2021年8月22日日曜日

2021 INDYCARレポート R13 ボマリート・オートモーティブ・グループ500 Day1 予選:ウィル・パワーが今シーズン初ポールポジション=通算63回目

通算63回目のポールポジション! すごい記録だ! Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大

パワー、プラクティス16番手から一気にPP奪取

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がシーズン13戦目にして初ポール・ポジションを獲得した。これで通算63回目。マリオ・アンドレッティによるインディーカー歴代最多PP=67回にまた一歩近づいた。
 先週のインディアナポリス・ロードコースでの予選順位が2位だったパワーは、今日のワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(ゲイトウェイ)プラクティスでは24台出場中で16番手のタイムしか出せていなかったが、チームメイト二人がジョセフ・ニューガーデン、スコット・マクロクリンの順で1、2番手だった。彼らが収集したデータも活用してのPP獲得だろう。今シーズン未勝利のパワーとしては、プラクティスではよりレースにフォーカスしていたということだろう。彼は1時間半のセッションで、出場24人のドライヴァーの中で最多の82周を走り込んでいた。


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ハータ、0.0248秒差でPPを逃す!
ニューガーデン、パジェノーも僅差で続く

 2周の連続走行で争われた予選、パワーは1周目が24秒9781、2周目が24秒858で合計49秒8289だった。予選2位となったはコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート w/カーブ・アガジェニアン)はトータル49秒8537で、差は僅かに0.0248秒! これでシヴォレーは2戦連続のPP獲得となった。
 予選3位はプラクティスで最速だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)で、彼の49秒8589もパワーとは0.0300秒しか差がなかった。予選4位のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)も49秒8981をマーク。パワーからのトップ4が0.0692秒というごく小さな差の中に収まっていた。


オーワード、予選5位! パロウは予選12位+6グリッド降格

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  予選5位はパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)。ポイント・スタンディングで2番手に浮上し、追い上げモードにある彼が、今晩のレース後にランキング・トップに躍り出るかもしれない。ポイント・リーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は予選12位で、しかも6グリッド降格のペナルティ(規定数以上のエンジン交換)で18番手と後方からのスタートとなるからだ。なお、ペンスキー勢3人間とオーワードで、ゲイトウェイの予選ではシヴォレー軍団がトップ5グリッドのうちの4つを占めることにもなった。

 予選6〜10位は以下の通り。
 6位:インディー500後に2勝。最もポイントを稼いで来ているマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=50秒0449。
 7位:キャリア7勝だが、2019年のロード・アメリカから勝てていないアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)=25秒0374。
 8位:トップと34点差でランキング3番手につけ、史上最多タイとなる7度目のタイトル獲得に虎視眈々のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=50秒1427。
 9位:キャリア6勝だが、ロッシより長く勝ち星から遠ざかっている(2017年のデトロイト以来)グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=50秒2792。
 10位:今シーズンに向けてチームを移ったが、まだフルに力を出せていないフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)=50秒2996


初オーヴァルのグロジャンは予選15位
佐藤琢磨は予選17位に

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 プラクティスで速かったマクロクリンは、
アタック1ラップ目が今ひとつだった上に、2ラップ目で大きくタイムを落としたために予選11位。初オーヴァルのロマン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は、PPとは0.6745秒と結構な差になってしまったが(ただし、2ラップで)、チームメイトのエド・ジョーンズとは0.0454秒とほぼ差のなかったパフォーマンスで15番手。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選17位=50秒5972。チップ・ガナッシ・レーシングのカー・ナンバー48のオーヴァル要員であるトニー・カナーンは50秒962で予選18位。


スピードが足りていませんでしたと語る佐藤琢磨
「路面悪化の読みがうまく合いませんでした」


 琢磨はアタック1ラップ目が25秒2740。2ラップ目は25秒3232だった。昨年のダブルヘダー用予選では1レース目用のラップ1が5番手、2レース目用のラップ2が最速でポール・ポジションを獲得していただけに、今週末も予選で上位に来ることが期待されていた。琢磨自身、金曜日の時点で「フロント・ロウか2列目からスタートできるようにしたい」と語っていた。しかし、プラクティスでラップ・タイムがなかなか縮められなかった。
 予選を終えた琢磨は、「プラクティスでのクルマが良くなかったので、予選に向けてはセッティングを変えて行きました。しかし、そのセッティングを自分たちは試していなかったので、着地点がどこだかわからない状況でした。予選で上位にグリッドを確保することも勿論狙っていたのだですが、完全に確認の取れているセッティングではなかったので、幾つかセッティングをプラクティス時のものに戻して、この辺りであれば良いはず……という状況で行きました。しかし、結果は全然スピードが足りていませんでした」と予選までを振り返り、「今回の我々は、昨年と同じセッティングのマシンを持ち込みましたが、ラップ・タイムが遅くなっていました。路面の悪化が原因だと思います。2017年に初めて来た時には、舗装が新しくされたばかりで路面が黒かったんですよね。あれから毎年路面の状態は悪くなってきていました。去年に比べて今年はさらに悪くなっていました。その辺りが自分たちの読みと、ちょっとうまく合わなかった感じですね。チームメイトのグレアム・レイホールが昨日、HPDのシミュレーターに入って、色々試して、そこで見つけて良かったものを採用しています。去年の彼らは非常にパフォーマンスが悪かったために新しいことをやって、自分たちは良かったので去年のままからスタート。それで明暗が分かれた形になりました」と続けた。
 予想よりマシンのパフォーマンスが悪く、プラクティスでセッティング変更をトライ。しかし、それらがうまく効果を発揮しないままセッション終了。琢磨は、「正直言って、このマシンがレースでどんなパフォーマンスを発揮してくれるのかがわかりません」とも語っていた。


路面温度が予選より下がる決勝の行方は??

 スタート前に陽はグランド・スタンド方面に沈む。大幅に……とまでは行かないが、気温も路面温度もプラクティス、予選よりも低くなる。予選で速かったドライヴァー&マシンのコンビネーションが決勝でも自動的に速い……とは限らない。レース終盤、最も温度の低くなったコンディション、タイヤ・ラバーがコースに乗ったコンディションで速いのは誰か?
 レースのスタートはアメリカの中部時間の午後7時。周回数は260ラップだ。


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