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Photo:Penske Entertainment |
コース: ポートランド・インターナショナル・レースウェイ
オレゴン州ポートランド
全長=1.964マイル コーナー数=12
110周=216.04マイル
アメリカ北西部唯一のインディーカー・イヴェント
オレゴン州ポートランドにあるポートランド・インターナショナル・レースウェイ(PIR)での31回目のインディーカー・レース(CARTが1984-2003、チャンプカーが2004-2007、
インディーカーが2018、2019、COVID-19での休催を挟んで、2021-現在)は、アメリカ北西部で開催される唯一のインディーカー・イヴェント。NASCARはトラックのレースを2シーズンほどPIRで行ったことがあるが、トップ・シリーズは、このエリアでのレースを行なって来ていない。NHRAドラッグ・レーシングは、オレゴンの北隣りのワシントン州シアトルでのレース・イヴェントを長年行って来ている。
PIRは、ほぼフラットな高速ロードコース。メイン・ストレートはドラッグ・ストリップとしても使われるほど長く、その先にはタイトな右直角コーナーと、鋭角に曲がる左コーナーを組み合わせた”フェスティヴァル・シケイン”がある。コース前半の連続するコーナー群は、逆バンク気味になっているところもあり、繊細なマシン・コントロールが求められ、バック・ストレッチ・エンドには超・超高速コーナーが待ち構え、メイン・ストレートへと繋がる最終ターンはラップ・タイムに大きな影響を与える長い右コーナー。
ビットナイルはこれで3年連続のタイトル・スポンサー
スケジュール=すべて現地時間(パシフィック・タイム)
・プラクティス:金曜日 午後2時30分〜4時
:土曜日 午前9時〜10時
午後5時30分〜6時
・予選:土曜日 11時30分〜午後1時
・決勝:正午スタート
2024シーズンはパワーとパロウの一騎打ち
オルタネートを予選で温存したパワーの勝利に
昨年のウィナーはウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)。
シーズン3勝目を挙げ、チャンピオン争いの2番手に浮上した。
ポール・ポジションはサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)だった=インディーカー・キャリア初。しかし、レースはパワーとアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)の一騎打ちとなった。フェルッチは長いレースでも速いペースを保ち続けるレヴェルにはなかった。
タイヤ・ストラテジーは、パワーもパロウもスタートでプライマリー装着。
31周を終えて1回目のピット・ストップを先に行ったのはパワーの方で、彼はオルタネートにスイッチ。
次のラップでパロウはピット。パワーとは敢えて異なる作戦を採用=プライマリー連投とした。
プラクティス、予選に比べて気温も路面温度も若干高いコンディション下、速いのはオルタネートの方で、パワーが優位を築き上げた。パロウは珍しくプッシュ・トゥ・パスを多用して差を縮めようと試みるが果たせず。2回目のピット・ストップに先に飛び込んだ。56周終了時点で、ここでパロウはフレッシュ・オルタネートを履いた。
パワーはその次のラップにピットし、ユーズド・オルタネートを選択。予選ファイナルでオルタネートを温存した作戦が大きな効果をもたらした。
86周を終えてパワーは3回目のピット。残してあったフレッシュ・オルタネートで残り23周の逃げ切りにかかる。パロウも次の周にピット。しかし、プライマリーしか残されていないパロウは逆転のための猛チャージをかけることができず。9秒8という大差でパワーが勝利した。3位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)。
4位はコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)。彼らのマシンはガナッシ、ペンスキーの2チームに対して劣勢にあり、表彰台を争える状況にはなかった。
ポートランドでのパロウのタイトル決定を防ぎたいオーワード
そして今年最後のロードコース戦に懸けるアンドレッティ勢も注目
しかし、先週のラグナ・セカを終えてからポートランドでプライヴェイト・テストを行なっているアンドレッティ・グローバル勢は、今週末に向けて戦闘力を上げている可能性アリ。ハータは今季未勝利なので、是非とも今年最後のロードコース戦で勝ちたいと考えていることだろう。カイル・カークウッドは自己ベストを更に更新するシーズン4勝目を目指す。そして、2年続けて不運に見舞われ続けているマーカス・エリクソンも快走・上位フィニッシュを熱望している。
Photo:Penske Entertainment
今年のロードコースでは、アロウ・マクラーレン/シヴォレー、エド・カーペンター・レーシング/シヴォレーのパフォーマンスが向上している。打倒パロウの可能性を少しだが残しているポイント2番手のパト・オーワード(マクラーレン)は、何としてでもポートランドでのタイトル決定は防ぎたい。彼のチームメイトのクリスチャン・ルンドガールドもキャリア2勝目、マクラーレンでの初勝利を狙って来る。デビュー2年目のクリスチャン・ラスムッセン(ECR)、彼のチームメイトのアレクサンダー・ロッシ、メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダのフェリックス・ローゼンクヴィストとマーカス・アームストロング、チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダの若手のキフィン・シンプソン、ルーキー・オヴ・ザ・イヤー獲得に最も近い位置にいるルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)らの戦いぶりも楽しみだ。
タイトルと同時にシーズン最多勝に突き進むパロウ、ポートランド過去4戦で2勝!
2025年シーズンももう残すところ3戦。今年は、今週末のポートランドでの第15戦でパロウがキャリア4度目、3年連続のシリーズ・タイトルに手を届かせる可能性がある。パロウはすでに今シーズンの14戦で8勝を挙げて来ているが、その中にはインディアナポリス500マイルでの初優勝=スーパースピードウェイ初優勝と、アイオワ・スピードウェイでの優勝=ショート・オーヴァル初優勝が含まれる。
パロウがポートランドで勝つと、それは今シーズンの9勝目となり、残る2戦のどちらかで更に勝てば年間10勝でAJ・フォイトとアル・アンサーと並び、年間最多勝利ドライヴァーとなる。2戦とも勝てば新記録樹立ということ。ポートランドはパロウが得意とするコースで、インディーカー・デビューからの4シーズンで2勝(2021年、2023年)を挙げている(2022年は12位、2023年は2位フィニッシュ)。
ホンダ、マニュファクチャラーズ・タイトルここで決定なるか
今週末にはホンダの2025年マニュファクチャラーズ・タイトル獲得が決定する可能性もある。2021年以来となる通算7回目の栄冠獲得決定はなるか。
ホンダは今シーズンすでに行われた14戦で12勝という圧倒的な成績を残して来ている。その12勝の中には、インディアナポリス500マイルでの勝利も含まれる。そして、ロードコースにおけるホンダ勢は今シーズンの6戦で6勝とパーフェクト・パフォーマンスを見せて来ている。ポートランドでもホンダ・パワーを駆るドライヴァーが勝つ可能性は高い。2025年のロードコースx7=ホンダの完全制覇はなるか?
まだポートランドを含めて3戦が残されているが、すでにホンダは年間12勝=近代インディーカー・シリーズにおける最多勝記録(2023年:ホンダ)に並んでいる。ポートランドからの3レースにおいて、ホンダはその記録をどこまで伸ばせるだろうか。
今週末のオレゴン州ポートランドは、雨の降る確率が低く、最高気温はレース・デイの最高が35℃に届くとの予報。緯度の高いエリアで、最低気温は金曜が14℃、日曜は19℃と低めだが、全面ドライ・コンディションでの戦いとなりそうだ。
以上
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