2011年4月17日日曜日

2011 INDYCAR インサイド情報:ロングビーチで琢磨のセレクトした14番ピットは穴場ポジション!? 選手のピット選択権の話

今回琢磨は、ほぼ真ん中の14番ピットを選んだ。真後ろがタイミング&スコアリングで、アレックス・タグリアーニとのピットとは大きく離れているため、ピットインをスムーズに行えるアドバンテージあり。前はアナ・ベアトリスだ。
Photo: Masahiko Amano(Amano e Associati)

 各レースでチームが使うピットをどのようにして決めるのか。そのルールが実は今年から新しくされている。
 去年はシリーズ・ランキングの順番通りに1番ピットから順番に有無を言わさず割り当てていた。それが今年は、前のレース(ロードレースならロードレース、オーバルならオーバルの)予選上位から順番に自分の使いたいピットを選べる方式になった。開幕戦は「前のレース」がないので、前年度ランキングに従ったが……。

 このルール、実はチャンプカーが採用していた方式である。インディカーは08年にチャンプカーを併合したので、彼らのルールもすべて自分たちのものって感じなんだろう。近頃この手の話が多いのは、インディカーに雇われている元CARTメンバーの意見が通るようになってきているということなのだろう。
 ランキング通りで決める去年までの方式が備えていたメリットとは? 誰が見てもランキングがわかり易いということ……ぐらいか。ハッキリいって、そんなの全然メリットじゃないと思う。では、デメリットはあったのか? ありました。ランキング順であることによって、ランキング上位なのに使いづらいピットを押し付けられる可能性があったのだ。ランキング・トップは先頭の1番ピット使用でピットアウト時に誰にも邪魔をされないアドバンテージを確実に得るというのに、ランキング2番手以下は不必要な不利を被るケースがある。これでは理不尽だ。

 予選でのパフォーマンスによって次戦の使用ピットが決まる。とても良いアイディアだと思う。正しい方向へのルール変更は歓迎だ。若干、近頃ルール変更が結構多い気がするが……。
 ロングビーチでの使用ピットを見ると、先頭は第2戦でポールポジションを獲得したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が使用。予選2位だったライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)がそのすぐ後ろの2番ピットを選んでいる。

 チップ・ガナッシ・レーシングは、ふたりのピットを並べることができていない。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は予選3位だったので、ペンスキーの2台のすぐ後ろの3番ピットを選択したが、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)は予選7位だったので、ディクソンのすぐ後ろに陣取ることができなかった。そのピットボックスは予選5位だったジャスティン・ウィルソン(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)が選んだ。
 予選4位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は、おもしろいことに最後尾の27番ピットを使っている。誰にも邪魔されずにピットボックスへストレートに入って行けるメリットを享受するためで、バーバーでの第2戦ではダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)がこの場所を選んでいた。ただし、後方のピットは作業を終えてピットアウトする時に注意が必要。まだピットインしてくるマシンが数多くいるケースもありえるからだ。

 佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、バーバーでの第2戦で予選11位だった。つまり、11番目にピット選択権を与えられた。チームが選んだのは、14番ピット。ここは真後ろがタイミング&スコアリングで、2台分ほど次のチームと間隔が開いている。因みに、そちらは予選12位だったアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)が使っている。琢磨の前はアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)。彼女はロードコースで苦戦中なので、琢磨が本来の力を発揮すれば、レース中にポジションが接近する可能性は低く、ピットで交錯する可能性も少なくなる。
 オーバルの場合は、今年はインディ500が最初のレースになる。前のオーバルの予選……という数字は昨シーズンのものになってしまうし、インディ500では伝統的に予選順位の通りに使用ピットを選ぶ方式が採用されてきているので、そのルールが今年も変わらず使われる。インディ500の次のテキサスは、インディでの予選上位から順にピットを選んで行く。

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