Photo:Penske Entertainment
ルンドガールド、2023年トロント以来キャリア3回目のPP
今年からアロウ・マクラーレン/シヴォレーで走っているクリスチャン・ルンドガールドが、マクラーレンでの初ポール・ポジションを第15戦ポートランドで獲得した。今シーズン6回目のQ3進出を果たしたデンマーク人ドライヴァーは、プラクティス2より気温が5℃ほど高い24〜26℃、路面は12℃も高い42〜43℃というコンディションの下、6人によるPP争いで58秒3939のベスト・ラップをマークした。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ時代にPPを2回獲得し、1勝も記録しているルンドガールドだが、マクラーレンに移ってからのベスト・リザルトは、2回の2位(バーバー・モータースポーツ・パークとウェザー・テック・レースウェイ・ラグナ・セカ)で、優勝は未だない。
「マシンは昨日ほど速くはなかった」
ルンドガールドは、「昨日の僕は両タイヤでトップ・タイムをマークしていたので、予選日に向けて楽観的になることができていた。パトはプラクティス2から予選に向けてゲインがあったということだが、僕の方は逆で、今日になったらマシンは昨日ほど速くなくなっていた。しかし、今シーズンずっと一緒に働いて来ているエンジニアのおかげで、予選でのマシンは良いものになった。マクラーレンの予選1−2は嬉しい。ペナルティがあるので、フロント・ロウから並んでスタートすることはできないけれどね」と語った。
ルンドガールドは、エンジン交換ペナルティのためグリッド降格
予選2位はパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)!
午前中のプラクティス2を見た限りでは、予選でのパフォーマンスがかなり心配される状況だったメキシコ出身ドライヴァーだったが、大事なところで一気に力を出し、58秒5343をマークした。チームメイトのルンドガールドには0.1404秒という差をつけられ、ボーナス・ポイント1点を加算することはならず。ポイント・リーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は予選6位=5番手スタートとなる。
マクラーレンは第2戦ザ・サーマル・クラブ以来となる2回目の予選1−2を達成したわけだが、ルンドガールドは昨日のプラクティス終了後に規定外のエンジン交換を行なっているために6グリッド降格のペナルティを受ける。彼のスタート位置は7番手まで下げられる。パパイア・オレンジのマシンがフロント・ロウから並んでスタートする勇姿は残念ながら実現しない。
予選2位のオーワード「このコースでのマシンは温度に敏感に反応する」
明日のレースでフロント・ロウ内側グリッドからスタートするのは、現在ポイント2番手のオーワード。何としてでも優勝したい彼とすれば、PPスタートは願ってもないボーナスだが、ポートランドのスタート直後のターン1は、シリーズ・トップのリスクの大きさとも言われる。隣りからスタートするのはフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)よりも、チームメイトだった方が安心だったかもしれない。
「自分たちのチームをとても誇りに感ずる。去年の自分たちとは、まったく異なるパフォーマンスを発揮できた。エンジニアたちをはじめ、大きな力が今週末のレースには注がれて来た。自分の予選に関しては少々驚いている。プラクティス2まででは、マシンを仕上げ切れていなかった。それが、セッティングを少し変更しただけだというのに、予選でのマシンはとても良いものになっていた。Q1を走り出した途端、僕は嬉しくなった。PPを狙えるとわかったので。パロウがコース・オフしたラップが自分にタイヤがベストの温度になっていた時で、結果的にPPは逃した。しかし、クリスチャンがPPを獲得してマクラーレンの1-2となったので、明日のレースを楽しみにしたい」とオーワードは笑顔で語り、「このコースでのマシンは温度の変化に敏感に反応する。今日の予選でのコンディションが自分たちのセッティングに合っていた、ということだと思う」と付け加えた。明日は今日より更に暑くなる予報。マシンのセッティングを、どの陣営が、どこまでコンディションにフィットさせることとなるのか。
結果的にフロント・ロウを得たローゼンクヴィスト
「タイヤの状況を把握するのが難しかった」
ローゼンクヴィストもオーワード同様に、朝のプラクティス2ではスピードが出せていなかったが、予選では息を吹き返したかのようにファイナルで58秒5583を叩き出した。
「少々奇妙な予選だった。タイヤの状況を把握するのが難しかった。性能を発揮してくれる時と、そうでない時があったように感じた。Q2でとても良いラップを完成させられたので、Q3でもその再現を狙ったが果たせなかった。誰かが僕の前でコース・オフして、路面を荒らしてしまっていたようだ。それでも、ペナルティを受ける人がいてスタートはフロント・ロウ。結果的には、今日は良い1日となっていた」とローゼンクヴィストはコメントしていた。
予選4位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)=58秒6424。昨年度ウィナーは2列目インサイド・グリッドから明日の決勝に臨む。隣りは技術提携するAJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレーからエントリーするデイヴィッド・マルーカス=58秒6557。
パロウ、PPを狙ったQ3でコース・オフ!予選6番手に終わる
ポイント・リーダーのパロウは、Q1グループ1をトップでクリアし、Q2は4番手。Q3にもライヴァル勢と同じくフレッシュ・レッドを投入してPPを獲りに行ったが、最終コーナーでコース・オフしてタイヤ・バリアにノーズからヒット。大きなダメージはなかったが、Q3での順位は最下位。それでもルンドガールドのグリッド降格により、5番手グリッドから明日のレースはスタートを切る。
「ブレーキを少しだがロックさせた。コース・オフしたマシンは減速をせずに、反対に加速して行ったように感じた。小さなミスだったが、アクシデントになってしまった。みんなのラップ・タイムが拮抗しており、誰が一番うまくまとめ上げるか……という勝負になっていた。Q2でみんなが自分より速いペースで走っていたので、Q3での自分は持てる力のすべてを出し切ろうとプッシュした」とパロウはアクシデントについて話した。ポール・ポジションを獲得すれば、タイトルへと大きく近づくことができる。三段階の予選にレッド・タイヤを3セット投下し、彼はいつもと同じようにPPを狙いに行き、アクシデントにはなったが、幸いにもマシンにもドライヴァーにもダメージはほとんどなかった。
アレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)は、Q2で7位となり、惜しくもファイナル進出ならず。マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)は8位とまずまずの結果を手に入れ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は、プラクティス2で3番手だったことを考えると、不満の残る10位。CGRの若手、キフィン・シンプソンの予選12位は健闘と評価できるだろう。
アンドレッティ勢はハータ不発!エリクソンの11位が最上位
プラクティス2で最速だったコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダはまさかのQ1敗退。58秒5312を出したが、6番手に入るには0.1235秒足りず。予選結果は16位となった。マーカス・エリクソンの11位がアンドレッティ勢のトップで、カイル・カークウッドはハータより後方の20位だった。
ペンスキー勢は、ジョセフ・ニューガーデンが9位でスコット・マクロクリンが13位という結果に終わった。
昨年度PPウィナーのサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)は15位。
今回は決勝日の朝ではなく、今日の夕方4時半過ぎから25分間のファイナル・プラクティスが行われる。
以上
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