2011年4月11日月曜日

2011 INDYCARインサイド情報&ニュース:第2戦決勝直前プレビュー「全体的なグリップレベルが低下したバーバーの路面、そして朝のウォームアップよりも熱くなりそうなコンディションでのタイヤパフォーマンスがポイントに」

オープンテストのタイムに届かなかったベストラップ

 先月のオープンテスト最速は、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)の1分11秒9434だった。レースウィークエンドの予選前までの最速はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分12秒1388だから、テスト時よりも0.1954秒遅かった。どちらもブラックタイヤ(ハードタイプ、プライマリータイヤ)で記録されたタイムだ。供給されたタイヤが同一スペックなのだから、違うのは気温や路面温度、湿度、風、路面(埃、乗っているタイヤラバー)などコンディションということになる。
 オープンテストは2日間フルに走り込むもので、エリオのタイムはその最後の最後に記録された。長い時間をかけてコンディションにマッチしたセッティングを発見したところで新品タイヤを投入。これなら好タイムが出せる。オープンテストでは他のカテゴリーのクルマは一切走っていない。テストの終盤、路面に埃などは全然なく、ファイアストンのラバーがバッチリ乗っかっている状態。好タイムが出る要素が揃いまくっていた。気温を見ると、オープンテストは13~24℃で、レースウィークエンドは25~28℃。幾分涼し目のテスト時の方がさらにタイムの出し易いコンディションだったとも考えられる。
レースウィークエンドにはサポートレースがある。今年もグランダムのスポーツプロトタイプとGT系カテゴリーのマシンがワンサカ走っている。彼らの走った後はインディカーにとって走りにくい路面になる。金曜日のプラクティスは雨が降って大幅短縮に。そもそもテストに比べてレースウィークエンドの走行時間は断然短い。その中でコンディションの変化を追っかけながらセッティングを行うわけで、好タイムを出しにくい条件が揃っている。

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
低下したバーバーのグリップレベルにいかに対応するか?

 では、レッド(ソフトタイプ)で走った予選も去年より遅かった理由は? 去年のポールは1分10秒1356で、今年は1分11秒4546。ファイアストンは去年と今年、まったく同じスペックを供給している。となると、今年のバーバー・モータースポーツ・パークの路面の全体的なグリップレベルが落ちているということでは? それでブラックで遅く、レッドもそれに引きずられて遅くなった。
 路面の変化を正しく認識し、新たなセッティングを用意してこないと速さを獲得できない。ファイナルプラクティスを見る限り、KVレーシング・テクノロジー・ロータスの佐藤琢磨は一気にセッティングを向上。レッドでトップ3に食い込んだ。ドレイヤー&レインボールド・レーシングやチップ・ガナッシ・レーシングのサテライト・チームも健闘を見せた。


高い気温で気になるレッドタイヤのパフォーマンス

 レースではブラック装着とレッド装着、どちらでの走りが鍵を握るだろう? 開幕戦セント・ピータースバーグではレッドでスタート、中盤をブラック、最後にレッド(中古の場合が多かった)というタイヤスケジュールを採用したチームが上位でゴールした中には多かった。第2戦バーバーの場合、ウォームアップより決勝は暑くなりそう。レッドのパフォーマンスは暑さの中でも高く保たれる? ブラックも熱さの影響を受けるだろうが、その落ち込み具合は? そして最後に笑うのは??
なお、今回のレースでのホンダ・オーバーテイク・アシスト(プッシュ・トゥ・パスとか、オーバーテイクボタン、ホンダボタンとも呼ばれるもの)は、1回15秒のものを20回使える設定だ。

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