2017年12月13日水曜日

2017 INDYCAR ニュース 12月13日:カーリンがインディーカーに2カー体制で参戦し、マイケル・シャンク・レーシングも6戦に出場

インディーカー・ドライバー多数輩出のカーリン
いよいよ2018シーズンより本格参戦へ


 佐藤琢磨がイギリスF3でチャンピオンになった時のチーム=カーリンがいよいよインディーカー・シリーズへの挑戦を開始する。トレヴァー・カーリン率いるチームはイギリスFだけでなく、GP2、GP3、フォーミュラ・ルノー3.5などで活躍して来ており、現在のインディーカー・ドライバーでは琢磨の他にもウィル・パワー、マックス・チルトン、エド・ジョーンズ、チャーリー・キンボール、ジョセフ・ニューガーデン、コナー・デイリーを走らせた実績があり、2018年にシュミット・ピーターソン・モータースポーツからフル参戦する予定のロバート・ウィッケンズ、同じく2018年に6戦の参戦を行う予定のジャック・ハーヴィー(この記事の後半でレポート)、2017年の途中までシュミット・ピーターソン・モータースポーツのレギュラーだったミカイル・アレシンもカーリン卒業生の一人だ。

 2015年からインディー・ライツに2カー体制での参戦を開始したカーリンは、チルトンとジョーンズを起用したデビュー年に開幕から3連勝を飾るなど大活躍。2シーズン目にはジョーンズがシリーズ・タイトルを獲得した。
 F1GP経験もあるチルトンは2016年にインディーカーへとステップ・アップし、ジョーンズも2017年からトップ・カテゴリーへ進出。イギリス及びヨーロッパでのミドル・フォーミュラでの経験を活かして彼らはさらに勝利を重ね、2017年に走らせたマテウス・レイストはAJ・フォイト・エンタープライゼスから2018年のインディーカー・シリーズへの参戦を実現させ、彼のチームメイトだったザック・クラマン・デ・メロも2017年最終戦ソノマでレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから既にインディーカー・デビューを終えており、ジョーンズの抜けたデイル・コイン・レーシングから2018年のフル参戦を目指している。現在F1で活躍中のダニエル・リカルドもカーリンでジュニア・フォーミュラを戦った一人だ。

ドライバーはキンボールとカーリン卒業生のチルトン
エンジンはシボレー! ワークショップは何とフロリダ!!

 そして、いよいよカーリンは元々の計画の通りにインディーカーへのステップ・アップを果たすこととなった。エアロ・キットが全員同一になる2018年は、タイミングとして最適だ。噂に上っていた通り、ドライバーにはチルトンと、彼のチップ・ガナッシ・レーシング・チームズでの療友だったキンボールが起用される。2カーでのフル・シーズン・エントリーで、どちらもインディーカーでの経験アリ。さらにはカーリンとは昔馴染み。新チームとは思えないパフォーマンスを発揮できる体制となりそうだ。それぞれのマシンを彩るスポンサーは、昨年までのガナッシでのものと同じ。チルトンはギャラガー(保険)、キンボールはノヴォ・ノルディスク(医薬品)だ。エンジンはシボレーを採用する。ただ、少々疑問なのは、カーリンがチームのワークショップをインディアナ州インディアナポリスではなく、フロリダ州デルレイ・ビーチ(マイアミの約50マイル北)に置いているところ。開幕戦セント・ピーターズバーグが最も近くて5時間ほどのドライブ。他のレースは全て長距離の遠征になるため、クルーに負担がかかる。カーリンとしてはインディアナポリスに夏の忙しいシーズン用のベースを用意して対応するようだが、それならインディアナポリスに本拠地を移した方が良い気もする。イギリス出身者だからなのか、「オフに陽の光りをエンジョイできる環境はプラス」という考え方に一理ある気もするが……。

ハーディング・レーシング、ギャビー・シャベスとともに2018年フル参戦
フンコス・レーシングはカイル・カイザーの1台体制か


 ということで、2018年のインディーカー・シリーズでは新しいチームが一気に増える。嬉しいことだ。今年インディー500などにスポット参戦したハーディング・レーシングがギャビー・シャヴェス起用のままフル・シーズン・エントリーとなり、カーリン同様にインディー・ライツで強豪として活動しているフンコス・レーシング(2017年はカイル・カイザーをチャンピオンの座に就けた)も、プロ・マツダとインディー・ライツのチームを残しながらインディーカーへと活動を拡大して来る(今のところカイザー一人の1台体制になる見込み)。そして、次に紹介するマイケル・シャンク・レーシングのエントリーもある。

マイケル・シャンク・レーシングはSPMとの協力体制をさらに拡大
ジャック・ハーヴィーが6レース以上に出場の予定


 フォーミュラ・アトランティックでサム・ホーニッシュJr.と長島正興を走らせ、インディーカーを目指したが叶わず、スポーツカーの世界に挑戦。2012年にはデイトナ24時間レースを制するなど奮闘を続けて来ていたマイケル・シャンク・レーシング(2018年もIMSA主催シリーズにアキュラNSX GT3を2カー体制でフル・エントリー)が、長年の夢であるインディーカー・シリーズへのフル参戦にまた一歩近づく。2017年にアンドレッティ・オートスポートと提携、インディー500にジャック・ハーヴィーをエントリーさせた彼らは、2018年はシュミット・ピーターソン・モータースポーツと手を組み、ハーヴィーを6レース以上に出場させる。2017年のシーズン終盤2戦で見られたコンビネーションが2018年にも継続されるということだ。スポンサーはオートネイション(自動車販売)とシリウスXM(ラジオ)。6レースは開幕戦セント・ピーターズバーグとインディー500が確定で、残りはロング・ビーチ、トロント、ミッド・オハイオ、ロード・アメリカ、復活開催のポートランドが候補だ。ヤル気満々の彼らはダラーラから新しいシャシーを購入し、2018年シーズンに備えている。彼らはオハイオ州コロンバスのワークショップを本拠地としたまま、インディのシュミットのショップもシーズン中には利用する計画だ。
以上

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