2015年5月13日水曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第99回インディー500 Day1 5月11日プラクティス その2:「単独走行で4番手ぐらいにつかることができて、気分はいいですよね。ちょっと怖いぐらい。今日感じたのは、もっともっと足周りを煮詰めてたいってコトでした」

Photo:INDYCAR(John Cote) クリックして拡大
「スピード上がっているけど去年ほどダウンフォースは削れないかも」
Jack Amano(以下――):まだ2日走っただけですが、トウの効き具合がこれまでと違うとなると、集団で走る時間をこれまでより長くしたいと感じていますか?
佐藤琢磨:そうですね、イメージとしては勿論、空力効率が上がってドラッグが減っているのでスピードは上がってますけど、去年ほどダウンフォースは削れないかもしれない。意外にレースではダウンフォースをガッツリつけてかないと危ないというか、前のクルマにくっついて行けないかも。
――それって、レースが接近戦で抜きつ抜かれつの激しいバトルに可能性があるってことですか?
佐藤琢磨:まぁ、そうですね。あるいは、ポールとってウィングをベタベタに寝かせて逃げるか。
――でも、レース中ずっと前を走るってのは無理ですよね? ピット・タイミングをずらして来るチームとか、周回遅れの出現とかもあるし。
佐藤琢磨:そうですね。まだレースの話をするのは早過ぎますね。インディー500の正式なプラクティスが今日から始まって、1日目はとりあえずプログラムどおりっていうことで順調に45周とかしたって感じてます。
――単独走行でのペース、かなり良かったですよね?
佐藤琢磨:はい、悪くないですね。ガナッシ勢に続いてのトップ4ぐらいにいれたと思います。
――気分がいいでしょう?
佐藤琢磨:ま、気分はいいですよね。ちょっと怖いぐらい。今日感じたのは、もっともっと足周りを煮詰めてたいってコトでした。予想外にスピードが速くて、このまま空力をトリムしてったら飛んでっちゃいそうな雰囲気が少なからずあるので……。
――より足周りのセッティングが重要になって来るんですね?
佐藤琢磨:はい。今日はまだ、ある意味でものすごく慎重に走っていました。スピードが出る時っていうのはアクセルを踏んで行けてるんですけど、ちょっと風が吹いたりして、狙った通りのラインに乗れないと、その角度が1度違っただけで、もう軌跡が外に出てっちゃうから。今日はそういうケースではすぐにアクセルを抜いてました。レースだったら、もうちょっと踏み切って行くけれど。

タグリアーニの加入は“やった!”という感じ
――アレックス・タグリアーニが加わっての3台体制になりましたけど、その点はどうですか?
佐藤琢磨:やった! って感じてます。プラスと捉えてます。台数が増えること自体がプラスかもしれませんが、タグリアーニっていうドライバーが経験豊富ですから。2011年のポール・シッターだし、去年、ダリオの後にチップ・ガナッシ・レーシングで走ってて、フォンタナとかすごく速かった。彼は良いものをたくさん知ってるっていうことですよ。で、インディー500が何たるものかもよく知っているので、単純に台数が増えただけじゃなくて、非常にクォリティの高いデータが得られると期待をしています。あと、3カーになることの一番の強みはトラフィック・テストです。シングル・カー・チームの時には他のチームと一緒に走ったりしていました。そうは言っても、燃料の搭載量とかタイヤの走行マイルとかが違うので、本当のパフォーマンスはわかりにくかったんですよ。それが3台体制だと、自分たちだけで一緒に走れるし、2台よりう3台の方がより複雑なフォーメイションが組めるので大きなプラスになります。
――今年から2カーになって、インディーは3カーとなると、チームにすればかなり大きな変化だから、とても大変だと想像しますが?
佐藤琢磨:絶対に14号車に影響が出ないようにってやってますけど、早くも人手が足りなくて、1人が3台全部を見なくちゃいけないってところも出て来ています。本当にマン・パワーが足りない。手繰りアーニのチームはメカニックもエンジニアも外から来て、サテライト的にやってます。クルマだけはウチのものを使ってますけど。データはキッチリと共有しつつも、14号車、41号車に影響がないように48号車にはオペレーションをやってもらえるよう、そうしたチーム造りをオーナーのラリー・フォイトが頑張ってくれています。
――じゃ、いいとこ取りができるといいですね。
佐藤琢磨:はい。フォイトは500を2カーで走って来てましたから。2台を1パッケージとして、それにプラス1台って感じです。
――しかも、今年のチームメイトたちはインディー500での経験という面では、去年までコンビを組んだ面々とは全然違いますね?
佐藤琢磨:はい。すごい心強いです。一昨年、去年、コナー・デイリーとマーティン・プラウマンと組みましたけど、マーティンはロードレースの経験は色々なカテゴリーで豊富で、そこは良かったんだけど、やっぱりオーバルでの経験は足りてなかった。それで、失礼な話になっちゃうけど、あんまり信頼ができないっていうか、データやフィード・バックに信憑性がなかったんですよね。彼らがやって良かったこと、悪かったことを、僕らがもう1回ダブル・チェックしていた。もう1回やって大丈夫……とか。実際に、彼らのデータや感じ方と現実が違ってることがあったから、その後は余計に信頼性が落ちて行くので、1台体制に近かったですよね。だけど今年は、ジャック・ホウクスワースは去年1シーズンをフルに戦っててインディー500も経験してる。クルーもエンジニアも開幕から同じメンバーでやって来てるから、コミュニケーションが去年までと比べて断然濃い。あと、アレックスと一緒に走れるのもホントに楽しみです。TK(トニー・カナーン)とかと一緒だったKVレーシング・テクノロジー時代みたいですよね。先輩格の経験豊かなドライバーと一緒にやれるっていうのは。それは大きいです。
――楽しみですね。タグは明日から走るんですね?
佐藤琢磨:うん。今日の夕方に本当はシェイクダウンをしたいって言ってたんだけど。
――じゃ、明日からですね。
佐藤琢磨:はい。明日はエンジンも新しくなるし、楽しみです。
以上

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