2021年1月30日土曜日

2021 INDYCARニュース1月29日:アンドレッティ・オートスポートは4台をフル参戦ほか

 

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 アンドレッティ・オートスポートの4台目は 

ジェイムズ・ヒンチクリフ=フル参戦

 アンドレッティ・オートスポートの2021年シーズンの参戦体制がようやく固まった。ライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシ、コルトン・ハータのトリオに加え、ジェイムズ・ヒンチクリフのフル・エントリーも決まったのだ。マルコ・アンドレッティは既報の通りインディー500のみの出場で、場合によっては他のレースにも出場するという。

昨年無勝利のハンター‐レイ、ロッシに対する影響は?

 キャリア18勝のハンター-レイはこの2年連続で優勝がなく、2020年のランキングは10位だった。最後の勝利は2018年最終戦だったソノマ。インディー500では予選5位で決勝も序盤にトップ・グループを走ったが、結果は10位。2012年以来のタイトル獲得は難しくなっている感アリのRHRだが、インディー500での走りはずっと安定しており、2014年以来となる2勝目を狙える実力は今も保たれている。

 ロッシも昨年は勝利がなく、ランキングは9位だった。最後の勝利は2019年6月のロード・アメリカ。インディー500では2年連続で優勝を争ったが、ピットでのペナルティで後退した後にクラッシュした。デビュー・イヤーに奇跡的な燃費作戦で優勝した時は、インディー500の価値も把握していなかったロッシだが、この2年はインディー500制覇に対する意欲も膨らみ、堂々たる優勝争いを見せて来ている。今年も2勝目の大きなチャンス。初タイトルも”実現可能な”目標として掲げられる。ただ、2シーズン前の優勝時に見せていた圧倒的な速さが近頃は影を潜めており、その点はやや気に掛かる。

ベテランふたりを脅かすハータの伸長

 ロッシを上回る輝きを多くのレースで見せて来ているのが、ハータだ。2020年、彼はチーム内で最も若いドライヴァーながら、ランキングではトップとなる3位につけた。優勝はミッド・オハイオでの1回のみだったが、安定感は増しており、今シーズンは初タイトルをターゲットとして戦うことになる。2020年のインディー500では予選10位/決勝8位。悪い成績ではないが、優勝を狙える戦いにはなっていなかった。参戦3年目はシリーズ最大のレースでもレヴェル・アップを果たして来るだろう。ハータは開幕を21歳で迎える。
 ヒンチクリフは2019年以来のフル・シーズン・エントリーになる。昨年彼のスポット参戦をサポートした企業=ジェネシスが今年はフル・シーズン出場をバック・アップする。2018年7月のアイオワ以来となるキャリア7勝目がまずは目標となる。

デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァンが

エド・ジョーンズを起用

 カー・ナンバー18に乗るのはエド・ジョーンズに決まった。ドゥバイ生まれのイギリス人ドライヴァーで、2016年にインディー・ライツで圧倒的パフォーマンスとともにタイトルを獲得(チームはカーリン)。翌2017年にインディーカーにデイル・コイン・レーシングからステップ・アップするや、インディー500でいきなり3位フィニッシュし、ルーキー・オヴ・ザ・イヤーも獲得した。

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 2018年にはチップ・ガナッシ・レーシングに起用されることとなったジョーンズだったが、2回の表彰台はあったものの優勝はなく、シートをフェリックス・ローセンクビストに譲ることになり、2019年はエド・カーペンター・レーシングでエド・カーペンターのマシンをロード&ストリート・レースで走らせるのみとなった。3シーズン目にも初優勝に手を届かせることはできなかったジョーンズはインディーカー・シリーズを離れることとなった。
 なかなかドライヴァーが決まらないでいたデイル・コイン・レーシングとデイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァンだったが、DCVSがジョーンズを走らせることをまずは決めた。もう1台は元F1ドライヴァーのロマイン・グロジャンと、もう1人、若手を起用してフル・シーズン・エントリーを行うよう調整が続けられているようだ。

チップ・ガナッシ・レーシングが

GMCワークスとしてオフロード・レースに挑戦

これがチップ・ガナッシのエクストリームEのマシン Photo:Chip Ganassi クリックして拡大 

  チップ・ガナッシ・レーシングがオフロード・レースの世界に挑戦することになった。GMCと複数年契約を交わし、世界を舞台にした新シリーズにエントリーするという。その新シリーズとは、エクストリームEと命名された電気自動車によるオフロード・ワールド・チャンピオンシップ。このシリーズにGMCは自動車メーカーとして初めて参戦を明らかにしたのだが、彼らが走らせるのは、他のエントラントたちと同様のフランス製ワンメイク・マシンだ。最高出力550hpの電気モーターを搭載し、車重は1650kgで、0-100kmは4.5秒というパフォーマンスを秘めている。もちろんタイヤもワンメイクで、サプライヤーはコンチネンタルだ。

F1チャンピオンたちのオーナーチームがエクストリームEに続々参戦

 エクストリームEはレースの開催地がサウジ・アラビア(4月)、セネガル(5月)、グリーンランド(8月)、ブラジル(10月)、そしてアルゼンチン(12月)でのイヴェントとかなりワールドワイドだ。
 そして、出場チームもエクストリームEは話題性が豊富だ。シリーズ・プロモーターがどれだけのアシストをした結果なのかは不明だが、F1チャンピオンたちがオーナーのチームが複数参戦することが決まっている。それらはルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトン、ニコ・ロズベルグがオーナーのチームで、バトンはドライヴァーも務める。WRCチャンピオンのカルロス・サインツ率いるチームも出場する。そしてアメリカからは、ガナッシと、ガナッシのインディーカーでのライヴァル=アンドレッティ・オートスポートも、ザック・ブラウンらがオーナーのユナイテッド・オートスポーツとのジョイント・チーム=アンドレッティ・ユナイテッド・エクストリームEとして参戦する。

気になるチップガナッシとGMとのつながりの深化

 チップ・ガナッシ・レーシングは昨シーズン終了後、突然IMSAウェザーテック・スポーツ・カー・シリーズにキャディラックDPiで参戦することをアナウンスした。そして今度はGMCと契約してのエクストリームE参戦。インディーカーではホンダのナンバー・ワン・チームとして戦い続けている彼らだが、2012年にシヴォレーがインディーカー・レースに復活した際、最初の2シーズンをホンダ・エンジンで戦った後、シヴォレー陣営に移った経歴がある。NASCAR、IMSA、そしてエクストリームEとGMとの活動が3カテゴリーになる彼らが、「インディーカーもシヴォレーに……」とならないだろうか?

 そのGMは今日(1月29日)、2035年までに販売する乗用車、トラックすべてを”脱ガソリン=全車電動化”することを発表した。
以上

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