2018年6月2日土曜日

2018 INDYCARレポート R7 シボレー・デュアル・イン・デトロイト デュアル1 Day1 プラクティス2:ライアン・ハンター-レイが最速タイム

ハンター-レイ、トップタイムをマーク! アンドレッティ勢もデトロイト初日を順調にスタート Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
セッション終盤、レッド・タイヤ装着でタイムが一気に向上
午前中7番手のハンター-レイがトップに浮上

 気温は26℃とほとんど変わらなかったが、陽が照ったためか、路面温度は5~6℃上がり、プラクティス1より蒸し暑さを感ずるコンディションでプラクティス2は開催された。 開始早々にルーキーのジョーダン・キング(エド・カーペンター・レーシング)が壁にハード・ヒット。まだ3ラップ目だったが、そこで彼のセッションは終了となった。
 終盤には誰もがレッド・タイヤをチェック。ラップ・タイムは一気に向上し、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が1分16秒3598でトップを取った。プラクティス1での彼は7番手だった。


 
Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
「プラクティス1マラマシンの良さを感じていた」

 「新エアロでのマシンにはまだ100パーセント満足していないが、それはみんなも同じだろう。それでもデトロイトのコースは走っていて楽しい。とてもチャレンジングだからだ。本気でアタックしないと好いタイムは出せない。アンドレッティ・オートスポートが素晴らしいマシンを用意してくれている。今年の僕らは去年までよりずっと良い状態でデトロイト入りができている。プラクティス1の走り始めからマシンのバランスの良さを感じた。フロントの動きが良く、そこからファイン・チューニングをして行った」とハンター-レイは満足気だった。

ディクソン、ブラックタイヤで2セッション連続の2番手をキープ
3番手にはヒンチクリフがジャンプアップ

 2番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分16秒3667でふたりの差は0.0069秒しかなかった。ディクソンは2セッション連続の2番手だ。しかも、彼のベストはブラック・タイヤで記録されたものだった。 

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 「今週のマシンはとてもいい。ハッピーだ。特にプラクティス2が僕らにとっては良かった。レッドでは苦戦したが、ブラックで好タイムが出せた。その後にレッドで再アタック。ターン13までは前のレッドでの時とは比べものにならない速さだった。ひとつのコーナーでミスしてコンマ4秒ほどと大きなロスをしてしまった。次のラップではターン5でミス……しかし、マシンは今、とても速いものにできている」とディクソンは話した。 

インディー500では思わぬ予選落ちとなったヒンチクリフだが、デトロイトの初日は午前から午後で着実にマシンを仕上げてきた Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  3番手は1分16秒4840をマークしたジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ=SPM)だった。プラクティス1は後ろから3番目の21番手だったが、一気にトップ3入り。チームメイトのルーキー、ロバート・ウィッケンズも9番手と揃ってトップ10入りした。ヒンチクリフの担当エンジニアは今回から新しくなっており、今週は上位で戦えない可能性も考えられたが、今年のSPMは最初のセッションが悪くても、予選もしくは決勝までにマシンを高い戦闘力を持つところまで向上させて来ることが多かった。インディ500でこそ予選落ちをしたヒンチクリフだが、デトロイトでの2セッション目で一気に息を吹き返した。

シボレー勢最上位はニューガーデンの4位
しかしこのセッションもトップ10にホンダ10台!

 

シボレーの御膝元の意地を見せたいペンスキー軍団だが、初日はニューガーデンの4位が最上位ともうひとつ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 
 4番手はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=1分16秒5864。昨年度シリーズ・チャンピオンが2セッションともにシボレー最上位だった。そして、ポジションはプラクティス1での9番手を大きく上回る4番手をプラクティス2ではゲットした。しかし、インディ500で優勢を誇った彼らが、地元デトロイトでは明らかな苦戦中。5、6番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)とグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とホンダ勢がトップ6の5人を占めた。昨年の2レース両方で勝ってダブルへダー完全制覇を果たしたレイホールは、プラクティス1が3番手、プラクティス2が6番手というパフォーマンス。アンドレッティはプラクティス1、2ともに5番手と、こちらも調子がいい。
 7番手はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)で、8番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、9番手は前述の通りウィッケンズ。10番手はアンドレッティ・オートスポートで走るルーキーのザック・ヴィーチ。彼はプラクティス1も8番手で、2セッション連続でトップ10入りという好スタートをデトロイトで切っている。ヴィーチの頑張りもあってホンダ・ユーザーがトップ10に8人! 

 
ビクトリーツアーでパワーは火曜日のCNBCのニュースショーに出演。牛乳ビン持参? Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

  プラクティス1トップのセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)は11番手。インディー500優勝疲れ(?)のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はプラクティス1とほぼ変わらない12番手(プラクティス1は13番手)だった。

佐藤琢磨、セッション1からのブレーキトラブル改善せず13番手
「マシンにも解決しなくてはならない問題がいくつか残っています」

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は13番手。ポジションが上がらなかった理由はプラクティス1でも出ていたブレーキのトラブルにあった。リヤがロックし易い症状が続いては、思い切り走ることは難しい。レッド・タイヤでの走行でも思い切ってアグレッシブに走ることができない、フラストレーションの溜まるセッションとなってしまった。


ブレーキのトラブルが解消せず、デトロイト初日、琢磨はレイホールに対して後れを取ってしまった Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大


 「ブレーキがまだ治っていなかった。これから全部分解して組み直してもらいます」と琢磨。「プラクティス1でのブレーキ・トラブルは、データ的にもブレーキにエアが噛んでいる感じだったので、プラクティス2の前にエア抜きをしたんですが、症状は改善されなかった。今回持ち込んでいるマシンはマスターシリンダーやローターをを新しくしているんです。ブレーキも問題ですが、マシン的にも幾つかまだ解決しないとならない部分があります。グレアムも本当に良い走りにはできておらず、フラストレーションを感じていると思います。明日はそれらの気になっている点を良くしたマシンで予選に臨みたいと思います」琢磨は話していた。
以上

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