2016 INDYCAR ニュース 12月2日：佐藤琢磨がアンドレッティ・オートスポート入り＝正式発表

カーナンバーは26！　琢磨のアンドレッティ・オートスポート入りがようやく正式発表に　Photo:INDYCAR (Tim Holle)

琢磨のパフォーマンスで、アンドレッティ・オートスポートもさらに強固に

　12月２日、「佐藤琢磨は26号車をドライブして2017年シーズンを戦う」とアンドレッティ・オートスポートからついに正式発表がなされた。
　「佐藤の加入で４度のタイトル獲得経験を持つ我らがチームはトップ・コンペティターとしての地位を保つだろう」ともリリースにはあった。元インディーカー・チャンピオンのマイケル・アンドレッティが率いるチームは、琢磨のパフォーマンスに強く期待をしているのがわかる。

マイケル・アンドレッティ「4人体制で琢磨に成功を掴ませる」

　チーム・オーナーのマイケルは、「我々のチームへの参画は琢磨にとってポジティブなチャンスとなるだろう」ともコメントしている。そして、「彼は大きなチームで他のドライバーたちと共闘するチャンスを手にして来なかった。我々のチームは4人のドライバーを擁し、彼らとエンジニアのチームが力を合わせることで成功を収めて来ている。このシステムはドライバーたちの育成にも役立って来ている。琢磨には豊富なレース経験がある。彼に更なる成長のチャンスを与え、成功を掴ませることのできる環境を我々は提供できるだろう。それがとても楽しみだ」と語っている。F1で90戦を走った琢磨は、2004年のUSグランプリで表彰台に上った。インディーカーには2010年にデビューし、これまでに108戦を行って来て、2013年に１勝を挙げている。ポール・ポジションは５回獲得。表彰台には合計で5回上って来ている。アンドレッティ・オートスポートで走って来たドライバーたちは、2名を除くすべてが優勝を記録して来ている。琢磨にはキャリア2勝目、そして更なる勝利を重ねて行くことが期待される。

「新しい環境で働くことが今から楽しみ」と語る琢磨

　琢磨は、「マイケル、そしてアンドレッティ・オートスポートと契約できたことを大変嬉しく感じています」と語り、「ホンダはアンドレッティ・オートスポートの重要な一部分を占めており、アンドレッティ・オートスポートは私にとって非常に良いものになると思います。彼らのチームは長年に渡り、どんなタイプのサーキットにおいても高い競争力を発揮して来ています。特に、彼らが近年のインディー500において見せて来ているスピードは、信じられないほどのものがあります。また、彼らは自分たちには2017年シーズンに向けて何が必要なのかを、とても攻撃的な姿勢で示しました。そのような新しい環境で働くことが今からとても楽しみで仕方ありません」ともコメントした。チームがエンジニアリング体制にテコ入れし、戦闘力アップを目指した点をこれは指しているものと思われる。

チームのムード・メーカーとしての役割も担う

　「琢磨のオープンな性格で、非常にフレンドリーなので、一緒に働くのが楽しみだ。彼のようなパーソナリティがチームに入って来ることは、大きなプラスになるだろう。彼ならライアン、アレクサンダー、そしてマルコとうまくやって行けるはずだ」ともマイケルは語っている。チームメイト3人はどちらかというと、あまり外に発信をして行くようなタイプではないので、琢磨にはムード・メーカーとしての役割も期待がされているようだ。

　琢磨のチーム入り発表でアンドレッティ・オートスポートの4カー体制の顔触れが出揃った。タイトル経験もインディー500優勝経験も持つライアン・ハンター-レイ（28号車：DHLホンダ）、2016年インディー500ウィナーのアレクサンダー・ロッシ（98号車：ホンダ）、キャリア2勝のマルコ・アンドレッティ（27号車：hhグレッグ・ホンダ）、そして26号車の琢磨だ。

アンドレッティ・オートスポートの主な戦績
・インディーカー・チャンピオンシップ獲得４回：2004、2005、2007、2012年
・インディー500優勝３回：2005、2007、2014年
・インディー・ライツ・チャンピオンシップ獲得２回：2008、2009年