2016年9月17日土曜日

2016 INDYCARレポート 第16戦 ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ プレビュー:555 vs 512

サンフランシスコのエンバカデロで行われた最終戦プロモーションでアスター・カップを挟んで並ぶパジェノーとパワー。両者を隔てるのは43ポイント! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ペンスキー同士のタイトル争いがいよいよ決着

 いま、2016年ヴェライゾン・インディーカー・シリーズの最終戦がスタート! 出場22台がコース・イン。最初のプラクティスにグリーン・フラッグが振り下ろされた。気温は17℃。寒いっ! 陽は出てるのに……。

 ここでチャンピオン争いについて整理をしておこう。シモン・パジェノー=555点。ウィル・パワー=512点。その差は43点。今シーズンのチャンピオンになる可能性を残してソノマ入りしているのは、このチーム・ペンスキーのドライバーたち2人だけだ。
 開幕から2戦連続で2位フィニッシュしてパジェノーはポイント・リーダーになった。そして、それ以来ずっとトップの座を守り続けて来ている。このまま初のタイトル獲得となるか?

最終戦までもつれ込むのは10シーズン連続!

 インディーカー・シリーズは過去10年連続で最終戦までタイトル争いがもつれ込んでいる。今年もそうなった。昨2015年シーズン場合、47点差の2番手でソノマを迎えたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)が優勝して“ダブル・ポイント”をゲット! 100点+ボーナス3点を獲得した。これに対してポイント・リーダーとして最終戦を迎えていたファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は6位フィニッシュで、なんと2人のシリーズ・ポイントは同点に。こういう場合にものを言うのは優勝回数で、ディクソンの最終戦優勝が3勝目だったのに対し、モントーヤは2勝しか挙げていなかったため、タイトルはディクソンのものになった。今年もダブル・ポイントによる大逆転がなるのか? あるいは、パジェノーが逃げ切るのか?? 少なくとも今年のチーム・ペンスキーは、タイトルを他チームに持って行かれちゃうことはない。

パワーが最大にポイントを稼いだ場合でも
パジェノーは、4位以上に入ればチャンピオンに


 パジェノーとパワーの優勝回数はどちらも4回。今週勝ったら5勝目で、単独での年間最多勝となるのだから、そいういうドライバーがチャンピオンとなるのはシンプルかつ明快でヨロシイ。しかし、どちらも優勝しないで同点で並んじゃうって可能性も考えられる。優勝回数が同じ場合、次に比較されるのは2位の回数で、こちらは現在までのところパジェノー3回vsパワー2回。更に3位の回数も書いておくと、パジェノー0回vsパワー1回となっている。
 パワーが優勝すると100点可算で613点になる(612点+1点=リード・ラップ獲得によるボーナス1点をウィナーは自動的に獲得するので)。この他にポール・ポジションのボーナスが1点と、最多リード・ラップのボーナス2点がある。パワーが優勝するケースでは、ボーナス総取りでトータル・ポイントが616点になる可能性充分ということだ。
 対するパジェノーは、5位フィニッシュだと615点。パワーが最大を稼いだ場合、パジェノーがチャンピオンになるには4位以上でのフィニッシュが必要だ。

予選ポール・ポジションで先制攻撃したいパワー

 そこで、パワーとしては、先ずは予選でポール・ポジションを獲得したい。ソノマは彼が得意とするコースでもあることだし……。なんたって2010、2011、2012、2014、2015年と過去6年間で5回もPPを獲得する圧倒的な強さを誇っている。
 パジェノーの立場だと、ポール・ポジション獲得でパワーの出足を大きくくじくことができる。
 いずれにせよ、ボーナス・ポイントもかなり重要だ。パジェノーは5位フィニッシュにボーナスを2点以上をプラスできれば、パワーが最大の104点を獲得してもタイトルを手にできる。ただし、ボーナスを2点を獲るのはなかなか難しい。そして、5位フィニッシュも全然簡単じゃない(去年のモントーヤは6位だった!)。今年のパジェノーの安定感は高く、トップ5フィニッシュは14戦で9回も記録して来ているが……。

しかし堅いリードしているパジェノーの優位

 タイトル獲得経験のないパジェノーは、ソノマでの優勝経験もない。対するパワーは2014年にチャンピオンになっている上、ソノマでは5回のポール・ポジションから2010、2011、2013年の3回優勝もしている。追う立場のパワーにとって好条件が整っていると言えないこともないが、リードしている側が実は有利。パジェノーの今季のストリート&ロード・コースの成績は以下の通り。
セント・ピーターズバーグ=2位
ロング・ビーチ=優勝
バーバー=優勝
GPインディー=優勝
デトロイト1=13位
デトロイト2=2位
ロード・アメリカ=13位
トロント=3位
ミッド・オハイオ=優勝
ワトキンス・グレン=7位

 実力通りに戦うことができれば、パジェノーが上位入賞する可能性は十分。
 パワーがもし2位+ボーナス4点だったら、パジェノーは9位(+ボーナスなし)でチャンピオン。パワーがボーナスなしの場合は、パジェノーは11位でもチャンピオンだ。
 更に書けば、パワーが3位(+ボーナス4点)ならパジェノーは13位(+ボーナスなし)でもチャンピオンになることができる。パワーが2点のボーナス獲得で3位となっても、パジェノーは15位でチャンピオンだ。
以上

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