2011年6月11日土曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 37:R6 ファイアストン ツイン275s Day1 予選「プラクティスでよい兆しを感じていた。チームも自信を持って攻めたセットを用意してくれて、抵抗のないマシンというものを初めて感じることができた」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
第6戦 ファイアストン ツイン275s
Round 6 IFirestone Twin 275s
Texas Motor Speedway

テキサス・モーター・スピードウェイ
テキサス州フォートワース 
全長:1.5マイル(=約2.413km)×114周×2レース
コースタイプ:オーバル

Day1 6月10日
予選  4位 48秒8461(24秒4196/24秒4265)214.470mph

 ついに佐藤琢磨がオーバルでの予選でも上位に食い込んで見せた。今シーズン初のオーバルだったインディ500でも10位という好ポジションにつけた琢磨だったが、テキサスの1.5マイルでは4位を手に入れた。もう、彼の前にはアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の3人しかいない。明日のレースに琢磨はトップを狙えるポジションからスタートして行くことができる。
 今日の琢磨は最後のアタッカーだった。30人とエントリーが多く、アタックする順番は遅いほど気温が下がる有利を得られると考えられていた。チームメイトふたりが先に走ることも、琢磨にとってはアドバンテージだった。ベテラン・チームメイトのトニー・カナーンは13番目に走っており、琢磨はマシンの感触を聞いてから自らの予選に臨むことができた。

 もちろん、2周のアタックでミスのない走りを実現することが琢磨に与られた最も重要なタスクだった。白線のギリギリ上をアクセル全開で走り抜けるドライビングは、綱渡りのように繊細なもの。それを琢磨は完璧にやってのけた。


Jack AMANO(以下——)やりました、予選4位です!

佐藤琢磨:プラクティスで完全な手応えを得られたわけではなかったんですけど、良い兆しってのはあったんです。去年は予選も決勝もコンサバティブに戦っていたんですけど、エンジニアが「今日はちょっとアグレッシブに行くぞ」って言ってたので僕も結構ヤル気になってました。予選が始まると、TK(チームメイトのトニー・カナーン)の走りが凄く力強かったので、それを追いかける形で、ベストのオーバルでの予選ができたと思います。

——予選は攻めて行くってプラクティスの時点で話してましたが、「攻め」とはどんなものだったのかをお願いします。

佐藤琢磨:要するに、クルマの抵抗をなくすってことですね。クルマの抵抗をなくすっていうのは、スクラブ……引きずる……って状態を減らすわけですから、クルマとしてはちょっと不安定になって行くんですね。だから、去年までは僕もやっぱりオーバルの走り方っていうのは極めてなかったし、安全に、安全に、ステアリングをどんどん切って行く走りだったんですけど、まぁ、今回はハンドル切らなくてもクルマがコーナリングをするようなマシンになってました。ただ、そういうクルマって、一線を越えてしまうと物凄く危ないものになってしまうのでね、そこら辺の見極めが結構難しいんですけど、チームも僕も自信を持って今日は攻めることができたと思います。

——そういうクルマを走らせた印象はどうでしたか?

佐藤琢磨:やっぱり楽しいですね。凄くレブの上がり方とかも物凄く速かった。そういう状態をインディカーではフリーって言うんですけど、とにかく抵抗の少ないクルマになってました。こんな感覚っていうのを今までは知らなかったから、それができたっていうのは凄く楽しかったです。

——そういうアプローチでの予選アタックっていうのは、今回が初めてだったんですね?

佐藤琢磨:初めてです。

——ドライバーとして、操ってる感みたいのが得られたんでしょうか?

佐藤琢磨:そうですね。特にここテキサスはバンクの角度が凄く強いので、正直言ってクルマはもうオーバーグリップっていう状態なんですよ。いかにグリップを逆に殺して、抵抗を少なくするかっていう、ちょっと、そういう意味では特殊なセッティングになるんですよね。だから、インディとは大分違いますよね、セットアップのフィロソフィー自体がね。もちろんウィングとかもインディとは違うわけですけど。

——KVレーシングテクノロジー・ロータスの攻めのセッティングは良いものだった。エンジニアリングの勝利ですね。

佐藤琢磨:はい、今回は大成功だったので、僕としても嬉しかったです。

——2列目外側の4番グリッドというのは、目の前がフロントロー。いよいよKVレーシング、オーバルでも勝ちを争えるレベルに手を届かせて来たって感じですか?

佐藤琢磨:うーん、そうですね。まぁ、空気がたくさん貰えるっていうのは嬉しいです。前の方でレースをするっていうのは凄く気持ち的にも、レースの展開的にもラクになるはずなので、あとはイエローとか、タイヤのマネジメントとかね、その辺りを気をつけて決勝は戦いたいと思います。

——そのためにも、次のファイナルプラクティスは重要ですね。

佐藤琢磨:はい。インディではファイナルが全然走れなかった。今回はキッチリとファイナルプラクティスを走って、決勝に向けてクルマを良いものに仕上げたいですね。レースではなるべく順位をキープして、前を追って行きたい。それができるマシンにしたいです。

——ダブルヘッダーのレースというのは、どう戦うんでしょうか? あるいは、どんなレースになるんでしょう?

佐藤琢磨:スプリントレースが2回ってことなんでしょうけど、どうなんだろう? 最初のレースは夕方のスタートで、二番目のレースは夜10時とかのスタートなので、気温も路面温度もかなり違ってきますよね。その辺り、クルマのバランスをキチッと準備して行きたいと考えてます。最初のスタートは、凄く好位置から発進できる。アクシデントに巻き込まれるリスクは凄く小さいと思うから、1レース目は大事に戦って……、2レース目はどこのポジションからスタートできるかわがわからないけど、精一杯走ります。


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