2014年7月21日月曜日

2014 INDYCAR レポート 第13戦トロント Race Day レース1:ブルデイ、ポール・トゥ・ウィン!

天候:曇り のち 晴れ
気温:19〜21℃

昨日ローリング中に脱落したブリスコー、モントーヤ、パワー

後方のグリッドからのスタートに

 雨で1日順延され、周回数が20周減らされた65周で争われたホンダ・インディー・トロントのレース1は、セバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)の圧勝となった。
 曇り空の下、ドライ・コンディションでのローリング・スタート。ブルデイはフロント・ロウ外側からダッシュしたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)を楽々リードしてターン1を曲がり、ターン3でもアタックする隙を一切与えなかった。
 昨日のレースが一切グリーン・ラップなしだったことで、今日のレースは完全なる仕切り直しとされ、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はあれだけの事故を起こしていながら、元どおりにフロント・ロウ外側グリッドに復活できるという話にもなっていたが、インディーカーのオフィシャルは「昨日のレースの続きとしての開催であるため」との理由からパワー、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、そしてライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)の予選結果によるグリッド復帰を許さず、ブリスコーが21番手、モントーヤが22番手、パワーが最後尾の23番手からスタートした。

佐藤琢磨、アクシデントに巻き込まれ走行不能に
 ブルデイは何の問題もなくターン3を走り抜けた。2番手のカストロネヴェス、彼に続くライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)も同様だった。しかし、その先のターン5へとアプローチする地点でルーキーのルカ・フィリッピ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)が接触。パジェノーはスピンに陥り、コース左側を塞ぐようにストップした。5番手争いでのトラブルが後続に与えた影響は大きく、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)に横から体当たりし、琢磨は後続のカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)に後ろからヒットされ、マイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)もスピンし、ストップした。
 このアクシデントで走行不能に陥ったのは、なんと琢磨ひとりだけだった。

ブルデイ、圧倒的な速さをキープ

 コースがキレイになるとレースは再開され、またもやブルデイがクリーン・スタート。そして、1ラップ目にして2位以下を大きく突き放してみせた。コールド・タイヤでのこの速さはセンセーショナルでさえあった。
 ブルデイはスタート直後も、ロング・ランとなったスティント終盤でもライバル勢の上を行く速さを実現していた。65周を終えてのゴール時、彼は2位に復活していたカストロネヴェスに3秒3408秒の差を持っていた。周回遅れに道を阻まれなければ、差はもっともっと大きくなっていたはずだ。
 1ラップ目にパジェノーがアクシデントに遭ったことが悔やまれる。今日のレース1でブルデイにチャレンジできるドライバーは、パジェノーしかいなかったように見えていたからだ。

統一シリーズでの初勝利で、通算32勝目!

 4年連続チャンピオンとなったチャンプカー・ワールド・シリーズでのものを合わせ、キャリア32勝目を今日ブルデイは記録した。2007年のメキシコ・シティ以来となる勝利だ。そして、彼は勝利数で歴代8位にランクされることにもなった。2008年にチャンプカーはインディーカーに吸収されたが、ブルデイは統一シリーズでの初勝利にやっとのことで手を届かせたのだ。
 「本当に嬉しい。多くの努力を重ねて来た結果だ。ずっと戦い続け、今日僕らにはすべてが揃っていた。自分のやるべきことをやり通そうと考えてレースに臨んだ。残り20周の辺りでコースに落ちていたマシンの破片を踏んだ後は、タイヤがおかしくなるんじゃないかなどと考え、起こってもいないコトを体が感じるほどドキドキしていたが、何もトラブルは出ずにゴールまで走り切ることができた」とブルデイは喜びを爆発させていた。去年は2レースで共に表彰台に上ったブルデイ。トロントではこれで3戦連続表彰台ということになった。次なる目標は、午後のレースでも勝ってのダブルヘダー完全スウィープだ。

 カストロネヴェスは、ブルデイにとうとう一度もアタックできずに2位でゴールした。レース内容には不満だろうが、チャンピオンシップ・ポイントでのリードを広げることとなった点では満足だろう。「苦しい週末でも自分たちはとにかく全力を尽くすだけだ」と彼は語った。「2位は悪くない結果。午後のレースに向け、マシンを少し良くしたい」と話していた。
 ポイント2番手のパワーは最後尾スタートから9位フィニッシュ。ポイント3位につけていたハンター-レイはリタイアでランキング4番手に後退。ポイント3番手にはパジェノーが代わりに浮上して来たが、彼もまたカストロネヴェスより後方の4位でのゴールしか果たせなかったため、彼との差も広げることに成功したのだ。

 午後のレース2でもブルデイの速さは保たれるだろう。しかし、レース2のグリッドはレース1終了時のポイント・スタンディングとされるため、10番手グリッドからのスタートとなる。カストロネヴェスはポール・ポジションから、ブルデイが上がって来るまでに逃げを打つしかない。2レース目は3番グリッドからスタートを切るパジェノーにとっても大きなチャンスだ。ひとつ前のグリッドからスタートする宿敵パワーとのバトルは果たして今回はどうなるか?

0 件のコメント:

コメントを投稿