2014年7月20日日曜日

2014 INDYCARレポート 第13戦トロント Day2 レース1:ドタバタの末明日に延期に ドタバタの末に明日に延期

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ローリングスタート、シングルファイルに変更!

 実についてない。午後になってから小雨が降り出して、インディカーのスタートが近づいた頃に雨脚が強くなった。
 それでも23台のマシンはコースへと出て行った。ウェットタイヤを全員が装着。85周か2時間、どちらか先に来た方でゴール……というルールでレースは戦われるはずだった。
 しかし、インディカーは「危険過ぎる」と赤旗を出した。「バック・ストレッチで上がる水しぶきが酷い」とのフィードバックがドライバーたちからあったという。


 ここでインディカーは全車をチームのピットに戻し、「必要とあれば作業を施して良い」との指示を出した。考えていたよりもコンディションが悪かったためだ。リヤ・ウィングのウィッカーを大きくするなどするチームが見られた。
 そしてマシンは再びコースへ。レースはスタンディング・スタートで切られるはずだったが、この後にインディカーはローリングに変更することと決定。しかも、それをシングル・ファイルで行うこととした。

なんとローリングスタートでペースカーがスピン!
ペースカー不在にもかかわらずウィル・パワーがスタートしてクラッシュ

 しかし、ここでもグリーン・フラッグが振られることはなかった。ライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)がタイヤ・バリアに突っ込み、次のラップではなんと(!)ペースカーがスピンした。運転していたのはインディ500で2度の優勝経験を持つアリー・ルイェンダイクだった。
 ペースカーが消えてしまったままスタートは切れないはずだが、なぜかスタート目前のターン11でアクセルを踏み込んだ予選2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がスピンし、クラッシュ。マシン左側にダメージを与えた。
 ここからインディカーの迷走が加速した。スタートを切らないまま4周した後、今日2度目の赤旗を提示。ここでまたマシンへの作業をオーケー。ここでのこの指示は、すでにガレージに移動されていた12号車が急ピッチでのサスペンション交換作業を進めていたからとしか思えなかった。1台だけに作業を許していては不公平になるという考え方だ。そして、インディカーがスタートを切らずにいる間にパワーのマシンは新品のサスペンションを前後に装着、グリッド最後尾に並んでいた。
 レース周回数を85周から65周に縮め、レース時間の制限を2時間から1時間半に縮めることなども発表されたが、最終的には午後6時13分、インディカーは今日のレース開催が不可能との判断を下した。
 そして、協議の後に「明日は75周のレースを2回。スタートはレース1が10時30分で、レース2が夕方の4時15分」と発表。しかし、実はまだ迷走は続いていて、これから更に1時間以上経過した後にそれぞれのレースがマイナス10周の65周にされることが発表された。そして、明日の天気予報も決して良くはない。インディカーはどちらのレースもレース時間は80分を越えないこととも発表している。


「スタンディングの方が安全なはず」とインディーカーの判断に琢磨は落胆


 「確かにバックストレッチでの視界はゼロでしたけど、レースはできたと思います。ウェットでのスタートはスタンディングの方が安全。それがシングル・ファイルのローリングに変更された時はガックリ来た」と佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は話していた。現在のインディカー・シリーズでウェット・コンディションのストリートを走らせたら琢磨はナンバー・ワン。それだけに今日のレースがウェットで行なわれなかったのを残念がっていた。ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)も、「コンディションは確かにベストではなかったけれど、ギリギリのボーダーラインにあったと思う」とインディカーの判断に疑問を呈していた。「特に、チャンピオンシップのライバル2人がトラブルを抱えてピットに入った後だっただけに、今日レースが行われなかったのは残念」とも彼は素直に心情を話していた。
またしても恩恵を受けたペンスキー勢
これは本当に偶然だったのか??

  今日のパワーは本当にラッキーだった……のか。それとも、何か裏で交渉が行なわれたのだろうか。ハンター-レイの指摘する通り、電気系トラブルに見舞われていたモントーヤも大きな命拾いをした。明日のレース1でも彼らは後方グリッドからのスタートとなるが、もし今日レースが行われていたら、彼らはまともに走れず、最後尾近い順位しか得られなかったはずだ。そうした最悪の事態を彼らは避けることができたのだ。
以上

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