2014年12月12日金曜日

2014 INDYCARレポート 12月12日:チャンピオン争いは必ず最終戦までもつれ込むべきか……など、読者の皆さんの質問への回答

これでいいのか2015年の最終戦ダブル・ポイント

 インディーカーが2015年に向けてポイント・システムを新しくして、ダブル・ポイントのレースはインディー500と最終戦ソノマだけになりました。ダブル・ポイント=1レースに2レース分の価値が与えられます。そんな重要なコトを年が変わるごとにホイホイ変更していいんでしょうか?

 ソノマがダブル・ポイント! 最初に聞いた時には正直驚きましたよ。倍にする理由が、「最終戦だから」ってコトだけなんですから、尚更。2014年の場合、“トリプル・クラウンのレースには1ランク上のステイタスを与える”ってコトでのダブル・ポイントだった……んですよね? それが2015年、ポコノとフォンタナはダブル・ポイントじゃなくなってしまう。トリプル・クラウンてものの価値も大幅ダウンさせられちゃいますね。なんだかインディーカー、自らの歴史を貶めるって印象で、実に残念です。



 「ダブル・ポイントはオーバルの方が良い」との御意見をホームページに頂きました。確かにそういう気もします。でも、オーバルであるか否かより、500マイルの長距離レースかどうかって点がより大きなポイントでは? ミルウォーキーやアイオワが最終戦になったからってダブル・ポイント……って世間は納得しますか? ビミョーだと思います。そして、この論法はソノマにもビタッと当て嵌まっちゃいますね。アップ&ダウンのキツいロードコースでのレースはドライバーたちの体力面には確かにメチャクチャ厳しいものですが、2レース分に相当するまでの価値って、あるでしょうか。 

タイトル争いは絶対最終戦までもつれるべきなのか?
 2014年シーズン、最終戦のMAV TV500@オートクラブ・スピードウェイにはダブル・ポイントがかけられてました。ポイント・リーダーとしてフォンタナ入りしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、堂々たる戦いぶりから9位フィニッシュし、14位フィニッシュに終わったエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)を下して初めてチャンピオンになりました。かくしてヴェライゾン・インディーカー・シリーズは9年連続でチャンピオンが最終戦で決定したんです。でも、2006~2013年までの8シーズンはダブル・ポイント制なんてなくても、ちゃんとチャンピオン争いがシーズン最後のレースまでもつれ込んでました。

 アメリカでのトップの人気を誇るストックカー・レース(=NASCAR主催)は、年間36戦もあるところを活かしてシーズン終盤の10レースを使ってのシーズン内プレイ・オフ制度を採用。もう10年以上も改良を重ねて来ています。近頃では1レース毎のポイント・システムまでもガラッと変えて、プレイ・オフ自体にも2014年は大きなモディファイを加えました。その結果、絶対に最終戦でしかチャンピオンが決まらないルールは、ほぼ狙い通りのエキサイティングなファイナル・ラウンドを実現。フロリダ州ホームステッドでの最終戦はゴール・シーンまで大いに盛り上がりました。

 ストックカーがルールをバンバン変更してチャンピオン争いをよりオモシロイものにしようと努力をしている。となると、ライバルのインディーカーは、何もしないではいられません。ルール変更はアリだと思います。ポイント・システムという重要ルールも、現行のものが本当にベストかどうかを常に検討して良いでしょう。でも、ルールってスポーツの根幹ですからね。変更は十分に十分過ぎるほど慎重に、熟考を重ねてから行うべきでしょう。インディーカーの場合、“無策で無能なマネジメントは手をこまねいているだけだった”とかの評価を下されないようにってだけで、マネジメントがルールいじりに走っちゃってるって印象ですよね。

大きなルール変更は将来的に評価されるものであるべき
 「レース・シリーズの主催者はルールの安定を高く維持し続けるべき。それが出場者、マニュファクチャラー、ファンにとってもベストである。我々は2015年に向け、ルールを細部まで明確にするための変更を行った。ルールブックとは継続的に進化をして行くもの。洗練が進められれて行く必要がある」とコンペティション及びオペレーション担当社長であるデリック・ウォーカーは今回の変更についてコメントしてますが、彼らの断行する“ダブル・ポイントはインディーとソノマのみ”っていう変更は、非常に大きなものだと思うんですよ、彼の言葉とは全く逆に。そして、今回のこの大きな変更が、本当に“洗練を進めた”ものと将来的に評価されるようなものなのか……おおいに疑問を感じています。

 チャンピオン争いがシーズン最後のレースまでもつれ込む。多くのファンはそれを願っています。最終戦前にチャンピオンが決まった場合、最終戦はチケットは売れなくなるし、テレビの視聴率も下がりますから、イヴェントのプロモーターやシリーズの主催者もタイトル争いは最後のレースで決着して欲しいでしょう。つまるところ、“最終戦でチャンピオン決定!”という事実をどれだけ重視するか、なんですね。ただ、あまりに露骨に、人為的にチャンピオン争いを最後までもつれ込ませようとすると、人々の興味って逆に冷めてしまうと思うんです。
 でもなぁ……世間て最後の最後の大逆転が大好きだから。「最後の問題だけポイントが倍になります!」ってクイズ番組が結構存在するコトが示している通りに……。見る人あってのスポーツですけど、やる側(=出場者たち)にとってのフェアさみたいのも大事。いやぁ、ルール作りって本当に難しい。
 
 ソノマのレースの重要性が今年の倍になる。となれば、超タイトなスケジュールとなる2015年シーズンでもレースとレースの間隙を縫って遥々西海岸のソノマに遠征し、テストを行う必要が出て来ます。2014年まででもテストをするチームはありましたから、クルーにかかる負担が大変大きくなるものの、2回テストに出かけちゃうチームが現れる可能性も否定はできません。彼らの給料がちゃんと増やしてもらえればいいんですが……。

*シーズン終了があまりにも早すぎる件について

EPSILONさん、シーズン終了があまりにも早過ぎる件、私もホントにそう思ってます
 そして、そこには別の心配も産まれてます。このオフは新しいエアロ・キットのテストがあるから、どのチームもそれなりに忙しいので大丈夫かもしれないんですが、長いオフというものが定着した場合、忙しい時期にだけクルーを雇うなんてケースが出て来るかもしれないってコトです。そうなればクルーたちの待遇は悪化し、優秀な人々が他のシリーズに流出したり、(レース・メカニック志望の)若手がインディーカー以外で働くことを目指すことになっちゃうかもしれません。

*ウィンター・シリーズについて

  チャンピオンシップの主催者であるインディーカーには、それぞれのレースから興行料が入る。即ち儲かります。しかし、ほとんどのエントラントは新規のスポンサーを獲得する必要が出て来ます。現有スポンサーのほとんどはアメリカ国内マーケットへの宣伝効果を期待してのものばかり。海外イベントのメリットって言ったらアメリカ国内でのTV放映からぐらいしか得られません。しかし、インディーカーの現マネジメントは、「フットボール・シーズンに良い放映枠が確保できない」という理由で8月末にシーズン終了をさせてます。ウィンター・シリーズをやりたいって意向と、彼らの考える現実は完全に矛盾しちゃってるってコトです。
 メキシコでの開催は当然アリでしょう。地理的な問題からすれば。でも、ウィンター・シリーズの実現が難しいのと同じ理由で、メキシコでの開催に関しても多くのチーム・スポンサーはメリットを感じないのが実情と思います。アメリカとメキシコのボーダーというか、違法な移民に関しては、近頃また政治的に揉めてますしね。
以上

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