2014年7月21日月曜日

INDYCARレポート メールマガジン・プレミアム:トロント レース2 決勝:マイク・コンウェイがタイミング良いタイヤ交換で今季2勝目!佐藤琢磨は22番グリッドから今季自己ベストの5位フィニッシュ!!


Photo:INDYCAR (Chris Jones)
7月20日 ホンダ・インディー・トロント レース2
天候: 曇り 一時雨
気温:21~22℃

なぜかレース1終了時点でのエントラントポイント順でグリッド確定
 レース2のスターティング・グリッドは、レース1終了時点のエントラント・ポイント順とされた。昨日の時点では今週末のイベントに入った時点でのポイント順という話だったが、それは変更になった。そこにどういう基準があるのか、インディーカーは明快なる説明をしてくれない。
 去年のヒューストンでもポイントでグリッドが決められたケースがあった。その時には、「ダブルヘダーはシリーズの公式戦2レースで構成されるものの、ひとつのイベントとして捉えられるため、エントラント・ポイントでのグリッド決定がなされる場合には、それが仮に週末の2レース目であっても、1レース目の終了時点のポイント・スタンディング(エントラント・ポイントの)ではなく、週末を迎えた時点のものが採用される」という話だったが……。


結局PPはカストロネヴェスで2番グリッドはパワー
 ということで……ってどういうコトなのかハッキリわからないが、レース2のポールポジションはポイントリーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、ポイント2番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がフロント・ロウ外側グリッドからスタートすることになった。今年の――いや “今週末の” と言うべきか――ルールで3番グリッドはシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)のものとなり、4番グリッドにはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がついた。去年の――というかヒューストンでの――ルールだったらこの2人のポジションは入れ替わっていた。きっとこのあたり、インディカーのレース・コントロールは些細な差ぐらいにしか考えていないんだと思う。
 ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は5番手スタート。その隣りはルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)。昨年のトロントで2レースとも優勝したスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は7番グリッドで、今日行われたレース1で勝ったばかりのセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)は10番グリッドとなった。去年のルールだったらブルデイはもう1列後ろからのスタートとなるところだった。

ポイントリーダーのカストロネヴェスが雨にもめげず序盤を独走
しかし、終盤スリックタイヤの方が速いコンディションに急速に変化

 スタート時の路面はまだドライで、スタンディング・スタートは安全に行われた。そして、レース2はポイント・リーダーのカストロネベスによる独走となった。序盤の10周目辺りからポツポツ雨が降り出し、路面は徐々にウェットへ。タイヤ交換をギャンブル気味に行なった面々がポジションを上げることもあったが、彼らより遅めの、慎重なタイミングでのタイヤ交換を行なってもカストロネベスはトップを守り続けてみせた。
 しかし、ポイント・リーダーがポール・トゥ・ウィンを飾ることはできなかった。それどころか、彼はなんと12位フィニッシュと、レースのほぼ3分の2をリードし続けたとは思えない結果しか得られなかった。
 42周目にパワーがついにチームメイトのパスに成功。ターン3入り口でホイールをぶつけ合っての、少々荒っぽいバトルとなったが、2台がともにスピンに陥るような最悪の事態とはならずに済んだ。パワーは逆転優勝に向けて逃げ切りたいところだった。しかし、65周から80分へのタイム・レースに変わった戦いは、終盤になってスリックタイヤの方が速いコンディションへと急速に変化。絶妙のタイミングでピットに飛び込み、レッドタイヤを装着したマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)が優勝をさらった。


勝負を分けたスリックへの交換タイミング
コンウェイ、残り2分30秒の須プリン℃でも首位を守りきる


 パワーたちはスリックへの交換が遅く、ウェットタイヤのままゴールを目指した4人にも先行を許す結果となった。そこからの追い上げでパワーは3位フィニッシュを果たしたが、中団に埋もれたカストロネヴェスは他車との接触でフロントウィングを破損。アンダーステアのマシンでポジションキープができず、12位まで後退してのフィニッシュとなったのだった。
 何やら妙に暴れん坊的な走りをしていたチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)は、ターン3でウエルタスに接触し、彼と彼のそのすぐ後ろを走っていたチームメイトのライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)をスピンさせた。ペナルティは課せられなかった。この多重アクシデントにはディクソンやハンター-レイ、ムニョスが巻き込まれた。

 フルコースコーションのままゴールになるのを避けるべく、インディカーは赤旗を出してレースを止め、残り時間2分30秒プラスでグリーンフラッグを振った。ゴールまで3周のスプリント、コンウェイは危なげなく今季2勝目へと逃げ切った。 2位はトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、3位はパワーだった。
 「難しいレースで僕らは実は苦戦をしていた。それがレース終盤、ドライのラインを見つけて、ここはスリックしかないと思った。赤旗が出た時はちょっとナーヴァスになったが、リスタート後もタイヤ温度はすぐに上昇、あの3周はおおいに楽しめた」とコンウェイは語った。

佐藤琢磨、22番グリッドから5位!今季最高順位でフィニッシュ
 レース1での超不運を振り払い、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が22番グリッドから5位フィニッシュを達成した。レース序盤に降り出した雨により、得意のウェットコンディションでトップ10に食い込んで行った琢磨は、スリックタイヤに戻してからの終盤戦で更に順位を上げ、今季の自己ベストとなる5位フィニッシュを果たした。
 「今日はレース1でも不運に見舞われましたが、チームのクルーたちは頑張ってくれていました。モチベーションを高く保ってレース2でも素晴らしいピットストップを行なってくれていました。今日はドライからウェット、そしてまたドライへと路面のコンディションが変わって行くトリッキーな戦いになっていました。しかし、我々はホンダ勢のトップとなる5位フィニッシュを達成できました。これはとても嬉しいことですし、誇りにも感じています。さぁ、不運は吹き飛ばせたので、シーズン終盤戦は上位で戦い続けたいですね」と琢磨は久しぶりに笑顔を輝かせていた。
 ポイント・トップはカストロネベスで変わらず。そして、2番手のパワーとの差はアイオワ終了時点より広がって13点差になった。ポイント3番手には再びハンター-レイが浮上し、パジェノが4番手だ。ハンター-レイとカストロネベスと差は69点で、パジェノーはハンター-レイと2点差なので、トップとは71点の差となっている。

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