2017年12月20日水曜日

2017 INDYCARレポート 12月19日:2018年向けチーム体制の現状 ユニヴァーサル・エアロキットと新チーム参入

3チームが新たにフルエントリーをスタート
現時点でシボレー勢は11台確定、ホンダ勢は12台でレギュラーは23台以上に

 早いもので、もう年末。2018年シーズンに向けたチーム体制も前回の1ヵ月ほど前のレポートの時より幾らかの進展があったので、情報をおさらいしてみよう。

チーム・ペンスキー、チャンピオン経験者3カー体制
 チーム・ペンスキーは1台マイナスの3カー体制。ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンと全員タイトル獲得経験者。ただしインディー500ウィナーはいない。エリオ・カストロネヴェスはインディー500に来年も出場し、4勝目を狙う。しかし、ファン・パブロ・モントーヤが3勝目を目指しての参戦を行うかは不明。是非出て欲しいところだ。

ECRはピゴットがフルエントリー、JRの代わりはデイリーか??
 エド・カーペンター・レーシング(ECR)はオーバルでのパフォーマンスを買われてJR・ヒルデブランドが2017年シーズンには21号車でフル・シーズン・エントリーしたが、予想された通りに(失礼)ロード系で一切振るわず。スペンサー・ピゴットが2018年にはフル・エントリーに昇格し、それによってできた空席(=20号車のロード担当)にはコナー・デイリーの名前が候補として挙がっている。ヒルデブランドと同じ道を辿らないかと心配だが……。

AJ・フォイトはドライバー全取り換え、ブラジリアン2人で臨む
 AJ・フォイト・エンタープライゼスはドライバー体制をまたしても全取っ替え。トニー・カナーンとマテウス・レイストとブラジリアン・コンビで新シーズンを戦う。

ハーディング・レーシングはシャベスでシーズンフル・エントリー
カーリンは既報のとおりキンボール&チルトン


 2017年のオーバル3戦に出場したハーディング・レーシングは、ペドロ・シャヴェスをフル・エントリーさせる。
 そして、インディー・ライツで3シーズンを戦って来たカーリン(佐藤琢磨をイギリスF3チャンピオンにしたチーム)が、いよいよインディーカーへと参入する。それも2カーで。ドライバーは既報の通りチャーリー・キンボールとマックス・チルトン(どちらもイギリスF3にカーリンから参戦していた)。

カイル・カイザーでフルエントリーするフンコス・レーシング
2カー体制を目指し、ドライバーも模索中


 さらに、2017年にプロ・マツダとインディー・ライツでダブル・タイトルを獲得したフンコス・レーシングが、2018年にインディーカー・シリーズへのフル・エントリーを実現する予定だ。2017年インディー・ライツ・チャンピオンとなったばかりのカイル・カイザーが1台目に乗るのは確定。彼らは2カーでの出場を目指しているが、ドライバー、スポンサーともに不明。
 ボウタイ軍団は11台のフル・エントリーがほぼ確定。12台に増える可能性アリとなっている。

2台体制で常勝時代の復活を目指すチップ・ガナッシ

 ホンダ陣営はどうか?
 チップ・ガナッシ・レーシングは4カーから2カーに縮小。ドライバーはスコット・ディクソンとエド・ジョーンズという新コンビになる。2台両方が勝てる全盛期の体制を取り戻すことが彼らの新しい目標だ。

アンドレッティ・オートスポートアメリカ人ドライバー4人体制
SPMはヒンチに加えロバート・ウィッケンズが加入しカナディアン2人に

 マルチ・カーの元祖アンドレッティ・オートスポートは4台体制を維持する。ただし、1台は2018年もブライアン・ハータのチームとのコラボレーション。ライアン・ハンター-レイ、マルコ・アンドレッティ、アレクサンダー・ロッシと残留組が3人で、4台目のシートはザック・ヴィーチ(R)が大型スポンサー持ち込みで獲得!
 シュミット・ピーターソン・モータースポーツ(SPM)はジェイムズ・ヒンチクリフが残留。ロバート・ウィッケンズが加わって、カナディアン2人を走らせる体制へと変わる。フォイトがブラジリアンx2で行くことになった年にSPMがカナディアンx2になるというのは面白い。

レイホールは琢磨加入で2台体制に
エイル・コインはブルディのみ確定、ジョーンズの空席はデイリーorメロ

アンドレッティ・オートスポートはECR同様にアメリカン・オンリーのチームとなる。
 そして、注目のレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングだが、こちらはグレアム・レイホールと佐藤琢磨のコンビによる2カー体制へと拡大する。
 最後に、デイル・コイン・レーシング。大事故からも短時間で復活して来てモーティヴェイションの高さを見せつけたセバスチャン・ブルデイは残留。エディー・ジョーンズがガナッシに移ったので、19号車が空席に。ECRでも候補に挙がっているデイリーは、コインで走ったことがあるだけに、この空席に収まる可能性が高いとの見方がされている……が、2017年最終戦ソノマでインディーカーへのデビューを果たしたインディー・ライツ・ドライバーのザカリー・クレマン・デ・メロ(カナダ)がこのシートを獲得する可能性もある。デ・メロがそれなりの額のスポンサーを持ち込むなら、デイリーではなく彼の方をチームが選ぶ可能性は十分にある。

 ということで、ホンダは12台体制となる見込み。シボレーは最低でも11台なので、3つの新チームが新たにフル・エントリーを行う2018年シーズンは、レギュラーが23~24台になる見込。これは楽しみだ。


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