2015年8月23日日曜日

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500 Day1 予選:ポコノのポール・ポジションはエリオ・カストロネヴェスのものに! 佐藤琢磨は予選9位

カストロネヴェス、最終アタックで逆転ポール獲得! Photo:INDYCAR (Chris Jones)  クリックして拡大
マルチカー体制の強みでペンスキーがトップ3を独占

 エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が今季4回目のポール・ポジション(PP)獲得をポコノで達成した。今年はまだ1勝も挙げることができていないエリオだが、PPは4回目。このヴェテランはまだまだスピードを残している。

プラクティスで並走するカストロネヴェスとモントーヤ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 今日のエリオはペンスキー勢4人の中で最後のアタック順を引き当てていた。マルチ・カー・チームでは後ろで走るほど有利となる場合が多い。チームメイトの走行データやフィーリングを参考にできるからだ。今回もそのケースだった。モントーヤとは走行順が近過ぎて情報を得られなかったかもしれないが、ウィル・パワーとシモン・パジェノーからはキッチリ話を聞き、データも比較することが可能だった。エリオは2ラップ平均220.530mphを記録し、パジェノー(220.485mph)をトップの座からギリギリ弾き出した。5マイルを走って、差は0.0165秒しかなかったが……。
 エリオはもう1人のチームメイト、パワーをグリッド2番手から3番手へ後退させもした。2列目へと押し下げたということだ。エリオにとってポコノでの初PPは、チーム・ペンスキーにとっては今季10個目のPP(ポイント・スタンディングで決定したものを除く)ともなった。
 「チーム・ペンスキーの実力が発揮された。4台体制のメリットをフルに活用する。その考えが実現されていた。チームメイトたちからの情報を得て僕のマシンはとても力強いものに仕上がっていた。レースでも僕のマシンは速いだろう。とても楽しみだ」とカストロネヴェスは喜んでいた。

ターン3を攻めるニューガーデン。予選で着実にマシンを仕上げてきた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  予選4位はジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)。相変わらずチーム・オーナー兼ドライバーのチームメイト、エド・カーペンターが苦戦をする中、ニューガーデンはコンスタントに上位に食い込んでいる。カーペンターは予選21位だった。
 シボレーはトップ4を独占。このまま今シーズンは全予選でのポール獲得まで突っ走りそうな勢いだ。


ホンダ勢最上位につけたのはレイホール

 予選5位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。プラクティスでは11番手と目立たなかったが、肝心の予選で一気にポジションを上げて来て、ホンダ勢最上位となった。このあたりに今シーズンの彼らの大きな成長ぶりが表れている。予選でミスすること、マシンを仕上げ切れないこともシーズン半ばまで少なくなかった彼らだが、チャンピオン争いへと絡んで行くようになり、大事なシーズン終盤のレースを迎えた今、プラクティスの不利を跳ね返して予選で上位進出。彼らは間違いなくレベル・アップをしている。
 「プラクティスでスピードが出せず、実は少し心配をしていた。それが予選になるとマシンにはスピードが備わっていた。ベストのダウンフォース・レベルにエンジニアたちがマシンをセットしてくれたおかげだ。本当に彼らは素晴らしい仕事をしてくれている。無理はせず、慎重なセッティングでいいと僕は考えていて、エンジニアたちにもそう言ってあったんだが、とても速く、乗り易いマシンになっていた」とレイホールは語った。

 予選6、7、8番手にはアンドレッティ・オートスポートのカルロス・ムニョス、ジャスティン・ウィルソン、ライアン・ハンター-レイがつけた。マルコ・アンドレッティだけがアタック順が早く、彼はターン3で壁に軽くヒット。ダウンフォース量の設定ミスが発覚したおかげで、チームメイト3人はまずまずの結果を残すこととなった。地元ペンシルベニアでのレースだというのに、マルコにはツキがない。

 レイホールが5番手と奮闘した一方で、ポイント・リーダーのファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は、チームメイト2人の後に走ったというのに2ラップ平均217.194mphしか出せず、予選結果は19番手と惨憺たるものになった。大きなアンダーステアが出ていたのだ。「プラクティスでのマシンは好かった。予選では風の影響を強く受けたのかもしれない。チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)のアクシデントによるスケジュールの遅れが僕らには悪影響を及ぼしたということだ」とモントーヤは不満を語った。


プラクティスではトップタイムだったキンボール、予選アタック中ターン3で激しくクラッシュ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 
  キンボールはプラクティスで最速だったが、素晴らしいウォーム・アップ・ラップの後のアタック1周目にターン3でクラッシュした。
 プラクティスで2番手だったルーキーのセイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)も予選では20番手に沈んだ。
 逆にガナッシのベテラン勢は苦しい中でも底力を見せた。ポイント3位で逆転タイトルの可能性を強く持つスコット・ディクソンは11番手で、トニー・カナーンは12番手につけたのだ。

Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選9位となった。ウィング・レットを取っ払って攻めの予選を戦った琢磨は、若干ダウンフォースを削り過ぎていたのか、220mph台をマークすることができなかった。「予選は良いものになっていまいた。でも、マシンは少しコーナーで滑っていた。ダウンフォースを削って行くことで、もう少しストレートでスピードが伸びて行ってくれると思ったのですが……」と琢磨は振り返った。
以上

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