2014年7月20日日曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント51 第13戦トロント Day2 レース1:「明日は1日2レース、合計130ラップ。雨のレース2回ウエルカムです」

「確かに滑り易かったけど、やると宣言したのだから
雨でレースをやった方が良かったと思います」

Jack Amano(以下――):赤旗が3回出されたんですが、琢磨選手としては状況をドライバーの立場からどう見ていましたか?

佐藤琢磨:確かにバック・ストレートは水しぶきが凄くて、視界はほとんどゼロだったし、至る所にトロントのコンクリート・パッチがあって、その上はものすごい滑り易かったんですけども、僕らはそれらのパッチを避けるようにしてウォーム・アップ・ランというか、アンダー・イエローっていうかね、走っていて、レースは十分にできると思ってました。ただ、コーション中にドライバーがスピン・オフしてクラッシュしたりだとか、スタートの時に先頭のドライバーが失敗したりと、確かにものすごい滑り易いコンディションでしたけど、雨の量自体はそんなに激しくはなかったので、僕は赤旗になっても再開ができると思ってました。話が前後しちゃうけど、最初の赤旗の理由は、コーション・ライトの追加だったんですよね。スタンディング・スタートをやるのに、すべてのグリッドの間隔にコーション・ライトがないのは危ないって最初から言ってたんで、あの時にはそれを追加するために赤旗にしたんですよ(インディーカーから、この事情説明は一切なし)。それでスタンディング・スタートにする予定だったんだけれども、イエロー中にスタンディング・スタートをやめてローリング・スタートになった。そして、その後の2回の赤旗は意味がわからなかったですよね。確かに滑り易かったけど、せっかくウェット・タイヤがあるんだし、“雨でレースをやるよ” って言ったんだから、雨でレースをやった方が良かったと思います。

――オフィシャルからフィードバックを求められたりはしましたか?

佐藤琢磨:いや、僕個人にはないですね。何人のドライバーたちは抗議というか、止めた方が良いって言ってたみたいですけど。

――それはドライバーからチームに話が行って、それがオフィシャルに伝えられるパターンですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。

――琢磨選手としては、走行してピットに伝えたとか、話したことって何かありましたか?

佐藤琢磨:バック・ストレートは見えないって言うのは言いました。だから、”ターン3で何かあったら教えて”とは言いましたね。一度スタートしたら、アクセルを緩めるワケにも行かないんですよ。みんなで移動しないと。前が見えないからってアクセル・オフするのも怖いですよ、後ろからも来てますからね。でも、"確かにコレ、スタートしたらとんでもないことになるかも”という予感もしてました。狭いしね。ただ、これまでも何度かそういうシーンはやって来たし、レースは進んで来ていたので、大丈夫だと思ってました。水溜まりはなかったのでね。

「雨の時は歯科医がある状態で始まるので
スタンディングスタートの方が適している」

――イエローででもスタートを切って、何周かすればラインも乾いて来て、そこでシングル・ファイルのローリング・スタートっていうのは安全面からもかなり妥当な線と思ったのですが?

佐藤琢磨:すごい残念でしたね、ローリング・スタート、それもシングル・ファイルだって聞かされた時には。

――でも、それが一番の選択肢だったのでは?


佐藤琢磨:はい、100歩譲って。ヒューストンの時なんて、もっと雨が降ってたのにレースはスタートしたし、事故にもならなかったよね? 雨の場合はスタンディング・スタートの方が適しているとも思いますしね。

――最初のスピードが遅いという面で。

佐藤琢磨:はい。視界がある状態で始まりますからね。

――ライトが装備されていなかったのがインディカーの最初の問題であったと。
佐藤琢磨:そうですね。追加作業が終ったので“よし、スタンディング・スタートだ”って思ってたら、ローリング・スタートに変更になった。それはちょっと残念でしたね。特にシングル・ファイルのローリングとなると、抜けないですからね、最初に。でも、"仕方ないから1台ずつ行くか”と。15番手から1台ずつ行って、80ラップもあるし、サバイバル・レースになるとも思ってましたけど、何とか最後まで生き残って前まで行きたいと思っていました。

――赤旗中に“10分間マシンをいじってもヨシ”という話が何度かありましたが、14号車陣営は何か変更をしましたか?
佐藤琢磨:僕も最初のスタート前に少し大きめのガーニー・フラップにしてたんですが、2回目の赤旗の時にさらに大きいものにしました。

「雨は歓迎でした。僕が一番走りたかったドライバーだったはず」
――色々チームも頑張っていたかれど、結局スタートしなかったのは本当に残念でしたね。

佐藤琢磨:ホント、今日レースをやりたかったですね。

――雨のレースは、”ヨシッ”と思ってましたか?

佐藤琢磨:もちろん。雨は歓迎です。グリッドで多分、僕が一番スタートしたがってたドライバーでしたね。

――今、雨ならインディカーで一番速いでしょ? かなり自信を持っていいんじゃないですか?
佐藤琢磨:僕が一番速いかどうかは皆さんが決めてください。確かに自信は持っていますが、それは1レースを除いて、ですね。バーバーは酷かったので。クルマも、タイヤの内圧も大きく外すと、ああいう風になっちゃう。でも、ストリートでソコソコちゃんとドライで走れるクルマになっていれば、ウェットタイヤ着けたら問題ないと思います。

――雨でチャンスは増えたと考えてたワケですよね?

佐藤琢磨:そうでした。特に今日は予選15番手だったから、雨になれば前に上がれると信じてました。

「雨のレースを2回やりましょう! 雨が僕らには必要です」
――65ラップを2レースというスケジュールに明日はなりましたが、その決定についてはどう思いますか?

佐藤琢磨:スプリントとロング・レースになるのかとも思ってましたけどね。

――1レース目が10時半スタートで、2レース目は午後4時15分スタートです。かなりドライバーにとってはタフですよね?
佐藤琢磨:合計130ラップ。それはちょっと……笑えないですね。

――インターバルをなるべく長く取ろうとした印象ですが?
佐藤琢磨:でも、1日に2レースってないもんね。

――週末2レースも大変なんですよね?

佐藤琢磨:予選レースをやって決勝もってコトはあったかもしれないけど、レース、その後にまたレースっていうのはかつてないですよね。

――予選は当然キャンセルになりましたが。

佐藤琢磨:でも、そのおかげでレース2のスターティング・グリッドはチャンピオンシップ・ポイント順なんでしょ? それじゃ僕らは最後尾だから……。

――後ろはルカ・フィリッピだけではないでしょうか。
佐藤琢磨:雨が必要ですよ。2回やりましょう、雨のレース。僕はそれをウェルカム。全然問題ない。

――では、明日は大変ですが、頑張ってください!
佐藤琢磨:はい、ありがとうございます。頑張ります。
以上

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