2014年1月1日水曜日

2013 INDYCARニュース12月31日:J-P・モントーヤはオフの間に5日間もテスト

Photo:INDYCAR (John Hendrick) クリックして拡大

11月25日、セブリングで初テスト初日午後いきなりパワーのベストタイムをクリア

  2013年シーズン最終戦がフォンタナで行われたのは10月19日だった。それから1ヶ月と少し経った11月25日、ファン・パブロ・モントーヤがチーム・ペンスキーでの最初のインディーカー・テストを行った。場所はフロリダ州セブリング。ストリート用テストに適していると言われるショート・コースが使われた。
 テスト用にマシンのセッティングを行ったのは、ウィル・パワー。モントーヤにとっては2000年以来となるインディーカーの操縦だった。年齢は大ベテランの域に入る38歳になっているが、午前中に20周を走っただけでパワーのベスト(10周しか走らなかったが)にコンマ3秒まで迫り、午後の走行でパワーのベストを上回ってみせた。
 「正直言って、自分がここにいることが未だに信じられないよ」とモントーヤは語った。「僕がオープンホイールに戻って来ることを人々がエキサイティングだと感じてくれている。それはとても嬉しいことだ」。


Photo:INDYCAR (John Hendrick)
 「ドライビングスタイルが自分に似ている」とパワー 

 テストでありながら、パワーとエリオ・カストロネベスの両チームメイト、ペンスキー・レーシング社長のティム・シンドリック、そして、チームのアドバイザーを長年務めて来ているリック・メアーズまでもがサーキット入りし、久しぶりにインディーカーを走らせるモントーヤを見守っていた。
 「みんなが自分を助けるために来てくれた。これこそがチーム・ペンスキーの素晴らしさだ。僕ができる限り早くスピード・アップを果たせるよう全員が力を出している。僕が速くなることがチーム全員にプラスになる」。
 パワーは、「自分とドライビング・スタイルがとても似ている」とモントーヤの走行データを分析していた。2014年の彼らは力を合わせてマシン・セッティングを研ぎ澄ますことができるということだ。


リック・メアーズとドライビングについて語るモントーヤ Photo:INDYCAR (John Hendrick)
12月に入って西海岸のオーバルふたつでテスト

 モントーヤはオーバルでのテストも12月に入ってから行った。最初がアリゾナ州フェニックスの1マイル・オーバルで、その2日後にはカリフォルニア州フォンタナにある全長2マイルのスーパー・スピードウェイでテストを敢行した。
 これらの2コースでは、今度はカストロネベスがマシンのセッティングを担当した。さすがのモントーヤもオーバルでのインディーカー・テストには慎重になっていたようで、どちらのコースでもカストロネベスの出したベスト・ラップにはタイムが届かないままテストを終えた。これらの2コースでのテストには、チーム・ペンスキーのレースカーを担当するエンジニア3人全員が出席していた。
 「全開で走るショート・オーバルは僕にとって最も難しいチャレンジになると考えている。1999年や2000年の頃はショート・オーバルでは誰も全開で走ってはいなかった。今のインディーカーのショート・オーバルでのコーナリング・スピードはとてつもないね。エリオが来てくれて良かった。彼がとても大きな助けになった」とモントーヤは語った。

さらにソノマで十分な走り込み

 12月16日、モントーヤはカリフォルニア州ソノマのロードコースを走った。50周近くを1日でこなしたモントーヤは、「NASCARで走って来たコースをインディーカーで走るのは難しい。頭と足が別々の行動をしてしまうんだ。S字は全開で行けるが、頭は全開で問題なしだって考えているのに、足が勝手にアクセルをオフにしてしまう」と話していた。
 ソノマでも充分な走り込みを行い、ピットストップの練習も重ねたモントーヤ。結局、彼は2013年のうちにセブリングで2日、ショート・オーバルのフェニックスで1日(インディーカーのレースは最近は行われていないが)、フォンタナで1日、そしてソノマで1日と、このオフに一番走り込んだドライバーとなった。ストリート、常設ロードコース型サーキット、ショート・オーバル、スーパー・スピードウェイと、コースバラエティのすべてを走ったのは、ストックカーからインディーカーへと復帰する彼がインディーカーに習熟することが最も大きなテーマであったテストだからだ。そして同時に、彼が周回を重ねたことで得られたデータは、チーム・ペンスキーの2014年シーズンにとって大きな役割を果たすことになるはずだ。

モントーヤ加入がチームにもたらすものは?


Photo:INDYCAR
 1999年CARTシリーズ・チャンピオンで、2000年のインディー500ウィナーでもあるモントーヤ。F1とストックカーでその後に戦って来た彼は、CART時代と同じ速さを保てているように見えている。様々なカテゴリーを経験して来たことで、CART時代以上の実力を備えている可能性も十分にある。彼がどんなレースっぷりを見せてくれるのか、今から2014年シーズンの開幕戦が待ち遠しい。
 また、モントーヤの加入がチーム・ペンスキーにどんな影響を及ぼすのかも大変興味深い。「ドライビングスタイルが似ている」とメリット享受を期待しているパワーだが、果たしてかれは持ち前のスピードをさらにアップさせることができるのだろうか? より豊富に、そして濃密になるデータを武器にカストロネベスが今年以上のパフォーマンスを見せる可能性もある。はたまた、モントーヤが自身2度目、チーム・ペンスキーとしては2006年以来となるタイトル獲得へと一気に突っ走ることだって考えられる。3人全員が勝ち星を挙げる可能性は十分で、そうなるとチームメイト同志の星の食い合い、潰し合いに繋がる。そうなった時、強烈な個性と高い才能を持つ3人は本当に強力なチームワークを発揮できるだろうか?

以上

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