2014年7月14日月曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント48 第12戦アイオワ Race Day 決勝:「ちょっと信じられないですね。煙で真っ白になって何も見えなかった。不運の連続ですけど、スピードはところどころで見せているので、トロントに向けて準備します」

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第12戦アイオワ・コーン・インディー300 
7月12日決勝 22位 47周 コンタクト

「スタートでレイホールが来てアクセルを抜かざるを得なくなりました」

Jack Amano(以下――):16位スタート

佐藤琢磨:最初のスタート、テレビには映ってなかったとは思いますけど、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング:予選15位)、なんでアイツはあんなに上がって来るの? 車線変更し過ぎでしょ。思わず手を挙げちゃったもん(抗議を表す目的で)。 “アウトサイド、アウトサイド!” ってスポッターから言われてるはずなのに。まず、ターン2のバンプを越えたところでドドドドドッと上がって来て、で、次またターン3で彼がイン側に降りたからアウトから並んでったら、またドドドドドッて来た。危ないって。車線変更し過ぎ。


 こっちはアクセルをリフトさせられて、2台ぐらい前に行かれちゃった。あそこでレイホールの前に行けてれば……と思いますね。本当に最初の2周では思わず手を挙げましたね。スポッターは何をやっているのか? ということでもありますね。ホント、彼は第2レーンから第4レーンまで上がってってましたから。あの2ラップでリフトさせられたのが、順位に大きく影響しましたね。

「レッドフラッグの後、タイヤ交換して気合を入れなおしていたところでした」
――その後、順位は小康状態になって、琢磨選手は19位を走ってましたが、まだ序盤だし、ピットストップも1回もしてないし、マシンの状況を見極める段階だったと思います。

佐藤琢磨:はい。クルマは結構アンダーステアが強くて、曲がらない状態が続いてました。もうピットまで我慢するしかなかった。とりあえずリード・ラップを保って、最初のピットでニュー・タイヤに替えて、フロント・ウィングを調整しようかな……と考えていました。今日は300ラップと長い戦いだから、最初から無理をせずに……ということで。

――雨による赤旗も味方してました。トップが2台後方まで迫っていましたから。

佐藤琢磨:そうでしたね。後ろすぐのところまで来てたので、赤旗になったのは不幸中の幸いかなって思いました。レッドの後にピット・オープンになってタイヤ交換ができたので、本当に気持ちを改めて残り250周、"去年までのレースと同じ距離をもう1回再スタートだ”って気合いを入れ直したところでした。

「グリーンが出てキンボールに並びかけているところでスモークが上がって……」
 
――突然来ましたね、ロシア製のコマが。
佐藤琢磨:まず、僕はチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)にスタートで並びかけて行ったんです。あの時ぐらい後ろの順位だと、トップがスタートのグリーン・フラッグを受ける頃、まだ僕らはターン3に入るところなんですよね。で、グリーンが出たので、キンボールがちょっと加速が鈍かったこともあって、僕は並びかけてったんです。外側から行って、キンボールと並んだところで内側にクルマが1台いるように一瞬見えたんですよね。あの方向からすると、僕らの行くトラック上はクリアになるはずなのに、急に方向転換したのかわからないけど、煙幕が上がって何も見えなくなった。ものすごいタイヤスモークで、アクセルもオフして、ブレーキも踏んだんだけどぶつかっちゃいました。

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――あのラインは普通通らないですよね?

佐藤琢磨:僕にはキンボールがいたので、彼の動きが見えてなかったんですよね。

――すごい下からスピンしながら上がって来ました。
佐藤琢磨:あそこで彼がブレーキを踏んでれば、ピットレーンの方向に入ってって止まるんですよ。ところがあの人はアクセル全開でしょ? バックしながら。多分。もう煙で真っ白になって、アレシンがどこにいるのかもまったく見えなかった。煙幕張られちゃって。本当にシャレになんないですよ。こっちとしては、内側にはキンボールがいて、外側はもう壁ギリギリだったから、もうどうしようもなかった。次の瞬間、アレシンのヘルメットが目の前にありました(彼のマシンにサイドら突っ込むカタチになったので)。

――ダメージがノーズだけならレース復帰も……と見ていましたが、サスペンションも大きく壊れてしまってリタイア。不運でした。

佐藤琢磨:ちょっと信じられないですね。

「どうなるかわからないレースだっただけに残念です」
――ピットで施した新セッティングも何もトライできないままレースが突然終ってしまった。データや経験の蓄積がならなかった点が悔しいですね。
佐藤琢磨:本当にそうですね。正直言って今週の僕らのクルマ作りはあんまり良くなかったとは思います。だけど、長いレースだし、実際に今日は最後に大どんでん返しもあったワケだし、最後までどうなるかわからないレースになってました。しかも今回はナイト・レース。コンディションの変化によってマシンのバランスが変わって、いい戦いができるようになった可能性もありましたよね。それを走って確認できなかったのは残念です。

――お祓いをしたくなるような不運続きになっています。

佐藤琢磨:はい。次はトロントですから、アメリカ国外に出るワケですし、国外脱出をお祓いとしましょう。

――今日のように自分たちにミスがなく、何もできない状況でのアクシデント、そしてリタイアとなると、これでモチヴェーションが下がってしまったら本当にもったいないというか、腹立たしいですよね。クルーも大変ですよね?

佐藤琢磨:クルーが一番大変だし、可哀想です。それでも、今日の彼らは"体が無事でよかった”ってまず最初に言ってくれました。"有り得ない事故だったし、クルマは直すよ”とも言って、僕の方を励ましてくれたぐらいでした。チームは次のトロントのこと、とてもポジティブに考えてます。ちょっと今季、有り得ないぐらいにずっと不運の連続ですけど、スピードはところどころで見せているので、トロントに向けて準備します。今日もリタイアした後のレース中、エンジニアのドン(・ハリデイ)とずっとトロントのセッティングについて話をしてました。

――トロントはダブルヘダーですし、期待しています。
佐藤琢磨:ありがとうございます。頑張ります。
以上

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