2015年5月11日月曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント グランプリ・オブ・インディアナポリス 決勝:「今日はピット・ストップも非常に素早かったし、コース上では良いバトルができたし、何度もオーバーテイクをしてポジションを上げられたのがすごく良かったです」

Photo:INDYCAR クリックして拡大
今シーズン初のトップ10フィニッシュ 
 シリーズ第5戦のアンジーズ・リスト・グラン・プリ・オブ・インディアナポリスで、AJ・フォイト・エンタープライゼスの佐藤琢磨は9位フィニッシュした。今シーズン初めてのトップ10入りだ。AJ・フォイトが初めて姿を見せたレースで、彼がピット・スタンドで戦況を見守る中、14号車のドライバーは粘り強いレースを戦い抜いた。ゴールしてマシンを降りた琢磨の肩をAJは軽く叩き、「グッド・ジョブ!」と笑顔で声をかけていた。
 25台出走の22番グリッド……もう最後尾に近い位置からスタートした琢磨は、1ラップ目の1コーナーで起きた多重クラッシュをダメージなく潜り抜けることに成功し、13番手まで大きく順位を上げてメイン・ストレートへと戻って来た。
 スタート・タイヤにハード・コンパウンドのブラックをチョイスしていた琢磨だが、序盤のマシンはハンドリングが悪く、スタート直後の混乱で後方まで下がって来ていたドライバーたちにパスを許した。
レッド・タイヤでペースアップ!正攻法の3ストップで9位に
 そこで、フォイト・チームは琢磨に16周目とかなり早めのピット・ストップを行わせた。これよりさらに早いタイミングでピットしていたドライバーたちにも先行を許す結果となって、ポジションは一時的に16番手にまで後退した。
 しかし、ソフト・コンパウンドのレッド・タイヤに履き替えてからの琢磨はスピードを上げ、ブラック・タイヤで繰り広げられていたトップ争い以上のペースを安定して実現。32周目までで1ラップ目と同じ13番手まで順位を戻し、2回目のピット・ストップに向う前の37周目には11番手となっていた。
 フルコース・コーションが出れば3ストップで走れるという期待を持って戦っていたチーム、あるいは、大幅な燃費セーブ作戦で2ストップによる勝利を目指したチームもホンダ勢の中にはある中、フォイト&琢磨はセオリー通りの3ストップでゴールを目指した。彼らが燃料補給のためにピットロードヘと向かい、琢磨の順位はゴール前10周を切ってからふたつアップ。9位でのゴールが達成された。


「1周目の1コーナーはラッキーでした」
Jack Amano(以下――):イエローが最初の1回だけ、ハードなレースでしたが、22番手から9位フィニッシュできました。
佐藤琢磨:すごく良いレースでした。1周目の1コーナーはラッキーだったと思います。後方スタートだったので巻き込まれなかった。でも、あの時の自分は落ち着いていて順位を上げられた。それがすごく良かったですね。
1周目の1コーナー、後方でもクラッシュが発生。ホウクスワースのマシンの破片が舞い上がる。琢磨は後方で冷静に回避 Photo:INDYCAR(Bret Kelley) クリックして拡大
あの後、リスタートではもちろんポジションをホールドしたかったんですけど、雨の降った直後だったからなのか、スタート直後の路面ではクルマが滑っていて順位を下げました。路面にタイヤのラバーが乗って来るまででき上がって来るまではかなり苦労しました。
――レッドにしてからが速かった。
佐藤琢磨:はい。レッドにしてからは徐々にペースが自分の思っていたものに戻って来ました。今日はピット・ストップも非常に素早かったし、コース上では良いバトルができたし、何度もオーバーテイクをしてポジションを上げられたのがすごく良かったです。
――ペースがとても安定してましたね。
佐藤琢磨:クルマは乗り易かった。やっぱり、その中で前が滑ったり、後ろが滑ったりというのはあったんですけど、うまくマネジメントができていたと思います。今の自分たちが持っているものの中では、かなり力を出せたレースになっていたと思いますね。
――今日はレッドが断然良い、というレースになっていましたね?
佐藤琢磨:そうでしたね。レッド・タイヤはグレイニングも起こしていませんでしたし、バーバーでのようなタイムの落ち込みもなかったですし、スティント全体を通してレッド・タイヤの方がパフォーマンスが高かった。そういう意味では、ブラック・タイヤでスタートして、その後は順当にレッド・タイヤを3回使えたっていうのは戦略としても良かったですよね。
「ハンター‐レイともいいバトルができ、今後に対してとても心強いです」
――予選ではシボレーの強さが目立ちましたが、決勝ではその差が小さくなっているように見えましたが?
佐藤琢磨:やっぱり、ちょっとストレートでかなりヤラレた感じが強かったですね。今日何度か抜かれた時に、ブレーキング・ポイントに入る前に抜かれちゃってたから。お互いにプッシュ・トゥ・パスを押しててもそれは変わらなかった。そういう意味で課題はまだ幾つか残っていますけど、そういう中でチームとしては力を出して9位フィニッシュしたのは良かったと思います。でも、レイホールの2位はすごいと思いますけどね。今日の僕らはライアン・ハンター-レイとも良いバトルが出来たと思うし、彼が前を走っていたのを追い抜いて行って順位を上げられたのは、今後に対してとても心強いことです。
――5月のスタートを良いカタチで切れましたね?
佐藤琢磨:そうですね。5月に入ってからの僕らは非常に流れとしては良いですね。3日のオープン・テストも順調でしたし、今日のリザルトも良かったのでチームの士気も上がって来ると思います。明後日からの長いプラクティスを確実にこなして行きたいです。
以上

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