2017年5月19日金曜日

2017 INDYCARレポート 第101回インディー500 5月18日 Day4 プラクティス4:4日目のトップはジェイ・ハワード!

「トップなんて夢のよう」と語るジェイ・ハワード。今年のインディ-500でブレイクなるか? Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ハワード、キャリア・ベストな体制で臨む
3回目のインディー500
 走行4日目、風は昨日ほどではなかったけれど、相変わらず吹いていた、1日中。
 ベスト・ラップはジェイ・ハワード(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が記録。「……って誰よ?」なんて言わないで。これまで紹介するチャンスがなかったけれど、今日、ここに簡単なプロフィールを書きますので。


ヒンチクリフとアレシンをチームメイトに戦うハワードはマシンのレベルも高い Photo:INDYCAR (Forrest Mellot)クリックして拡大
 vジェイ・ハワードはイギリス出身の36歳。母国でフォーミュラ・フォード、フォーミュラ・ルノーなどを経験した後の2006年、まだ現インディー・ライツがインディー・プロ・シリーズと呼ばれてた頃にサム・シュミット・モータースポーツから参戦(シュミット・ピーターソン・モータースポーツの前身。今も良好な人間関係が続いてるってこと)し、デビュー・イヤーにして2勝してチャンピオンに。アメリカでのスタートは華々しかったんです。しかし、翌2009年にインディーカーにステップ・アップは果たせず。その先には数珠繋ぎの苦労と不運が待っていました。

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 2008年、ロス・レーシングからインディー500を含む数戦に出場する話がまとまったのに、それを ジョン・アンドレッティにさらわれ、ワトキンス・グレンの1戦だけの出場に終わり、2009年はインディー・ライツに戻る。2010年、サラ・フィッシャー・レーシングからインディー500にチャレンジするも、予選を通れず。2011年、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとシュミット・ピーターソン・モータースポーツのジョイント・プロジェクトで2回目のインディー500挑戦。予選を20位で通過したが、初出場のレースでは60周でアクシデント=30位。2012年、マイケル・シャンク・レーシング(今年アンドレッティ・オートスポートと組んでジャック・ハーヴィーを走らせてるチーム)のドライバーに選ばれ、インディー500にエントリーするはずだったが、シボレー、ホンダ、ロータスのいずれのメーカーからもエンジン供給を受けられず、出場はならず。

ピットにはあの“スモーキー”トニー・スチュワートが鎮座 Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 今年はシュミット・ピーターソン・モータースポーツにトニー・スチュワート(1996/97年チャンピオン=この頃は2年にシーズンがまたがっていた)がジョイントしたチームからインディー500にエントリー。去年のポール・ポジション獲ってるチームだし、ジェイムズ・ヒンチクリフとミカイル・アレシンというチームメイトもいるので、ハワードにとってはキャリア・ベストの体制。その成果か、走行4日目に最速ラップを記録した。
 「トップだなんて夢のようだ。明日の朝に起きたら、この話は全部消えてなくなってたりして……。今日はトニー・スチュアートが来てくれていた。その日にこういうパフォーマンスを見せられて嬉しい。未だに自分がトップだったのが信じられない。とても気分がいい」とハワードは話した。

ジョセフ・ニューガーデンがクラッシュ

 今日も走行開始は正午。気温は29℃で、路面温度は42℃。風は昨日ほどじゃないものの、一昨日と同じぐらいは吹いていた。
 昨日走らなかったチーム・ペンスキーが今日はいきなりグループ・ラン。アンドレッティ・オートスポートもガンガン走り込み。昨日が風のためにほとんどオフになったので、今日はかなり忙しい1日になっていた。 

順調に来ていたニューガーデンだったがこの日、痛恨のクラッシュPhoto:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  午後1時、まだ多くのチームが走り続けていた……その中でジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がT2で単独クラッシュ。360度スピンした後にノーズからウォールにヒットした。平均216mphで走った次のラップでのアクシデントだった。「起きて欲しくない事態になった。今日はコンディションが良いっていうのに……。“ピットに入れ”という指示を受けていた。後続を驚かせちゃいけないからと、急激なスピード・ダウンはしないよう注意したんだけれど、それが問題を引き起こすことになるとは! まだスピンの原因が本当にそれであるかは確認ができていないけれど、多分自分のミス。アクシデント前までは順調だった。マシンも良いカンジだった。それだけにクルーたちに申し訳ない」。結局、ニューガーデンは今日再び走ることはできなかった。それでも、アクシデント前に225.455mphを出していた彼は今日の5番手にランクされた。

ホンダがトップ4。フェルナンド・アロンソが4番手

 
 走行初日の月曜はホンダの1-2。火曜はシボレーの1-2-3。水曜がシボレー=トップ、ホンダ=2番手だったが、今日、木曜日はホンダがトップ4ポジションを独占した。最速は前述の通りハワードで、2番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=225.826mph、3番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)=225.709mph、4番手はフェルナンド・アロンソ(マクラーレン-ホンダ-アンドレッティ)=225.619mph。アンドレッティ・オートスポートは6人のうち3人がトップ5入り。佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は9番手=224.771mph。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)は13番手=224.503mph。ルーキーのジャック・ハーヴィー(マイケル・シャンク・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポート)は29番手221.279mphだった。


1日ごとに成長を見せているアロンソ。4日目は4番手タイム Photo:INDYCAR (Walter Kurn) クリックして拡大
 アロンソはプラクティス4日目を終え、「今日また異なるセッティングを試した。走り出しのマシンはまずまずのフィーリングだったが、それを日中の走行で向上させることができたと思う。その点は嬉しい。レース用セッティングを引き続き色々とトライし、周りにマシンがいる状態で周回を重ねた結果、トラフィックの中でも走り易いバランスを見つけることができたと考えている。明日は予選用のセッティングを行なう。しかし、僕にとって一番重要なのはレースだ」と語った。

ドラフティングの助けなしでは佐藤琢磨がトップ

 
 インディーカーの計時システムでは、前車と7秒以上離れていた時にドラフティング効果ナシ(ノー・トウ)のラップと判断される。自力でどこまでスピードを出せるのか? そのランキングで今日トップだったのは、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だった。

 
「これまでのインディー500で最も順調に進めて来れています」と語る琢磨。今日はトウなしでのトップタイムPhoto:INDYCAR (Walter Kurn) クリックして拡大
 琢磨は今日99周を走ったが、68周目に224.734mphをマークした。「明日行う予選用プラクティスに向けて少しトリム・アウトしたマシンでした」と琢磨は語り、「今日、マシンはとても良い感じになっていました。グループ・ランも2回できて、マシンの感触はとても良かった。決勝用のセッティングと、予選に向けた準備もできた。これまでのインディー500で最も順調にマシン作りを進めて来れています」と非常に満足気だった。
 ノー・トウの2番手はチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)=224.601mph。同3番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=224.351mph。同4番手はハンター-レイ=224.236mph。こちらでもホンダがトップ4で、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がシボレーでトップの5番手=224.051mphだった。
以上

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