2011年8月17日水曜日

2011 INDYCAR レースアナリシス R12 ニュー・ハンプシャー:事前の予想とは反対にオーバーテイクの多かったペーパークリップ・シェイプの1マイルオーバル

Photo:Naoki Shigenobu
 ニュー・ハンプシャーでのレースはとてもエキサイティングだった。「ペーパークリップのカタチをしたこのコースでは、オーバーテイクはほとんど無理かも……」とドライバーたちはレース前に話していたが、多くのパッシングが見られた。

 1マイルのオーバルとしては直線が長いレイアウトでは、1周あたりに占めるコーナリング時間が短い。当然タイヤは暖まりにくく、コールドタイヤでのマシンコントロール能力がスタートやリスタートで大きな要素となっていた。
 決勝スタートでのトーマス・シェクター(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)のふたりは凄かった。なぜか、どちらも二世代目、三世代目のヤンチャ坊主(もう、そう呼ばれる歳でもないけど)。シェクターは18位から9位まで1周だけでポジションアップ。すぐ後に続いたリスタート2回の後には3位を走っていた。アンドレッティも1周目に予選22位から17位にジャンプ。もう2回のリスタートの後には13位まで順位を上げていた。ふたりともアウトへラインを採り、自らバトルを3ワイドにしてライバル勢をごぼう抜きしていた。

 プラクティスからスピンやアクシデントは多かった。そこにはコールドタイヤの影響が少なからずあったと思う。他のサーキットよりタイヤの暖まりが遅いのだ。
 トニー・カナーン(KVレーシングテクノロジー・ロータス)などが予選の後、「コーナーにある路面の継ぎ目が問題」とレース前に話していたが、実際のレースではそうでもなかった。

 全長のわりにタイトなターンを持つコースでは、ドライビングやマシンセッティングが難しいだけでなく、タイヤの性能をいかに落とさないよう走るかというテクニカルさも備えていた。それによって各ドライバーの置かれた状況の違いが有利・不利を生み出し、順位変動の大きいレースとしていた。
 リッチモンドはオーバーテイクが本当に難しく、「敢えて少し遅く走ることで後続にアタックのチャンスを与えない」なんていうテクニックさえあった。そうなると、もう完全に本末転倒。なんのためにレースを開催しているかわからない。

 今回、ニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイは、インディーカーでのレースにおいてオーバーテイクは十分に可能なコースであると実証された。ミルウォーキーは昔からずっとエキサイティングなレースの舞台となってきているし、ハイバンクのアイオワは、ミルウォーキーとはまったく異なるキャラクターのレースが行われ、そちらも非常に楽しい。そこへ今年からニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイのレースがインディーカーのカレンダーに加わった。それは、ニュー・イングランド地方という、インディーカーがレースを久しくやってこなかったエリアへの再進出ともなった。
 来年からはマシンが新規定のものに変わり、エンジン競争も始まるが、1マイルオーバルという施設が面白いインディーカー・レースの舞台となる点に変わりがないのなら、もうひとつぐらいカレンダーに追加してもいいんじゃないだろうか? 例えば、以前はインディーカーのレースを行っていたアリゾナ州のフェニックス・インターナショナル・レースウェイとか。フェニックスなら、スポンサーたちにはマーケットとしても十分魅力的だろうし。

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