年にシリーズ・チャンピオンとなっているドライヴァーだが、2010年から3年連続、そして2016年と4回もタイトルを獲り逃して年間ランキング2位になっている。最初の2年はダリオ・フランキッティ、2012年はライアン・ハンター-レイ、2016年はチームメイトのシモン・パジェノーに敗れた。2009年からチーム・ペンスキーで走ってきて、2018年のインディー500を含む40以上の勝利を記録し、60以上のポール・ポジションを獲得してきているのがパワーなのだが、タイトル獲得は未だ1回しか果たせていないのだ。

ランキング2位は勢いあるニューガーデン
しかし、エンジン交換で予選6グリッド降格に


 パワーとわずか3点差の2番手につけているのは、パワーのチームメイトのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だ。彼は2017年にペンスキー入りし、すでにパワーより多い2回のシリーズ・タイトル獲得を成し遂げている。今年はアップ&ダウンの激しいシーズンを戦ってきているが、ポートランド直前のゲイトウェイで今シーズン5勝目を挙げて勢に乗るニューガーデンの方がタイトル争いでは優位にあるように映っている。今年のパワーは15戦で1回しか勝っていない……などと考えていたら、新しいエンジンへの交換を行ったニューガーデンがペナルティで6グリッド降格となるとの発表がなされた。スタート直後のターン1が鬼門のポートランド。この降格は吉と出るか、凶と出るか。

過去3シーズン、ポートランド戦終了後のポイントリーダーがタイトル獲得
事前のプライヴェイトテストではパワートップ、ニューガーデン3番手


 ポートランドがインディーカー・シリーズに復帰したのは2018年で、レースが行われた昨年までの3シーズンを振り返ると、ここでのレースを終えた時点でポイント・リーダーの座にあったドライヴァーがそのままリードを保ってチャンピオンになっている。パワーはポイント・トップの座を死守できるだろうか? それともニューガーデンがポイントリーダーに躍り出るのだろうか?
 ゲイトウェイの後にポートランドで行われたプライヴェイト・テストではパワーがトップ・タイムをマークし、2番手はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)、ニューガーデンが3番手だった。


タイトルに望みを残すガナッシ勢は
ポートランドに自信の裏返しか独自の動き

 ペンスキーの二人以外では、パワーと14点差でランキング3番手につけているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)と、17点差で4番手にいるマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がポートランド終了時点でポイント・トップに立つ可能性を持っている。ランキング5番手のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は昨年のポートランド・ウィナーだが、パワーとの差が40点以上もあるため、2年連続タイトルはかなり難しい状況だ。ポートランド終了時点でトップに立てていなくても、最終戦で大逆転チャンピオンとなる可能性はあるが。

 おもしろいことに、チップ・ガナッシ・レーシングはポートランドではなく、最終戦が行われるウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカでテストを行った。ポートランド用のマシン・セッティングには自信を持っており、ラグナ・セカでのパフォーマンス向上がタイトル争いで大きくものを言う……というのが彼らの読みだ。チーム・ペンスキーの先手必勝がなるか、はたまたチップ・ガナッシ・レーシングが大逆転チャンピオンというエンディングか。

*現在、インディーカーのフリー・プラクティス1は赤旗中断中。メイン・ストレートに付近に設置された大型スクリーンが傾いてしまい、コース側に倒れてくる可能性が心配されるため。対策をして今日の午後にプラクティスを再開するのがインディーカーの意向だが、どうなるか……。
以上

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