2011年4月23日土曜日

2011 INDYCARインサイドコラム3 R3ロングビーチ “ザ・スリル=ポール・トレイシー、今回は不発”

Photo:INDYCAR(Chris Jones)

白いマシンでさっそうと登場したトレイシー

 ポール・トレイシー(ドラゴン・レーシング)、久々の登場は白いマシンでだった。スーパーマーケットチェーンのラルフスとか、モテギ・レーシング・ホイール(アメリカのブランド)とか、ロックスター・エナジー・ドリンクとか、スポンサーロゴがワンサカの、まさにスーパーマーケット的カラーリングだった。カーナンバーは8。
 トレイシーにとって今シーズン初のレースは、ハッキリ言えば不発に終わった。去年の8月のエドモントン以来のロードコースドライブでイキナリめちゃ速ってのは、いくら通算31勝のザ・スリル・フロム・ウェスト・ヒルでも無理だったということ。

 プラクティス1回目は15番手。タイムはトップから0.8秒差で、「セッティングをいじらずにコレなら悪くない」と話していたポールだったが、プラクティス2回目が始まって、さぁこれからって4周目にクラッ〜シュ! この日のビリになって、「ツイッターでのEJ・ビソ批判、厳し過ぎたかな」とすぐさま反省していた。
 レースに出ていなかった開幕2戦、トレイシーはテレビ観戦をしながら、「ビソ、またもレッカーで運ばれてま〜す」、「ジミー(・バッサー)、またまたパーツ・トラックへ」などとトゥィート、ロングビーチ参戦が決まると、「2列スタートはアブナイから、できればビソの近くにはいたくないな」なんてコメントまでしていた。

 予選でのトレイシーは第1ラウンド敗退の25位=ビリから数えて3番目。まったく彼らしくなかった。
プラクティス1回目を終えて、ジェイ・ペンスキーとガッチリ握手。ここまでは順調だったがブランクはまだ埋めがたく……。Photo:INDYCAR(Chris Jones)
 レースでもトレイシーに見せ場はなかった。レースを離れているドライバーは、乗る距離や時間をできる限りとらないと力を発揮できないということだ。金曜の予選の半分をパアにしたのが痛かった。「2列スタートは俺向きだ」とトレイシー自身も考えてたことだろう。しかし、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)やジェイムズ・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)といったルーキーと少々バトルしたのみで、ピットロードでのスピード違反によるペナルティと、タイヤのパンクで二度も余分なピットイン。レースとはてんでかけ離れたところを走り続け、16位でゴールした。
 それでもレース後のトレイシーは楽観的だった。「なかなかのペースで走ることはできていた。ロードレースではあったが、次のインディ500に向けての準備ともなったよ」と彼は語っていた。

ドレイヤーから出るインディ500でリベンジ

 そのインディ500、彼はドレイヤー&レインボールド・レーシング(DRR)から出場する。ドラゴンの話がまとまる前に、そっちが決まっていたので、インディだけはDRRで走るのだ。「ロングビーチを含む5戦に出場」と発表したドラゴン&トレイシーだが、その数はさらに増えそうな話もチラホラ出ている様子だ。なお、インディにドラゴンは他のドライバーを起用して参戦するという。それが誰になるのかも興味津々だ。
今年のインディ500にはトレイシー自身も期するものがあるはずだ。
PPhoto:INDYCAR(Chris Jones)

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