2017年7月30日日曜日

2017 佐藤琢磨コメント 第13戦 ホンダ・インディー200・アット・ミッド-オハイオ Day2 予選:「クルマが考えていた通りに反応してくれたから予選を上がって行けました。Q2のタイトな戦いの中でそこでシッカリとタイムをまとめられたのは良かったです」

Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大
「Q1,Q2ともにレイホールのタイムにはびっくりしました」

Jack Amano(以下――):予選3位はうれしい結果ですね。

佐藤琢磨:ホンダのベストだっていうのも気持ちいいね。ちょっとペンスキーにやられちゃったのは悔しいけど(Q3のベストは1分4秒6792。ウィル・パワー=チーム・ペンスキーが1分4秒1720でポール・ポジション/琢磨との差は0.5072秒。ジョセフ・ニューガーデン=チーム・ペンスキーが1分4秒3067で予選2位/琢磨との差は0.3725秒)。でも、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が言っていたとおり、もし彼がミスをしていなかったらグレアムに負けてたから。そういう意味では、もうちょっとスピードを伸ばさないと。それにしても速いね、レイホール。すごいね、Q1、Q2とも彼のタイムにはビックリした。
「Q1、レッド・タイヤでタイムを伸ばせたことが自信につながった」
――想定ラップ・タイムを予選で出せていたんですか?

佐藤琢磨:想定内ではありましたけど、Q1は予想外に良かった。と言うのは、レッド・タイヤであそこまでラップ・タイムが伸びるとは思ってなかった(1分4秒3734でシモン・パジェノー=チーム・ペンスキーに次ぐ2番手)。Q1のセカンド・グループはもっとタイムがドーンッと上がると思った。結局は0.2秒ぐらいしか速くならなかったけど。それは、結構自分の中で大きな自信に繋がったし、Q2を走る上で非常に集中力を保つことができましたね。

――朝のプラクティス3に比べて路面温度が大きく上がってましたよね?
佐藤琢磨:かなり上がりましたね。だから、そこら辺はクルマのセッティングをかなり調整して行ったけれど、やっぱり路面の温度が高くなるとスライミーというかグリーシーというか、ヌルヌルしたような感じになって、カチッとした感じではなくなる。まぁ、それはみんな同じ条件なワケだけど、その中では非常に良いアタックができたかな、と思いましたね。

「Q1からQ2に向けてはリヤのスプリングを換えました
Q2からQ3ではリヤのキャンバーを変えました」

――珍しく、 Q1は少しラッキーなグループでしたね今回は?
佐藤琢磨:そうでした。

――だからと言ってプログラムが変わったりはしないんでしょうが、Q1で何をして、Q2、Q3へと何をやりましたか? セッティング変更とかも行ったんですか?
佐藤琢磨:やりましたよ。Q1からQ2に向けてはリヤのスプリングを換えました。大きな変更ですよね、それは。Q2からQ3ではリヤのキャンバーを変えました。それはもうあらかじめ、それぞれのセッションでマシンがこうだったらこう対応しようっていうアイディアを持っていたんです。そこは想定内でした。逆に言うと、クルマが考えていた通りに反応してくれたから予選を上がって行けましたね。でも、Q1は確かにラッキーだったけど、Q2はあの非常にタイトな戦いになっていて、10分の1秒で順位が3つも4つも変わっちゃう状況だったから、そこでシッカリとタイムをまとめられたのは良かったです。

「Q3はクルマが滑り出しちゃってました
このあたりはペンスキーがいつも強いですよね」

――今回の予選は自分たちの考えた通りの展開になったというか、マシンを調整し、コンディションに対応できたということですね?
佐藤琢磨:そうですね……Q2までは。Q3はもうちょっとタイムをこう…………Q2より伸ばせはしないとはわかっていたけれど、落ち込みを少なくしたかったけど、クルマが滑り出しちゃってましたね。そこらへんはまぁペンスキーがいっつも強いよね。Q3に上がってもQ2と同じタイムを出したりするので。彼らがどんなことをやってるのかはわからないけど、ちょっとかなわなかったですね(Q2ではペンスキー勢より速かったが、
ユーズド・レッドでの戦いとなったQ3では、パワーと琢磨の間に0.5072秒の差があり、ニューガーデンとも0.3725秒差だった)

「久しぶりに良い感触が戻ってきて、走っていても楽しかった」
――ミッド・オハイオで2列目っていうのは、とても好いスタート位置ですよね。
佐藤琢磨:はい。自己ベスト・タイですよね? 2010年以来。久しぶりだよね。さっきも話してたけど、本来なら僕はロードコースを得意にしているはずなのに、ずっと全然ダメだったから。クルマのセッティングなり、タイヤなりに手こずって来た。まぁ、久しぶりに感触として良いものをが帰ってきているので、運転していても楽しかったですね。

――常設ロードコースで速い時が一番嬉しそうですよね?
佐藤琢磨:そうですか? そうなのかな? まぁ、今までの…………なんて言ったらいいのかなぁ、こんなはずじゃないっていうフラストレーションのひっくり返しみたいのですかね。ロードコースはいっつも今回みたいじゃないとおかしいのにって。特にF1から来て、2010年はロードコースで良かったのに、2011年にはもっと良くなるかと思ってたのに悪くなっちゃって、それから2012年も2013年も2014年も良くなくて。あ、2013年はそこそこ良かったけれど、でも、ロードコースはやっぱりAJ・フォイト・チームではダメでしたね。その理由が自分なのかチームなのか、クルマなのかがわからなくて、ちょっと悩んでる時期が長かったですけど、ここ最近、ロードコースで非常にパッケージとしてまとまって来ているし、僕自身も非常に楽しくというか、思い切りアタックができています。

「明日の戦いはハード。レイホールと僕は同じホンダ勢として
お互いをリスペクトした戦いになると思います」

――今年のこれまでのレースの中でも金曜日からの走り出しから一番良い感触のマシンになっている感じですか?
佐藤琢磨:今週はマシンのパフォーマンスがキッチリ上がってった感じがしています。チームとして最初から良かったでしょ? チームメイトたちがずっと上のポジションにいて、僕だけちょっと下のところにいて、だんだんだんだん追いついて、最後に逆転できた。チームのベースのセッティングが非常に力強いものになっていたので、そのパッケージをどう使うかっていう、ホントに持っているカードをどう使うかっていう戦いになっていた。今までみたいに何をどうすれば速くなるのかわからないっていう状況ではなかったので。そこは大きかったので。

――明日のスタート、どんな考えで臨みますか? グレアム・レイホールは会見で、バック・ストレッチ・エンドでイキナリ無理するようなことはないって言ってましたが?
佐藤琢磨:お互いにそう考えているんじゃないですか? このメンバーなら大丈夫。もちろん戦いはハードですよ。誰も譲りはしないけど、レイホールと僕はおそらく、同じホンダ勢ってことで、さらにお互いをリスペクトした走りになると思います。ペンスキー勢も……まぁ、ジョセフはちょっと危ないかな? ジョセフはちょっと気をつけるけど、ウィルは厳しいけど、僕と彼は1回もコースでの“モーメント”っていうのはないんですよね。バーバーで一度当たったことがあったけど、アレは彼に僕のマシンが見えてなかったからだった。ウィルを今の僕らが実力で抜けるとは思わないけど、でもまぁ、そういうチャンスがあればアタックして行きたいですね。

――では明日、表彰台、さらには優勝を目指して頑張ってください。
佐藤琢磨:ありがとうございます、頑張ります。
以上

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