2014年9月1日月曜日

2014 INDYCARレポート 第18戦フォンタナ Race Day 決勝:チャンピオンは9位フィニッシュのウィル・パワーの手に!! トニー・カナーン、ガナッシ移籍後初勝利! 

ウィル・パワー、ついにシリーズチャンピオンに! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ガナッシ、最終戦で1-2フィニッシュ達成

 2014年最終戦のウィナーはトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。今シーズン初優勝=チーム移籍後初めての勝利となった。
 予選7位だったTKは、チャンピオン争いに関係ない自らのポジションから、今日は最初から勝利を狙っていた。レース巧者の彼はチャンスが訪れるのを待っていた。そしてゴール間近の178周目、フルコース・コーション中のピット・ストップでトップに浮上した。


Photo;INDYCAR (Chris Jones)
 そこからはチームメイトのスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、そしてウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とのバトルになったが、パワーはスティントの序盤でタイヤを酷使して勝手に後退して行き、最終的にはディクソンとの優勝争いとなった。そして、チームメイトに3秒以上の大差をつけての優勝を飾った。
 優勝争いよりもチャンピオン争い……というのがライバルのペンスキー勢の関心事だった。ファン・パブロ・モントーヤだけは優勝を積極的に狙っていただろうが……。そのモントーヤのスピードが今ひとつ伸びない中、カナーンとディクソンは終盤のレースを完全にコントロールしていた。シーズン終盤になってトップ・レベルの実力をようやく取り戻したターゲット軍団は、2014年の最終戦を1-2フィニッシュで締め括った。

パワー、着実にポジションアップし187周目のリスタートでトップに!
カストロネヴェス、またしても勝負所で痛恨のミス


 ポイント3位のシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)は序盤にしてマシン・トラブルが発生し、ごく僅かに残っていたタイトル獲得の望みを断たれた。チャンピオン争いはペンスキー・コンビによって行なわれることとなった。
 予選で大失敗したパワーは20番手スタート(ミカイル・アレシンの負傷欠場でグリッドがひとつ繰り上げ)だったが、少しずつ、着実にポジション・アップして行った。9番手でレースを折り返し、178周目のピット・ストップを終えた時点では5位。そして、187周目のリスタートの後には一気にトップに躍り出た。
 ターゲット軍団をパスするのにタイヤを酷使したのか、パワーはトップを維持できず。しかし、パワーに先行されて衝撃を受けたのか、ポイント2位からの逆転タイトルを狙っていたエリオ・カストロネヴェスは220周目に行なった最後のピット・ストップで“ピット・レーン・エントリー違反”を冒し、ピットレーンをドライブ・スルーするペナルティを受けた。彼のタイトル獲得の望みはこれでほぼ消滅した。

「自然に勝利を目指したのがよかった」と語るパワー
 タイトルを争う相手が1周後れの14位へと後退した後、パワーはゴールまでマシンを無事に運ぶことに作戦を切り替えた。彼のポジションは4位から9位にまで下がってのゴールとなった。
 「チーム・ペンスキーで走る。そのチャンスを与えてもらえたことに感謝するばかりだ。タイトルを何度も取り損ねて来た。その理由は自分が慎重になり過ぎたからだと考え、今シーズンは自分のレースを思い切り戦うことだけに集中し続けた。今日も終盤には優勝を狙った。マシンを限界で走らせ続けた。自然に勝利を目指したのが良かったと思う」とパワーは語った。
 初タイトルを逃したカストロネヴェスは、「今年もシリーズ・ランキング2位となった。それは来年、自分が更に強くなってシリーズに戻って来ようというモチベーションになる。今日も自分は力強くレースを戦えていた。それを喜ばしく思う。しかし、やっぱりタイトルを獲得できなかったことは少し心が痛む」とコメントした。
 3位はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)。レース中盤に最速だったが、ピット・スピード違反で後退。終盤のスピードはターゲット軍団をパスするまでのものがなかった。
 4位はモントーヤ。5位はヒンチクリフ。最後のピット・ストップを少し早めに行なう作戦は、彼にふたつのポジション・ゲインをもたらした。

佐藤琢磨、粘りの走りで6位フィニッシュ

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は4位スタートから6位フィニッシュ。ピット・ストップでポジションを落としてもコースでそれを取り戻す。そうした戦いを250周に渡って続けた結果だった。
 「力強いレースを戦えたと思います。どちらかというとロング・ランで速く、ニュー・タイヤでの瞬発力はなかった。まだまだ学ぶべきところは多いですね。それでも、最終2レースで良い戦いを見せることができたのは、チーム全体が諦めずに頑張る姿勢を保ち続けたからだと思います」と琢磨は語った。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿