2018年1月27日土曜日

2018 INDYCARレポート 1月26日:デイトナ24時間、スタートは土曜日の午後2時40分

アキュラ参戦でさらに盛り上が新レギュレーション2年目
 モータースポーツ・シーズンの開幕を告げるロレックス24アット・デイトナは、明日の午後2時40分にスタートする。昨日予選が争われ、出場する50台は今日、最終プラクティスを行った。

 トップ・カテゴリーはデイトナ・プロトタイプ・インターナショナル。ル・マン24時間レースでのセカンド・カテゴリ=LMP2のシャシーをベースに自動車メーカーがモディファイを許され、それぞれが自社のエンジンを搭載する。コスト高騰を防いだかなり考え抜かれた良いレギュレーションだと思う。昨年スタートしたばかりだが、キャディラック、ニッサン、マツダの3社がエントリー。今年はそこにアキュラ(ホンダ)が加わり、さらに大きな盛り上がりを見せている。ロータスが撤退してホンダvsシボレーの時代が長く続いているインディーカーにも、また3番目のメーカーがチャレンジして来て欲しいとところだ。フォードさん、どうでしょう?


LMクラスも8メーカーが激突
 
 スポーツカー・レースは複数クラスが混走するもの。デイトナも例外ではなく、GTLM、GTDの2クラスがプロトタイプとコースをシェアして戦う。LM(ル・マン)クラスではシボレー・コルヴェット、フォード、BMW、フェラーリ、ポルシェが競い合い、D(デイトナ)クラスではポルシェ、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW(ドイツだけで4社)、フェラーリ、ランボルギーニ、アキュラ(ホンダ)、レクサスがしのぎを削っている。アキュラはNSX、レクサスはRC FのGT3バージョンを投入して。

PPはハンター-レイの乗るテイラー・レーシングのキャディラック
 予選でポールポジションを獲得したのは、キャディラックDPi-V.Rだった。GMの高級車ブランドはここ数年かなりスポーティなクルマを作って来ており、レースにもかなり力が入っている。3チーム、4台をエントリーと最もユーザー層の厚い彼らの中からPPを獲ったのは去年デイトナでデビュー・ウィンを飾り、セブリング12時間も制してシリーズ・チャンピオンまで突っ走ったウェイン・テイラー・レーシングだった。ドライバーはオランダ出身のレンガー・ファン・ダー・ザンデ。彼のチームメイトはテイラー家の次男坊で昨年度DPiチャンピオンのジョーダン。インディーカー・チャンピオンのライアン・ハンター-レイが第3ドライバーに起用されている。

チーム・ペンスキーのアキュラ、惜しくも初参戦PP叶わず
 予選2位はエリオ・カストロネヴェス(アキュラ・チーム・ペンスキー)が乗ったアキュラARX-05。カーナンバーは7。ファン・ダー・ザンデとの差は僅かに0.007秒! さすがペンスキー&エリオ。いきなり速さを見せた。彼のパートナーは前述のジョーダン・テイラーの実兄リッキー・テイラーだ。彼らは兄弟で一緒に昨年度DPiチャンピオンになり、兄貴の方がチーム・ペンスキーに引っこ抜かれた。デイトナの助っ人に雇われたのはグレアム・レイホール。
 チーム・ペンスキーのもう1台=6号車は若手のデイン・キャメロンがアタックを担当し、予選10位を得た。ブレーキにマイナー・トラブルがあったためにカストロネベスにマッチするパフォーマンスを見せることができなかったが、それでもトップとの差は0.848秒しかなかった。DPiの実力伯仲ぶりは凄まじく、ポールから1秒の中に13台が食い込んでいた。こちらの6号車はエースがファン・パブロ・モントーヤ。チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ時代にデイトナ24時間での総合優勝を3回もマークしており、インディーカーでチャンピオンになり、インディー500で2勝し、F1、さらにはNASCARでも勝った彼は、スポーツカーでも既に立派な成績を残している。彼らの助っ人にはシモン・パジェノーが選ばれている。
 ペンスキーは助っ人も凄い。ホンダの現役インディーカー・ドライバーが起用されている訳だが、パジェノーは2010年のアメリカン・ル・マン・シリーズ・チャンピオン(アキュラに乗ってのタイトル)で、プジョーのワークス・ドライバーとしてル・マンで2位フィニッシュしたこともある。スポーツカー・スペシャリストと言ってもいいドライバーだ。もう一人のレイホールも2011年にデイトナ総合優勝を飾っている(こちらもチップ・ガナッシ・レーシング・チームズでした)し、父ボビーが運営するBMWのワークス・チームでGTカテゴリーでの参戦もして来ている。経験、実績ともに豊富な、実に強力なライン・アップをペンスキーとアキュラは用意した。

F1からはアロンソとストロールも参戦!
ディクソン、ブルディはじめインディーカー勢も大挙参戦

 今年のデイトナには現役F1ドライバーが2人出場している。ル・マン24時間での優勝を目指すフェルナンド・アロンソと、ランス・ストロールだ。
 現役インディーカー・ドライバーは上記の他、スコット・ディクソンとセバスチャン・ブルデイがともにチップ・ガナッシ・レーシングのフォードGTでGTLMクラスに出場している。また、マツダDPiチームではスペンサー・ピゴットが走っている。
 半現役のドライバーだと、トゥリスタン・ヴォーティエがスピリット・オヴ・デイトナ・レーシングのキャディラックDPiに、セバスチャン・サーヴェドラがリジェLMP2の52号車に乗っている。

 元インディーカー・ドライバー……と範囲を広げると、結構な数が出ている。優勝経験があるドライバーだとライアン・ブリスコー、ブルーノ・ジュンケイラ、スコット・プルエット、クリスチャン・フィッティパルディ、マイク・コンウェイ、 AJ・アルメンディンガー。その他だとヤン・マグヌッセン、タウンゼント・ベル、ジャック・ホウクスワース、マイク・ロッケンフェラーが出ている。これで全員カバーしたはず。このうちの誰かが優勝あるいはクラス優勝のメンバーに含まれる可能性は、結構大きなものがあると思う。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿