2023年4月2日日曜日

NDYCARレポート R2 PPG375 Day1 予選:テキサスのポール・ポジションは2年連続でフェリックス・ローゼンクイスト

昨年に続いてローゼンクヴィストがポールポジション獲得 Photo:Penske Entertainment (Chris Jones)クリックして拡大

 プラクティス1終了後からわずか2時間余りで予選開始
路面温度が予選中も急激に上昇するコンディション


 プラクティス1終了から2時間15分後という慌ただしいスケジュールで予選が開催された。
 天候は快晴。気温はプラクティス終了時点より3℃高い18℃、路面温度は11℃アップの27℃でスタート。ファイナル・アタッカーが走った時は気温は18℃のままだったが、路面は32℃まで上がっていた。やや強めの風がターン3からターン1方向に吹き付けていたが、予選中にそれは弱まることもあった。

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10番目のアタッカー、ローゼンクイストが220mph/hをマーク
結局このタイムを破るものは現れず、2年連続のPP!

 予選のアタックは、開幕戦セイント・ピーターズバーグの決勝順位の逆。最初のアタッカーは開幕戦に出場していなかったエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)で、計測2ラップの平均時速=218.375mphを記録した。彼の最終的な予選結果は18位となった。
 2番目にアタックしたルーキーのベンジャミン・ピーダーセン(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)が219mph台をマーク。220mph台は10番目に走ったフェリックス・ローゼンクイスト(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が記録した。昨年のポール・ウィナーはウォーム・アップ・ラップが24秒0834=215.252mphと速く、計測1ラップ目が23秒5123=220.480mph、2ラップ目は23秒5585=220.048mph。2周とも220mphオーヴァーだったのは彼一人で、そのラップ平均は220.264mphとなった。
 ローゼンクイストのタイムは最後まで破られず。スウェーデン出身ドライヴァーの2年連続テキサスPPが決定した。彼とアロウ・マクラーレン、そしてシヴォレーにとっての今季初PPだ。

25番目アタッカーのロッシが2番手タイムをマークするも
直後にディクソンがこのタイムを更新!

午前のプラクティスで並走するロッシとディクソンは予選でも2番手を争うことに Photo:Penske Entertainment (Chris Jones)クリックして拡大

 25番目にアタックしたアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が2ラップ平均219.960mphを出し、マクラーレン、そしてシヴォレーのフロント・ロウ独占がなるかと思われたが、ロッシのすぐ後に走ったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が2ラップ平均=219.972mphをマークして予選2位の座を奪い、マクラーレン及びシヴォレーの1−2=フロント・ロウ独占を阻止した。
 それでも、ディクソンの後ろの予選3、4、5位はロッシ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)、パト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が続き、トップ5のうちの4台がシヴォレー勢だった。

予選6位で存在感を見せつけた佐藤琢磨
チーム内でもディクソンに次ぐ2番手に


 佐藤琢磨(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は予選6位と、今シーズン最初の予選で上々のパフォーマンスを見せた。ホンダ勢で2番手、4カー・チームの中での2番手につけた。他のチームメイト二人、アレックス・パロウとマーカス・エリクソンは7位と16位だった。

今季初の予選で6位と存在感を見せつけた佐藤琢磨 Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

 昨年度チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は予選8位。朝のプラクティス1で最速だったスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)はウォーム・アップが218mph台という速さだったが、計測2ラップでスピード・アップができず、どちらも218mph台止まり。予選順位は15位となった。

トップ10はシヴォレー、ホンダが5台ずつと拮抗
チームとしてはガナッシがトップ10に3台と好調


 シヴォレー勢が上位に並んだが、トップ10で見れば結果はイーヴン。シヴォレーもホンダも5台ずつだった。
 ホンダ勢はチップ・ガナッシ・レーシングがトップ10に3台を食い込ませてナンバー・ワンであることを誇示。ストリート・コースでの開幕戦では予選1、2位と速さを見せていたアンドレッティ軍団は、高速オーヴァルではこれまでのところ同じ好パフォーマンスを見せることができていない。走らせている4台のうちでトップ10に入れたのはコルトン・ハータの1台だけ(それもギリギリでトップ10の10位)。ロマイン・グロジャンは11位。デフランチェスコは12位で、カイル・カークウッドは20位だった。それに対して、デイヴィッド・マルーカスは、テクニカル・ディレクターをチップ・ガナッシ・レーシングに引き抜かれたデイル・コイン・レーシング・ウィズHMDからのエントリーでありながら、予選9位という好成績を残した。


レイホール勢、プラクティス1からの苦境を脱せず

オーヴァルスペシャリストのエド・カーペンターも今回のテキサスが今シーズン初レース。第1アタッカーという不利もありながら予選18位に Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

  予選で悪戦苦闘していたのは3チーム。メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダはエリオ・カストロネヴェスが21位でシモン・パジェノーが22位。グリッド11列目から揃ってスタートを切ることとなった。エンジニアの提供を受けているアンドレッティ・オートスポートは10、11、12、20位と明らかに彼らよりも成績が良かった。エド・カーペンター・レーシング/シヴォレーはチーム・オーナー兼ドライヴァーのカーペンターが今季初レースだというのに上記の通り18位と奮闘。しかし、コナー・デイリーは25位で、リナス・ヴィーケイは26位と惨憺たる結果に終わった。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダは更に厳しい成績となった。プラクティス1と同じく大苦戦が続いており、グレアム・レイホールが24位に入って最下位3グリッド独占という最悪の事態は回避したものの、クリスチャン・ルンドガールドとジャック・ハーヴィーは予選27、28位でグリッド最後列に並ぶこととなった。

ルーキー最上位はAJ・フォイトのピーダーゼン
ツーリングカー出身、フンコスのカナピーノも善戦


 ルーキー最速はピーダーセンの13位。先輩チームメイトのサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)も予選14位と今年の彼らはテキサスでなかなかの速さを見せている。

 ピーダーセンの奮闘で影が薄くなってしまったが、ツーリング・カー・チャンピオンのアグスティン・カナピーノ(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)が予選で19位に食い込む大健闘を見せた。予選17位だったチームメイトのカルーム・アイロットとの差は2周で0.0130秒しかなかったのだ。

「去年とあまりにも似た状況となった」と語るローゼンクイスト
「しかし今年の速さには、去年とは大きく異なる自信を感じている」

 今季初、キャリア4回目、テキサスでの2年連続2回目のポールポジション獲得を決めたローゼンクイストは以下のように語った。

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  「自分のタイムがトップに居残り続けることができるか、多くのライヴァルたちが走るのを見つめるのは去年と同じだった。去年とあまりにも似た状況だったことをおもしろいと感じていた。今回もマシンが凄く良かった。マクラーレン、NTTデータ、シヴォレー、そしてすべてのパートナーたちに感謝する。去年速かった、そのマシンをベースとしてスピードを更に高めることができていると思う。アタック順が早かったことも良かったのかもしれない。路面温度は上がって行っていたからね。我々はこのコースでいつも速いが、今年の速さには、去年までとは大きく異なる自信を感ずることができている。この調子で明日は勝利を手に入れたい。我々はチームの3人全員が速い(全員がトップ5入り)。それは細かな部分にまでチームが良い仕事をしているからこそだ。今回はスロットル全開で、できる限り短い距離を走るよう努め、それが成功した。PP獲得は嬉しい。良いことだと思う。もっとも、燃費のことを考えるたら、本当にトップを走りたいかは疑問。レースでは少しポジションを下げて戦うことになるかもしれない。どんな戦い方をするかは明日、マシンのフィーリングや、レース用トリムをどうするかで状況は変わるので、それによって決める。PPが獲得できて良かった。話題の中心になれて気分がいい」。
以上

 

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