2013年4月8日月曜日

2013INDYCAR 佐藤琢磨コメント 12 R2 アラバマ Race Day ウォームアップ:「ここは抜くのが難しいコースだけれど、競り合う相手が自分と違うタイヤを履いていればオーバーテイクのチャンスはあります」

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)
第3戦 ホンダ・インディー・グランプリ・オブ・アラバマ
バーバー・モータースポーツ・パーク
アラバマ州バーミングハム
全長:2.30マイル(=約3.70㎞)
4月7日 Race Day ウォームアップ 12位 1分10秒4606 


18周をブラック・タイヤだけで走行
ユーズド・タイヤでも安定したラップを刻む


 30分間のファイナル・プラクティスは、午前11時と遅いスタートだったため、もう気温は19℃、路面温度も32℃まで上がっているコンディションで始まった。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、セッション開始直後に3回連続のピットストップ練習を行い、その後はユーズド・ブラック・タイヤでの走行を重ねた。2セットを使って18周を走り、終盤の16周目に自己ベストとなる1分10秒4606を記録した。トップは1分9秒フラットに近かったが、レッド装着でのタイムだった。

 

「レースのフルディスタンスを走ったブラックでも
マシンのバランスはとれていて、すごく良かったです」


Jack Amano(以下――):そこそこ周回をこなせたファイナルプラクティスになていましたね。マシンはどうでしたか?

佐藤琢磨:そうですね、良かったと思います。

――非常にラップタイムが安定していました。

佐藤琢磨:はい。

――ブラック2セットでの走行でしたが、ユーズドブラックはレースモードでどうだったでしょう?

佐藤琢磨:去年のレイホールのチームとここにきた時には、レッドとブラックと差が大きかったんですけど、ブラックはもちろんハードコンパウンドだからラップタイムは遅いんだけど、かなり持ちがいいと睨んでいました。それがレースではものすごいオーバーステアになった。デグレデーションがすごく大きかった。今日はそれの対策をしたくてブラックで走りました。もちろん、今年のタイヤは去年のものとは違ってるんだけれど、レースのフルディスタンス以上を走ったタイヤで最後は走ってて、もちろんアンダー&オーバーは出るんだけど、そこそこバランスの取れている状態に持ってけたから、すごく、そういう意味では良かったと思います。

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)

「レースのメインはおそらくレッドタイヤ。もし劣化がひどくても
ブラックの新品2セット持っているのでどちらでも対応できます」


――ブラックの評価を重視したために、レッドはこのセッションで使わなかったということですか?

佐藤琢磨:はい。レッドはおそらくレースで(メインに)使う。レッドのバランスチェックをできたら最高ですけど、もうレッドはそこそこの周回をしているし(2セットとも予選で5周)、
12番手からの追い上げなので、レッドをうまく使いたい。それで今は使わずに温存しました。ブラックからレッドへの調整は昨日の予選でうまくできていたので、それと同じフィルターを今日のレースでも当てれば、両方のタイヤでうまく走れると思います。

――ユーズドレッドを2セットとも温存したのは、レースで両方とも投入する可能性が高いということですか?

佐藤琢磨:もちろん。基本はレッドがレースタイヤになると睨んでいます。ただ、レッドでの性能劣化がものすごいというのがレースで判明したら、話は別です。そういう意味では、僕らはブラックの新品を2セット持っているので、どちらでも対応はできます。

――タイヤマネジメントをキッチリ予定どおりに行えているということですね。

佐藤琢磨:そうですけね。でも、それは前のピットの人(ウィル・パワー)もまったく同じですよね。新品のブラックを2セット、新品のレッドを1セット、そして予選で使ったレッド2セットです。

「ここではレッドでのスタートも十分にあり得ます」

――どのタイヤをどこで投入するか、その作戦が難しそうですね。

佐藤琢磨:ここは抜くのが難しいコースだけれど、競り合う相手が自分と違うタイヤを履いていればオーバーテイクのチャンスはある。だから、それぞれのタイヤを使うタイミングをライバルたちと違えるっていうのは戦略としてある。トップ10以降の人はブラックでスタートするのがセオリーだけど、レッドでのスタートも十分に有り得るってことです。もちろん、そこでレッドを使っちゃうのにはリスクもある。レッドだからって順位を上げられる保証はないし、むしろ攻め込んでいかなきゃならない分だけアクシデントに巻き込まれる可能性も高くなるし。

 レースはこのセッション以上に暑いコンディションで争われる事になる可能性が高い。26台が周回を重ねるレースで路面はどのように変化し、レッドとブラックはどのようなパフォーマンスを発揮するのか。どちらのタイヤを重用する作戦が功を奏するのか、どのようなタイミングでのピットストップがアドバンテージとなるのか、様々な面から非常に興味深い戦いが繰り広げられるだろう。
以上

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