2013年10月21日月曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント70 第19戦フォンタナ Race Day 決勝その1:「最後まで残っていればトップ10の可能性はもちろんありました。この最終戦、懸ける意気込みは結構大きかったので、メカニックも含めてリカバリーとしてはすごく良かったと思うんですけど、もう一歩、スピードっていうところではちょっと足りない最終戦になってしまいました」

フォンタナの決勝スタートに向けコースインする佐藤琢磨 Photo:INDYCAR(Richard Dowdy)クリックして拡大
MAVTV500
10月19日 Race
17位 1時間55分41秒7516 144周(メカニカルトラブル 106周遅れ)


「レースの序盤、トップ10に近づいてから苦しい展開になっていました」

Jack Amano(以下――):最終戦、非常に良いスタートを切れていましたね?

佐藤琢磨:はい。スタートは順位を上げることができて、タイヤがフレッシュな時のスピードはそんなには悪くなかったと思うんですけど、タイヤの摩耗が進行した時にペースを維持できなかったですね。結構そういう意味ではグリップ感に悩まされて、前に着いて行けない展開というのが多かったです。レースの最初はグリーンの状態でピットストップがあって、その時まではそんなに悪くなかったと思うんですけど、トップ10に近づいてからが苦しい展開になっていました。

――やっぱり25番手、最後尾からのスタートということで、序盤はタービュランスにも悩まされたというところですか?

佐藤琢磨:そうでしたね。特に今週末は集団の中でプラクティスで走れなかったので、そのあたりのクルマの動きっていうのは未確認でスタートしたところがありました。でも、去年はほぼ最後尾から追い上げをすることができていたので、今年も同じようなレースを本当はやりたかったんだけれども、なかなか前の方に今年は進んで行けなかった。で、結構自分が単独で走っているだけの時でも目一杯で、何度か危ない時もありました。パックの中では到底踏んで行けるような感じではなかったですね。

「4スティント目ぐらいでは、もっと上に行けるかなという感じでした」

――それでも、1回目のピットストップの後に周回遅れになりながら、その後のイエローをうまく利用してリードラップに戻ったりと、モチベーションを保てる展開になってもいました。

佐藤琢磨:1回目のピットストップはどこかのホイール交換に手こずってしまったみたいで、あっという間にラップされちゃったんだけれども、ラップバックできたのは良かったし、そこから願わくばコンディションが上がって行くのと同じように僕らのクルマもいいカンジになればいいなと思ってました。4スティント目ぐらいだったか、結構タイヤが劣化してきた状態でも順位を少しずつ上げてるシーンがありました。そのあたりでは、もうちょっと上に行けるかなって思っていました。しかし、その後は逆に厳しくなっちゃいました。

――今日は大きなアクシデントも何度かありました。

佐藤琢磨:はい。それでラジエターの中にマシンの破片を拾ってしまったらしく水温がすごく上昇していました。それでピットに戻って、かなりゴッソリとゴミを出して戦列に復帰したんですけど、その後は数周も持たずに(エンジンが)オーバーヒートしちゃいました。

「ずーっと水温、油温ともに高い状態でしたが
最後はあっという間でした」

――多くのマシンが同じオーバーヒートというトラブルに遭っていたのは、クラッシュしたマシンの破片が一番の要因だったんですか?

佐藤琢磨:いや、半々だったと思います。大きな破片もありましたし、捨てバイザーも結構入っちゃっていました。それから、細かいパーツがラジエターの表面に積もってしまう状況になっていました。ものすごい埃でした。多分、バックストレートからターン3にかけてバンプを削った部分があるんですけど、その削りかすが路面の中や色んな場所に入っていて、それが砂みたいなものになって、レース中に出て来てたんだと思います。サンドブラストみたいな状況でした。コースの掃除をしたといっても結局舞い上がるだけなんでね、リスタート直後の3コーナーとかは前が見えない状態でしたよ。で、ヘルメットもクルマの上半分も塗装がなくなっちゃうぐらいでした。凄いレースでしたね。捨てバイザーも13枚つけてって、1枚しか残ってなかった。ウィル・パワーなんてバイザーごと換えてましたよね。こんなこと初めてでしたね。ホームステッドで一度砂埃がすごい時がありましたけど。今日の埃はそれよりずっと上を行ってました。

――エンジンのオーバーヒートは急激に来た感じでしたか?

佐藤琢磨:ずーっと水温、油温とも高くて、結構厳しい状態でしたが、最後はあっという間でした。

――残念ながら最終戦、リタイアとなりました。振り返れば、マシンの状況も結構苦しいものだったということでしょうか。

佐藤琢磨:はい。今日は最後まで残っていればトップ10の可能性はもちろんあったし、すごいサバイバルレースで見応えはあったと思います。けど、生き残っていたとしても、どれだけクルマの方がパフォーマンスできたかはちょっとわからないです。この最終戦、懸ける意気込みは結構大きかったので、メカニックも含めてリカバリーとしてはすごく良かったと思うんですけど、もう一歩、スピードっていうところではちょっと足りない最終戦になってしまいました。
その2に続く

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