2022年7月23日土曜日

2022 INDYCARレポート R11 ハイヴィーディールズ・ドットコム250 :Day1 プラクティス1:アイオワのプラクティス1はウィル・パワーが最速

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  「テストに続き今日もハッピーな一日になった」とパワー

「今週こそ良い予選というものを実現したい」

 今週末はダブルヘダー。しかし、プラクティスは金曜日にスケジュールされる90分間だけだ。快晴でやや強めの風が吹き、気温は摂氏32度、湿度42パーセント、路面温度は50℃というコンディションでの走行となった。
 このセッションで最速ラップとなる18秒5729=平均時速73.285マイルをマークしたのは、アイオワで3回ポール・ポジションを獲得しているが未だ勝利はないウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。先月行われたテストには19台が集まり、チーム・ペンスキーのトリオがトップ3を占めた。そのアドヴァンテイジが保たれていた。
 「テストもハッピーだったが、今日もとても好い1日になった。今日のプラクティスでは幾つかセッティングを試したが、コンペティティヴに走れるマシンに仕上がっていると思う。もちろん強力なライヴァルたちがたくさんいるのはわかっている。誰がどのような走りを見せ、どんな順位になるのかを予測することは不可能だ。自分としては今週こそ良い予選というものを実現したい。最低でも上の方にグリッドを確保したい。マシンは良いはずなので……」とパワーは話した。

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デイリー、2番手タイムをマーク!
3番手にマクロクリンがつけシヴォレー勢がトップ3独占


 2番手はコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)の173.239mph。彼のチームは先月のテストに参加していなかったが、7月に入ってからのプイライヴェイト・テストで良好なセッティングを見つけたということのようだ。
 3番手はテストでトップだったスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)の173.083mph。アイオワでの走行初日はシヴォレー軍団の1−2−3となった。トップと2番手の差は0.0049秒(!)。2番手と3番手の差も0.0168秒と非常に小さかった。トップ3は0.0217秒の中に収まっていたのだ。

マクロクリンは今回、コンボイでおなじみのトラックメーカー、フレートライナーのカラースキームで登場 Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

 4番手はアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)=172.764mphで、5番手はパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)の172.687mph。ここまでがトップからコンマ1秒以内という接戦だ。

 6番手にはポイント・リーダーのマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が171.819mphでつけ、7番手は昨年のポール・ポジション・ウィナーでアイオワでは昨年のレース2を含む3回の優勝を記録しているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の171.557mph。アメリカ流にスピードで比較すると差は大きいと感じてるが、ラップ・タイムの差は小さい。エリクソンとニューガーデンのトップとの差はそれぞれ0.1584秒と0.1870秒だった。

 8番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=170.971mphで、9番手がジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=170.795mph。そして、10番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=170.759mphだった。トップとの差はレイホールが0.2513秒、ジョンソンが0.2702秒、ディクソンが0.2747秒だった。

ジョンソン、ディクソンを上回る9番手タイム!
ペンスキー、チップ・ガナッシはチーム全車がトップ10に

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 チーム・ペンスキーは3人全員、チップ・ガナッシ・レーシングは4人全員がトップ10入りを果たした。そして、エド・カーペンター・レーシング、アロウ・マクラーレンSP、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングがそれぞれひとりずつをトップ10入りさせた。
 インディーカーは2シーズン目だがオーヴァルで走り出したのは今年から……のジョンソンがトップ10入りしただけでなく、ディクソンより上のポジションだったのは驚きだった。テキサスでの6位フィニッシュの再現はなるだろうか?


次第にチーム力を上げつつあるレイホール
一方、かつてこの地を席巻したアンドレッティ勢はトップ10に入れず


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  レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは中盤戦を迎えてからジワジワとレヴェル・アップをしている印象だ。6月のテストではアイオワを初めて走ったデンマーク出身ルーキー、クリスチャン・ルンドガールドが5番手につける好ラップをマークしていたが、今日はチームのリーダーであるグレアムがチーム内トップ。イヴェント・スポンサーであるハイヴィーのフル・カラーリングで走るジャック・ハーヴィーは13番手、ルンドガールドは16番手で走行初日を終えた。
 アンドレッティ・オートスポート勢が技術提携チームを含め誰もトップ10入りできなかったのも意外だった。アイオワ5連勝の印象が強いが、そんなのはもう随分と昔の話ということだ。2011〜2014年にアンドレッティのマシンで勝った面々はもう現役ではなくなっている。世代交代しているアンドレッティ勢はエド・カーペンター・レーシングと同じ日にテストを行っており、6月にはメイヤー・シャンク・レーシングが走っているのでデータ収集量は豊富なはずだが、今日チーム内のトップ・タイムをマークしたのはコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)で彼の170.222mphは26台出場中の14番手だった。トップのパワーとの間には0.3342秒もの差があった。ハータに続いたのは2020年のレース1で勝っているシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)の170.015mph=17番手。アイオワで3回のポール・ポジション獲得実績を誇るエリオ・カストロネヴェスが19番手で続いた。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)はそのひとつ後ろの20番手(!)で、アイオワは今回が初めてのロマイン・グロジャンは23番手と苦戦中。ルーキーのデヴリン・デフランチェスコは24番手だった。

佐藤琢磨はこのセッション15番手
「最後のタイヤ・セット投入はタイミングが遅すぎました」


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  テストでペンスキー勢に続く4番手につけていた佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は、今日のプラクティスでは15番手だった。琢磨は2011年にキャリア初PPをここアイオワで記録。ハイバンクのショート・オーヴァルを得意にしているが、今日は170.144mphが自己ベストで、トップとのラップ・タイム差は0.3426秒もあった。チームメイトのルーキー、デイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)は169.912mph=18.946秒で琢磨の三つ後ろの18番手だった。

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 「テストが良かったので、今日はトップ5ぐらいで終わるつもりでいましたが、まさかのP15でした。タイヤが新しいうちでないと好いタイムは出ないのですが、今日はトラフィックにひっかかることが多かったですね。それはもちろん誰もが同じ条件なのですが。速く走れるセッティングにトライをして行くとリヤ・タイヤへの負担がかかり過ぎ、持ちが悪くなってしまう状況でした。最後のタイヤ・セットは投入のタイミングが少し遅過ぎました。みんながピット・ストップ練習をしていて、コースが混雑しており、自分たちは周回を重ねただけで終わってしまった感じで、実にもったいなかったですね。今日はターン3〜4のフィーリングがテストの時より安定感を欠いていました。それがどういう理由によるものだったのか、データを見たいと思います」と琢磨は語っていた。

以上

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