2013年11月15日金曜日

2013 INDYCAR ニュース 11月14日:ダリオ・フランキッティ引退

Photo:INDYCAR
インディーカー・レース出走265戦、通算31勝、ポールポジション33回!
 インディーカー・シリーズでチャンピオンになること4回、インディー500では3勝を挙げたスコットランド出身ドライバー、ダリオ・フランキッティ(40歳)が所属チームのターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングからリリースを配信し、引退を表明した。


  先月のヒューストンでのアクシデントで負傷したことにより、現役生活継続を断念したのだ。近い将来に万が一、また似たようなアクシデントに遭った場合、背骨や頭部に更なるダメージを負うこととなれば、健康な生活を送ることが難しくなる可能性があるからだろう。見事なキャリアを打ち立てたフランキッティとしては、潮時を自ら見極めたというところだろう。
 1997年にCARTインディーカー・ワールド・シリーズで始まったフランキッティのアメリカン・トップ・フォーミュラでのキャリアは極めて素晴らしいもので、通算勝利数「31回」は歴代8位タイ、ポールポジション「33回」は歴代6位にランクされる。

*フランキッティの声明
 ヒューストンでのアクシデント以来、卓越した医師と看護者に診てもらって来ている。彼らは私の健康、安全、そして回復を最優先で考えてくれている。この数週間で受けた医療に対して、私は永遠に感謝をするつもりだ。家族や友人たちによる信じられないほどのサポートにも感謝する。事故から1ヵ月が経過し、私の頭部や背骨の負傷を診てくれた専門家である医師たちからの助言によれば、医療の面から考えると、私はレースを止めのが最善の策であるという。レース活動を再開した場合、長期的に健康を保つためにはあまりにもリスクが大きい。こうしたアドバイスを受け、私はレースを止めるより他に道がなかった。
 レースは30年間以上に渡り、私の人生だったので、ドライビング・キャリアが終わるのだ、と考えるのは本当に難しい。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングでの2014年シーズン、4度目のインディー500制覇、5度目のシリーズタイトル獲得を目標にし戦うのを本当に楽しみにしていた。
 インディーカー・シリーズに出場するドライバーたち全員、チームメイト、クルー、スポンサーには、長年に渡って大いなる支援を頂いた。深く感謝する。ホーガン・レーシング、チーム・クール・グリーン、アンドレッティ・グリーン・レーシングには、私に機会を与えてくれたことに対して感謝したい。特にターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは、2008年に参画して以来、私にとって家族のような存在となってくれていた。世界中のファンにも感謝する。レースをしている間、ずっと私のサポートをしてくれた皆さんには感謝してもし切れない。
 私は永遠に、自分のCART時代、そしてインディーカー・シリーズでのレースキャリアを、素晴らしい思い出を振り返ることだろう。そして、私がレースの世界で親しくなった人々との関係は一生続くことと思う。
 レース出場以外の部分で、インディーカー・シリーズに何か関わって行けたら、とも考えている。私はオープンホイールレースが大好きだから、オープンホイールレースが成功するのを見たい。
 私はチップ・ガナッシと共に、チームに留まって何か働くことができないかを検討するつもりだ。私の親友だったグレッグ・ムーアなら言うだろう。「前の方で会おう」と。

 

チップ・ガナッシの声明
 ダリオ・フランキッティはターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングに多くをもたらしてくれましたから、来年彼が私たちのマシンに乗る姿を見られないことは大変残念です。ダリオはモータースポーツにおける伝説的存在となりました。パドックやグランドスタンドにいる人々全員が、来シーズンからの彼の不在を惜しむことでしょう。
 ダリオのモーターレーシングに対する功績は多過ぎるほどですが、それらは彼がコース上で残した実績以上のものです。彼が素晴らしく、しかもユニークなのは、彼が常にレースの世界では生徒であり続けたことでした。ダリオはレースというスポーツの科学の真価を理解していただけでなく、彼以前の偉大なレーサーたちに対しても強い敬意の念を持っていました。
 今回のニュースは、ダリオ・フランキッティのレースキャリアにおける新しい章のスタートです。そして、その新しいチャプターは私たちターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングで始まるものと期待をしています。

主なキャリア:
インディーカー・レース出場:265戦
優勝:31回(歴代8位タイ)
ポールポジション:33回(歴代6位)
2位フィニッシュ:29回(歴代10位)
表彰台登壇:92回(歴代5位)
トップ5フィニッシュ:119回(歴代6位タイ)
シリーズ・チャンピオン:4回(2007、2009、2010、2011年)
 2009~2011年には3年連続でシリーズ・タイトルを制覇(史上3人目)

インディー500:3勝(2007、2010、2012年)3勝は史上10人目

2008年 デイトナ24時間で優勝
2007年 セブリング12時間 LMP2クラス優勝

1 件のコメント:

  1. 人にインディのシューマッハと例えれば、彼のことを分かってもらえるだろうか。良くも悪くもまさに「勝ち」にこだわったレーサーだった。競争の激しいインディの中でもひときわ速さ以上の「強さ」を見せつけてくれたドライバーだろう。

    決して好きなタイプのドライバーとは言えず、憎たらしいほどの走りもあったが、彼がいなくなるのはなんとも寂しいし、悔しいし、そして、味気ない気もする。
    今後の療養生活が順調にいくことと、ヒマではなさそうな余生を満喫してほしいものである。

    ダリオありがとう。

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